NFTコレクションのユーティリティおよび特典を見ていると、独自のメタバースを提供する予定のNFTプロジェクトが多いと感じるのではないでしょうか。
それだけNFTとメタバースの相性はよく、メタバースが必要だと考えるプロジェクトが多いといえます。
つまり、メタバースで活動できるVTuberは、今後さまざまなNFTプロジェクトにかかわる可能性が高いと考えられるでしょう。
この記事では、NFTを利用しているVTuberプロジェクトや、VTuberの関連商品としてNFTを販売している事例を紹介します。
この記事のザックリ要約!
✅VTuber=2Dや3Dのモデルで配信活動をしているキャラクター
✅メタバースを利用したVTuberの配信やイベントが実施されており、今後も需要が高まる可能性が高い
✅企業勢、個人勢ともに多様なプロジェクトを展開している
これから展開されていく予定のNFTプロジェクトやVTuberに興味がある方は、ぜひ本記事をご一読ください。
VTuberとは
VTuberは「バーチャルYouTuber」の略称で、2Dや3Dのモデルを使って配信活動をしているキャラクターのことを指します。
2016年12月に活動を開始した人気VTuber「キズナアイ」がバーチャルYouTuberを自称したことで、VTuberの略称とともに定着しました。
VTuberの人数は日ごとに増え続けており、2022年11月には少なくとも2万人以上がVTuberとして活動しているとのことです。
(参考)ユーザーローカル|VTuber(バーチャルYouTuber)、ついに2万人を突破(ユーザーローカル調べ)
近年ではテレビ番組やコマーシャルなどでもVTuberが登場するようになり、人気は高まり続けています。
企業勢と個人勢
VTuberは企業勢と個人勢の2つに分けられます。
企業勢とは、VTuberプロダクションが運営しているグループに所属しているVTuberのことです。
企業勢が所属しているグループとしては「ホロライブ」や「にじさんじ」などが有名で、メディアに露出しているVTuberの大半はこうしたグループに属しています。
いっぽう個人勢は、企業に属することなく自身の裁量で配信活動をしています。
スマートフォン1台のみを使って配信していたり、企業勢と同等の機材を使って企画を作っていたりと、人によって活動内容が大きく異なるのが特徴です。
メタバースで活躍する可能性が高い
VTuberの主な活動場所はバーチャル空間なので、VTuberとメタバースの親和性は非常に高いです。
実際に「cluster」や「VRChat」などのメタバースプラットフォームを利用してイベントやライブをおこなっているVTuberもいます。
また、2022年11月24日~27日におこなわれた「テレ東バーチャル音楽フェス」に=LOVEやDa-iCE、モーニング娘。’22が出演するなど、リアルアーティストからの注目がうかがえます。
今後メタバースにおける活動への注目が集まっていけば、VTuberの需要も高まっていくと考えられるでしょう。
VTuberプロジェクトに関わるNFT
VTuberの文化をWeb3に拡散させようとしているVTuberプロジェクトがいくつも立ち上がり、プロジェクトの参加者であることを証明するNFTが配布・販売されています。
ここでは、VTuberを応援することを目的としたNFTプロジェクトを4つ紹介します。
NFTを保有すると特典もあるので、気になるプロジェクトがあればチェックしてみてください。
事例1:Vhigh!
100人以上のVTuberが所属しているグループ「にじさんじ」を立ち上げた岩永太貴氏が関わっているため、群を抜いて注目されているプロジェクトです。
Vhigh! では、プロジェクトの参加者全員がVTuberの立ち上げに貢献できる環境を作り、多くのタレントを生み出すことを目的としています。
たとえば、VTuberとして活動したり、アートや音楽などのクリエイターとして参加したり、誕生したタレントを応援したりする形でプロジェクトに貢献できます。
すでに配布されているNFTコレクション「Vhigh! Avatar Gen 0.0」の保有者には、今後展開していくサービスの優先権が得られます。
(OpenSea|Vhigh! Avatar Gen 0.0)
2022年11月には第1回オーディションの募集があり、これからの展開に期待できるでしょう。
なお、Vhigh! のNFTは無料で配布されており、ホワイトリストの保有者向けに配布予定のNFTコレクション「Vhigh! Avatar Gen 1.0」もフリーミントで入手できます。
Gen 1.0のNFTは、公式サイトで公開されているのと同等のクオリティで描かれており、VTuberのモデルとして利用できるキャラクターデータも渡されるとのことです。
(参考)note|Vhigh! x NFTmeijin AMA 文字起こし
事例2:NEN STUDIO
2020年11月から活動しているAI VTuber「紡ネン」をモチーフに制作されているNFTコレクションです。
紡ネンはAIで学習して言葉を覚えるVTuberで、YouTubeでの配信やTwitterのツイート、DiscordのBOTなどをとおして言葉を覚えることができます。
紡ネンの学習によって成長しているAI「NEN(Neural Elective N)」をベースに、新たなAI VTuberを誕生させるプロジェクトとして、Project NENが発足されました。
Project NENよりフリーミントで提供されたNFTコレクション「NEN STUDIO」は、「GENE」と呼ばれるAIキャラクターのNFTです。
それぞれのGENEには質問が設定されており、NFT保有者が質問に回答することで独自のシナリオや設定を組み込めます。
