NFTや仮想通貨を使っていると、ハッキングで資産を盗まれたという話をよく耳にすることでしょう。
ブロックチェーンに繋がっている時点でハッキングされる可能性があるため、ウォレットの使い方に注意するだけでは資産を守れないかもしれません。
より安全に資産を守るには、ハードウェアウォレットが有効です。
この記事では、ハードウェアウォレットの概要や使い方、メリットなどを解説します。
この記事のザックリ要約!
✅ハードウェアウォレットはブロックチェーンから物理的に離れた場所で資産を保管できる
✅ハッキングの被害に遭う心配はなくなるが、購入費用がかかる
✅中古品にはリスクがあるため公式サイトや正規販売代理店で購入しよう
おすすめの商品や販売店も紹介するので、ウォレットの資産をより強固に守りたい方は本記事を読んでみてください。
ハードウェアウォレットの概要と使い方
ハードウェアウォレットとは、仮想通貨を保管するために使う物理的なウォレットです。
仮想通貨やNFTを取引するにはウォレットを用意する必要があり、ハードウェアウォレットもその1つです。
ハードウェアウォレットと対になるものとしてソフトウェアウォレットがあり、MetaMaskなどのブラウザウォレットやモバイルウォレットがこれにあたります。
個人で仮想通貨を保管するうえで最もセキュリティ性が高いため、大切な資産をハードウェアウォレットで守っているという人も多いです。
自分で管理できるコールドウォレット
ウォレットにはコールドウォレットとホットウォレットの2種類があり、ハードウェアウォレットはコールドウォレットの1つです。
コールドウォレット | ・ハードウェアウォレット・ペーパーウォレット |
ホットウォレット | ・ブラウザウォレット・モバイルウォレット |
この2つの違いは、通信環境から隔離しているかどうか。
コールドウォレットは物理的に隔離しているため、知らない間にウォレットの中身を盗まれる心配がありません。
ウォレット用のアプリを使って管理
ハードウェアウォレットを利用するときは、専用のアプリを使い、ハードウェアウォレットを接続し、PINコードを入力する必要があります。
ウォレットの接続方法としては、パソコンのUSB差込口に接続して使うのが一般的です。
ただし、スマートフォンにBluetoothなどで接続できたり、USB接続ができないタイプもあるため、対応しているデバイスを確認する必要があるでしょう。
普段使いは禁物
ハードウェアウォレットを使ってNFTや仮想通貨を取引できますが、実際におこなうのは控えましょう。
ブロックチェーンから離れた場所で保管するためのハードウェアウォレットで、ブロックチェーンに接続する機会を多くしてしまっては意味がありません。
普段の取引はホットウォレットでおこない、長期的に保管する資産をハードウェアウォレットに送るようにしてください。
ウォレットをなくしても復元可能
ハードウェアウォレットを紛失したり破損したりしても、リカバリーフレーズ(アクティベーションコード)があれば復元できます。
ハードウェアウォレットの中にあるのは暗号資産ではなく、管理するために必要な鍵です。
そのため、新しいハードウェアウォレットを用意してリカバリーフレーズを使用すれば鍵を複製でき、ウォレット内の資産を動かせるようになります。
リカバリーフレーズはウォレットを使い始めるときに確認することが可能です。
利用するメリット
ホットウォレットと比べると用意するのに手間がかかるハードウェアウォレットですが、導入するメリットは大きいです。
主なメリットとして、下記の3点が挙げられます。
・ハッキングの被害を受ける心配がない
・対応している仮想通貨の種類が多い
・ウォレットを物理的に持ち運べる
多額の仮想通貨や高額なNFTを保有しているのであれば、これらのメリットが重要であることがわかるでしょう。
以下で詳細を解説していきます。
ハッキングを受ける心配をせずにすむ
このメリットに魅力を感じてハードウェアウォレットを購入した人も多いでしょう。
ホットウォレットの場合、つねにブロックチェーンと繋がっているため、ただ持っているだけでもハッキングされる可能性があります。
実際2022年8月に、Solanaチェーン上で8000以上のウォレットから資産を抜き取られる事件が発生しました。
(参考)CoinPost|ソラナの仮想通貨ウォレットが標的に、ハッキングによる大量被害
