NFTのバブルが弾けたとは本当か?

一部ではNFTバブルは既に弾けたという声もあります。本当なのでしょうか。そこでこの記事ではバブルが弾けたのかどうかを検証しています。さらにNFTアートのこれからについても見ていきますから、NFTに興味をお持ちの方はぜひ参考になさってください。

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そもそもNFT(非代替性トークン)とは?

非代替性トークン(non-fungible token、略称: NFT)とは、ブロックチェーン上に記録される代替不可能なデータのことを指します。NFTは画像や動画、音声やデジタルファイルなど容易に複製可能なアイテムを、代替不可能なアイテムとすることができます。

ブロックチェーン技術を使用してそのNFTの所有権の公的な証明を提供するというわけです。唯一無二の存在となるのでビットコインなどの仮想通貨とは異なります。

最初のNFTプロジェクトは2015年にイーサリアムのブロックチェーン上で行われました。2021年にはNFTの総金銭的価値は増大し、同年の第一四半期にはNFTの売上高は20億ドルを超えました。

しかしNFTはブロックチェーンのトランザクション検証に伴うエネルギーコストと、カーボンフットプリントへの懸念や悪徳商法にりようされていることから度々批判されています。

NFTの概要

NFTはブロックチェーンと呼ばれるデジタル台帳上に記録されている売買可能なデジタルデータです。特定のデジタル資産や不動産の権利などにも関連付けることができます。またNFTはデジタルマーケットで売買することができます。

NFTはあたかも暗号トークンのように機能しますが仮想通貨のように相互に交換することはできません。つまり代替可能性がないということになります。ビットコインは全て同一ですがNFTはすべて異なるということなのです。

NFTバブルが弾けたとは本当か

まずはメインテーマであるNFTバブルが弾けたのかどうかについて検証していきます。売上のピークは過ぎたのかどうかやNFTアートのこれからについて見ていきます。

売り上げのピークは過ぎた

報道によれば2021年5月3日のNFTの取引高は112億円でした。この前後1週間の取引高のピークは187億円です。しかし5月末から6月にかけての取引高は22億円に過ぎませんでした。なんとピークから90%も下落したことになります。

NFTは高額で取引されるNFTアートがある一方でNFTセールスの多くはいわゆるキャラコレクションと呼ばれるものです。しかしこちらの取引も低調で総額で10億円あまりに留まっています。

CryptoPunks(クリプトパンク)のピクセルアートが9点で18億5,000万円だったことを考えると隔世の感がありますが、同作が落札されたのは5月11日に行われたオークションです。つまり20日あまりで急落したことになります。

これらの事象を見ればNFTのバブルは弾けたと見ていいでしょう。

それでも企業の参入は続く

売り上げのピークは過ぎたとはいえ国内企業のNFTへの参入は続いています。GMOやエイベックス、スクエニHDやマネックス傘下のコインチェックなどなど目白押しといっていいでしょう。

ゲームやアートの市場も拡大しているのでバブルが弾けたとはいえ企業にはまだまだ魅力的に見えているのでしょう。

NFTが抱える問題点

唯一無二の存在証明であるNFTですがブロックチェーンの外では問題を抱えています。法的根拠や税務整理が追いつかないのが現状で不透明と言わざるを得ません。しかしこれらのネガを解決すればNFTは便利で安全なものになるでしょう。

NFTのこれから

このままNFTが衰退することはないでしょう。何かを収集しコレクションを充実させることはとても楽しいものです。切手やコインなどを収集した経験は誰しもあるはずです。

そしてそのコレクションを誰かに見せることで満足度はさらに上がります。NFTアートにもそうした場を付加してやれば再び活況を取り戻せるでしょう。Instagramのように誰かと繋がることができればさらに可能性が広がります。

そもそもNFTアートとは

ここからはNFTの中でも注目を集めているNFTアートについて見ていきましょう。NFTアートとはブロックチェーン技術を用いて作成された唯一無二のデジタルアートのことを指します。従来の技術では簡単に複製が作られるためデジタルアートの価値は無に等しいものでした。

しかしブロックチェーン技術を用いて作成されたデジタルアートは、複製の作成が不可能なので資産価値が認められるようになったわけです。デジタルアートはデジタルデータなので最初の所有者が誰なのか、あるいは所有履歴についても記録されます。

唯一無二の存在証明

NFTアートはブロックチェーン技術を用いて作成されるので唯一無二の存在であることが証明されます。これによって資産価値が生じることになりました。これはそのNFTアートが動画であれ画像であれ変わることはありません。

これまでのデジタルアートではなし得なかった資産価値が付いたことでマーケットで取引されるようになったわけです。

有名なNFTアートについて

Beeple(ビープル)によるデジタルアート「Everydays – The First 5000 Days」が有名です。同作はスケッチを集めたコラージュでオークションでは75億円の値がつけられました。この金額はこれまでのNFTアートの最高額となります。

CryptoPunks(クリプトパンク)のピクセルアートもよく知られています。オークションでは9点の作品が18億5,000万円で落札されています。変わったアプローチとしてはバスケットボールのBリーグに所属する川崎ブレイブサンダースが、カードゲーム「PICKFIVE」を2021年4月27日から試験的に提供しています。

カードゲームのプレーヤーは試合開始前に活躍する選手を予想してその選手のカードを選びます。試合後に個人成績がスコア化され勝敗を競うというものです。なおプレーヤーが手にするカードは唯一無二のもので同じ選手であってもカードは全て異なります。NFTアートにゲーム性を持たせたものといえるでしょう。

NFTやNFTアートはどこで売買されるのか

なかなか魅力的なNFTアートですがどこで売買されているのでしょう。NFTの売買が行われているのはNFTプラットフォームです。現在有力なNFTプラットフォームはCoincheck(コインチェック)とOpenSea(オープンシー)、そしてRarible(ラリブル)の3つです。それぞれご紹介しましょう。

Coincheck(コインチェック)

コインチェックはイーサリアムやビットコインなど17種類もの仮想通貨を交換できる取引所です。2021年3月24日からNFTと仮想通貨を交換できる「Coincheck NFT(β版)」を提供しています。

しかしベータ版なので2021年11月現在ではNFTアートの扱いはありません。NFTゲームなどには対応しているので、そのうち追加設定されるはずです。

OpenSea(オープンシー)

オープンシーは世界最大のNFTプラットフォームです。アカウントの登録や取引までの流れがとてもシンプルなことから人気を集めています。最大の特徴は初回の取引以外はガス代が発生しないこと。ガス代は現在高騰しているので利用者にとってはとてもありがたい仕組みとなっています。

Rarible(ラリブル)

ラリブルも名の通ったNFTプラットフォームです。オープンシーよりもさらに簡単に参加できるので人気となっています。独自発行のトークンが使えるなどの特徴はありますが、ガス代がかかるため運用するには注意が必要です。

おわりに

急速に拡大しつつあるNFTとNFTアートですが法的税務的にはまだまだ脆弱です。提供者の努力もちろんですが行政もバックアップすべきでしょう。新たな技術でイニシアチブを握ることはとても重要なことです。

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