ロードマップによると、NFT保有者が決めた設定をもとにしたゲームやアニメ、マンガなどの制作が進められているようです。
(参考資料)https://nen-studio.com/JP-WhitePaper
事例3:NYAVATAR
実際に存在する猫の見た目や性格をベースにデザインされたキャラクター「にゃばたー」を育て、アイドルの頂点を目指す育成プロジェクトです。
にゃばたーは、ライブ配信やSNSでのやり取りをとおして言葉を覚えるだけでなく、ユーザーが投稿した楽曲をもとに歌も覚えていきます。
2022年11月28日時点では、アメリカンショートヘアのにゃばたー「青木アリス」が配信活動をおこなっています。
今後6体のにゃばたーが順次配信を開始し、にゃばたー同士がパフォーマンスバトルするという構想が練られているようです。
プロジェクトで発行されたNFTコレクション「NYAVATAR」には、イラストに描かれている各にゃばたーのご主人様ライセンスとしての機能を持っています。
ご主人様として認識されたNFT保有者には、ライブ配信やSNSで特別な反応を示すようになります。
事例4:Transmit Streamers
Transmit Streamers(略称TRST)は、総選挙とオーディションによってファンがVTuberを作るプロジェクトです。
2022年11月時点でNFTコレクションは公開されていませんが、6体のキャラクターのNFTが発行される予定です。
NFTを保有していると、VTuberとしてデビューするキャラクターを決める総選挙や、キャラクターの魂(声優)を決めるオーディションの投票権を得られます。
投票権以外にも、今後出る予定のNFTを獲得できるホワイトリストの権利や、6種類すべてのNFTを保有している人向けの限定特典などが用意されています。
また、公式のDiscordコミュニティで企画や提案を広く募っていたり、二次創作ガイドラインを提示していたりと、プロジェクトに関わりやすい環境が整っている点も特徴です。
VTuberに関連するNFT
ここまで紹介した事例は、NFTを利用する前提で立ち上げられたプロジェクトに関するものでした。
以下では、すでに活動しているVTuberがNFTを発行した例を4つ挙げていきます。
事例5:Metaaniとのコラボ
(Kizuna AI 公式サイト|クリプトアートプロジェクト「Metaani」にて、キズナアイのコラボ!)
VTuberの原点ともいえるキズナアイが、日本発のメタバースNFT「Metaani」とコラボしたNFTコレクションが販売されました。
MetaaniのNFTはメタバースで利用できる3Dアバターで、クリプトアート(ドット絵)が体のデザインになっているのが特徴です。
コラボの目印として、NFTのアバターには、キズナアイが着用しているハート型のカチューシャが付いています。
また、キズナアイが投稿している動画のサムネイル画像がアバターの背中に貼られており、NFTによって画像が異なります。
事例6:サイン付きカード
(PR TIMES|【VTuberNFT】SHOWROOM株式会社が運営する「AVATAR2.0 Project」所属VTuber13名のサイン付きNFTカードを販売)
テレビ出演やイベント出演など多方面で活躍しているVTuberグループ「Avatar 2.0 Project」に所属しているメンバーのサイン付きカードが、NFTとして販売されました。
販売されたのは13名のVTuberがそれぞれ描かれているNFTカードで、各3点ずつ販売されています。
2日に分けて販売された結果、1日目は5分で、2日目はわずか2分で完売したとのことです。
(参考)PR TIMES|SHOWROOM株式会社が運営する「AVATAR2.0 Project」所属VTuberのサイン付きNFTカードが開始2分で即完売
事例7:スポンサーNFT
福岡県朝倉市秋月の城下町で経営している古民家茶屋「黒門茶屋」から、VTuber「秋月みいひ」のスポンサーNFTが発行されています。
秋月みいひは黒門茶屋で生まれたVTuberで、地域のPR情報などを発信しています。
スポンサーNFTを購入すると秋月みいひのスポンサーであることを公言できるようになります。
また、秋月みいひの人気が上がってスポンサーNFTの価値が高まれば、NFTを転売して利益を得ることも可能です。
ちなみに、黒門茶屋で販売している商品のスポンサーになれる「メニュースポンサーNFT」も発行されています。
(参考)HEXA|古民家茶屋「黒門茶屋」のメニュースポンサーNFT
事例8:楽天NFTでのトレカ販売
(Twitter)
楽天グループが運営しているNFTマーケットプレイス「楽天NFT」でも、VTuberのNFTが販売されています。
楽天NFTで初のVTuberNFTとなったのは、YouTubeやREALTYで活動しているVTuber「安全だいいち!」のNFTトレカです。
用意されたNFTトレカは100点限りで、販売開始から30分で完売しました。
(参考)ダイキサウンド株式会社|Rakuten NFT初の取扱いとなったVtuber・安全だいいち!NFTトレカを30分で完売!!
販売日にはカウントダウン配信がおこなわれており、NFTが完売するまでのリアクションを動画で視聴することができます。
まとめ:VTuber系NFTに注目してみよう
概念が定着して以来、YouTubeチャンネル登録者数が100万人を超えるVTuberが次々と現れています。
すでに一大ジャンルとなっているVTuberは、NFT界隈にも大きな影響を与える存在となるかもしれません。
VTuberの誕生に向けて準備を進めているNFTプロジェクトに注目し、どのように企画を展開していくか注目してみるとよいでしょう。
これからNFTプロジェクトを立ち上げる場合は、VTuberを取り入れた事例を参考にしてみてください。