ブロックチェーンから切り離して保管できるハードウェアウォレットであれば、こうしたハッキング被害を防げます。
対応している仮想通貨の種類が多い
ハードウェアウォレットに対応している仮想通貨の種類は、国内の仮想通貨取引所と比べると多いです。
ウォレットによっては、1000種類を超える仮想通貨やNFTを保管できます。
ブロックチェーンが異なる仮想通貨を1つのウォレットでまとめられる点も魅力的です。
ウォレットを持ち運べる
外出先でウォレットを利用する機会が多い人には、ハードウェアウォレットが向いているでしょう。
ハードウェアウォレットを持ち歩いている限り、あなたの知らないところでウォレットを操作されることはありません。
ただし、持ち歩いているうちにウォレットを紛失する可能性があるので、肌身離さず携帯するよう注意が必要です。
デメリットと注意点
ハードウェアウォレットを利用するうえで気を付けたいデメリット・注意点は、下記の3点です。
・高額な購入費用がかかる
・リカバリーフレーズを管理する必要がある
・中古で購入するとトラブルになる可能性がある
とくにリカバリーフレーズに関しては、ほかの種類のウォレットでも注意すべき点なので、重要なポイントだといえるでしょう。
以下の詳細を読んで、自分の資産を奪われないように気を付けてください。
購入価格が高い
ハードウェアウォレットの相場は1万円以上です。
無料でインストールできるブラウザウォレットと比べると、かなり高価だといえるでしょう。
保有している資産が1万円程度であれば、購入する意義はないかもしれません。
ハードウェアウォレットを購入する際は、お金をかけてでも守りたい資産があるかどうか検討してみましょう。
リカバリーフレーズを管理する必要がある
リカバリーフレーズは、ウォレット外の人目につかない場所で管理しなければなりません。
ハードウェアウォレットを紛失もしくは破損してしまうと、リカバリーフレーズを確認できなくなります。
紙などにメモして残し、金庫のような人の目に触れない場所で厳重に保管しましょう。
万が一、リカバリーフレーズが漏れてしまえば簡単に鍵を複製されてしまい、ウォレットの資産を抜き取られてしまいます。
中古で購入するとリスクがある
ハードウェアウォレットを購入するとき、中古品や非正規品を購入するのは絶対にやめてください。
なぜなら、あらかじめ秘密鍵が抜き取られていたり、資産を盗むためのマルウェアが仕込まれていたりする可能性が高いからです。
資産を守るためのハードウェアウォレットを購入するために、資産を盗まれるリスクを犯すのは本末転倒です。
フリーマーケットなどで比較的安い中古品などを買ったりせず、必ず正規品を購入しましょう。
おすすめのハードウェアウォレット
日本でも販売されている、3つのハードウェアウォレットを紹介・比較します。
USB接続にさえ対応していないウォレットがあるなど、それぞれの性能差は意外と大きいです。
対応している仮想通貨や接続方法などを確認したうえで、使いたいウォレットを選んでください。
Ledger Nanoシリーズ
(Ledger)
フランスに本社を構えているLedger社が開発した、日本でも人気の高いハードウェアウォレットです。
「Ledger Nano S Plus」や「Ledger Nano X」が販売されており、どちらもNFTを保管できます。
対応している仮想通貨の種類も5500以上と圧倒的です。
Ledger Nano XはUSB接続とBluetooth接続の両方に対応しているため、あらゆるニーズに対応できるでしょう。
CoolWallet
台湾発のメーカーCoolBitXが販売している、カードのような形状が特徴のハードウェアウォレットです。
数タイプ存在するうちの1つ「CoolWallet Pro」は、公式でサポートされている150以上の仮想通貨のほか、イーサリアムやBSC、トロンなどのカスタムトークンにも対応。
ERC-721やERC-1155形式のNFTも保管できます。
スマートフォンのみ対応しており、BluetoothやNFCで接続して使います。
Trezor
(Trezor)
チェコ共和国に拠点を置くSatoshiLabs社のハードウェアウォレットです。
1800以上の仮想通貨に対応しており、NFTも保管できます。
2ボタンで操作する「Trezor One」と、タッチスクリーンで操作できる上位版の「Trezor Model T」の、2つのタイプから選べます。
USB接続のみ対応しており、使用するにはパソコンによる設定が必要です。
購入できる場所
上記で紹介したハードウェアウォレットの正規品を購入できるサイトや店舗を解説します。
・公式オンラインショップ
・正規販売代理店
・家電量販店
ここで紹介していない場所で購入すると、資産を抜かれてしまう可能性が高いです。
先に紹介している場所ほど信頼できる購入先なので、なるべく公式サイトや正規販売代理店で買うようにしてください。
公式オンラインショップ
一番確実なのは、公式サイトのオンラインショップで購入することです。
開発元から直接届けられるため、安全性を重視したい人は公式サイトでの購入がおすすめです。
ほとんどの販売元が海外なので英語の場合が多いですが、言語を日本語に切り替えられるサイトもあるので確認してみましょう。
公式オンラインショップを利用するデメリットとしては、海外から発送されるため時間がかかる点や、送料が高い点が挙げられます。
また、日本円以外での支払いになる場合もあるため、支払い通貨には注意してください。
購入するウォレット | 公式オンラインショップ |
Ledger | Ledgerショップ |
CoolWallet | CoolWallet商品一覧 |
Trezor | Trezorショップ |
正規販売代理店
公式に認められている正規販売代理店で購入するのも安全です。
正規販売代理店は世界各地に存在し、日本でもハードウェアウォレットを販売しています。
日本語のサイトでサポートも充実しているため、公式オンラインショップで買うより敷居が低いでしょう。
正規販売代理店でないのにウォレットを販売している可能性もあるため、本当に正規販売代理店かどうかを公式ページで確認したうえで購入してください。
たとえば、以前はTrezorの正規販売代理店が日本にもあったようですが、2022年9月時点では1件も存在しません。
(参考)仮想通貨で生存戦略|TREZOR(トレザー)の日本国内の正規販売代理店を調べてみた
正規販売代理店であると確認したサイトでも、ハードウェアウォレットを購入するたびに確認したほうがいいでしょう。
購入するウォレット | 正規販売代理店 | 正規販売店 確認ページ |
Ledger | ハードウェアウォレットジャパン(Earth Ship) | Ledgerリセラーネットワーク |
CoolWallet | Cool Wallet Japan(Ermis) | CoolWallet販売代理店 |
Trezor | 該当なし(2022年9月時点) | Trezor Resellers |
家電量販店
Ledgerの正規販売代理店には、日本の家電量販店も含まれています。
2022年9月時点で公式に掲載されている店舗は以下の3店です。
・ビックカメラ
・ヤマダ電機
・ヨドバシカメラ
普段使い慣れた店舗で購入したい人は、これらの店舗でLedger製品を買うといいでしょう。
ただし、正規販売代理店と比べて品薄になりやすいため、買いたいタイミングで購入するのは難しいかもしれません。
Amazon公式ストア ※要注意
本記事で紹介したハードウェアウォレットは、Amazon公式ストアでも販売されています。
ただし、Amazonで検索してウォレットを探すと、公式以外から販売されている商品を購入してしまう恐れがあります。
たとえ新品であったとしても、公式以外の手に一度渡っている時点で危険です。
Amazonを利用する場合は、販売元が公式であるか十分に確認してから購入してください。
公式ページの正規販売代理店一覧からAmazonのリンクをたどっていくのが確実で安全でしょう。
まとめ:正規品を購入して資産を守ろう
資産を守る最善の方法はハードウェアウォレットだといわれています。
大切なNFTや仮想通貨をホットウォレットに入れているのであれば、ハードウェアウォレットの利用を検討してみるとよいでしょう。
購入の際は、公式オンラインショップや正規販売代理店で正規品を買ってください。
お金を惜しんで中古品などを購入してしまうと、ハッキングされて取り返しのつかないことになりかねません。
リスクの最小化を第一に考え、安心して利用できるウォレットで資産を守りましょう。