3億円で売れたNFTアート「Chromie Squiggle」とは?

NFTマーケットプレイスの売上ランキングなどを見ていて、人気のあるNFTアートはPFP(プロフィール画像)系やメタバース系ばかりだと感じたことはないでしょうか?

そういった中、Art Blocksのコレクションは新たなアート作品を次々と公開し、CryptoPunksやBored Ape Yacht Clubに次ぐ知名度を得ています。

この記事では、Art Blocksの代表的なプロジェクトでもあるChromie Squiggleについて解説します。

この記事をざっくり要約!

  • Chromie Squiggle=ミント時に初めて描画されるジェネラティブアート!
  • 高値が付いた要因は、ジェネラティブの技術や製作者の知名度?
  • Squiggleが作成されたプラットフォーム「Art block」が面白い!

3億円で取引されたこともある有名プロジェクトについて知りたい方は、ぜひ本記事を読んでみてください。

Chromie Squiggleとは

OpenSea|Chromie Squiggle by Snowfro

Chromie Squiggleは、Snowfro氏によって作成されたNFTアートプロジェクトで、背景のない波線が特徴です。

2020年11月28日に販売され、9625点の作品が生成されました。

2022年5月30日時点で、OpenSeaでの最低価格は6ETH、売上総額は約15000ETHとなっています。

現在は生成済みのNFTを二次流通でのみ購入することができます。

アルゴリズムによるジェネラティブアート

Chromie Squiggleはジェネラティブアートとして広く知られています。

ジェネラティブアートとは、アルゴリズム(プログラミング処理)によって描画されるNFTアートのことです。

描画するパターンはアートの作者によって設定されるものの、ミントするNFTがどのようなデザインになるかは誰にもわかりません。

完成品がランダムであるため、ミントするたびに楽しさが感じられるアートといえるでしょう。

なお、ジェネラティブアートはジェネラティブNFTの発展形です。

ジェネラティブNFTは決められたパーツの組み合わせによって生成されるのに対し、ジェネラティブアートは決められた数式とランダムな値によって生成されます。

9つのパラメータを持つ

描かれたChromie Squiggleには、線の種類や高さ、色の間隔など、作品の特徴を表す9つのパラメータがあります。

それぞれのパラメータに設定されている値が使われている割合を確認することもでき、パーセンテージが少ない項目が多いほど希少な作品とされています。

Art Blocks Community Wiki|Chromie Squiggle

たとえば、Art Blocksのロゴにも使われているChromie Squiggle #7515のパラメータは下記のとおりです。

パラメータ利用割合
TypeNormal63.29%
SpectrumNormal98.06%
Color DirectionReverse50.37%
Segments1212.48%
Steps Between20075.67%
Start Color2020.31%
End Color2130.36%
Height399.54%
Color Spread9(記載なし)

(参考:Art Blocks 作品ページ

3億円で販売された作品も

2022年9月27日に、Chromie Squiggle #4697が945ETH(約3億円)で取引され、話題になりました。

億単位で売れている作品は#4697以外にも存在します。

たとえば、#7583は922.5ETH(約2億9300万円)、#3784は750ETH(約2億3800万円)で取引されました。

OpenSea

なぜ3億円で売れたのか?

OpenSea

一見するとシンプルな波線でしかないChromie Squiggleが、なぜ3億円もの価格で売れたのでしょうか?

その理由として、次の3つが考えられます。

  • ジェネラティブアートだから
  • Art Blocksで作られたプロジェクトだから
  • Snowfro氏が作成したから

それぞれの理由について、以下で詳細を解説します。

ジェネラティブアートの芸術性

Chromie Squiggleがジェネラティブアートであるため価値が上がったと考えることができます。

ジェネラティブアートは複雑な数式によって描画されるので、描かれる可能性のあるデザインのパターン数は作者が把握しきれないほど多いです。

そのため、重複せずに希少な特徴を持ったNFTが生まれやすい条件を満たしていました。

つまり、プロジェクト自体の価値が上がったときに価格が跳ね上がりやすい要因があったと見てもよいでしょう。

Art Blocksのネームバリュー

Chromie SquiggleがArt Blocksで作成されている点も、高額で取引された要因です。

Art Blocksはジェネラティブアートを専門に扱うプラットフォームです。

多くのアーティストが参加することで知名度が高まり、1つのブランドとして認識されるようになりました。

その結果、Art BlocksのコレクションはOpenSeaの売上ランキング上位に表示されるほどの人気を得ています。

Art Block創設者による作品

Chromie Squiggleの作者であるSnowfro氏は、NFTアーティストでありながらArt Blocksの創設者でもあります。

Art Blocksが設立された際にテストとして作られたコレクションが、Chromie Squiggleであるといわれています。

プラットフォームの創設者が作成し、Art Blocksコレクションの礎となったChromie Squiggleに価値が付くのは当然かもしれません。

Art Blocksの概要

Art Blocks

Chromie Squiggleが作成されたプラットフォーム、Art Blocksについて解説します。

2022年5月時点で、約200人のアーティストがArt Blocksに作品を公開しています。

申請して審査に通過すれば、Art Blocksのコレクションに自分の作品を加えることも可能です。

Chromie Squiggleのような作品を生み出せるチャンスがあるので、興味があればArt Blocksについて知っておくとよいでしょう。

スクリプトによってアートが描画される

Art Blocksの作品は画像データではなく、生成スクリプト(プログラムのコード)によって描画されます。

プロジェクトごとに特定の生成スクリプトがあり、16進数で表されるシードの値によってデザインが決まります。

たとえば、Chromie Squiggleの生成スクリプトに以下のシード値を与えた作品がChromie Squiggle #0 です。

0x722899b10c66da3b72fb60a8e71df442ee1c004547ba2227d76bed357469b4ea

この説明からもわかるとおり、Art Blocksの作品を作るにはスクリプトのコードを書く能力など専門的な知識が必要になります。

プロジェクトは3種類のコレクションに分類

Art Blocksで公開されている作品は、3つに分類されています。

  • Art Blocks Curated・・・ジェネラティブアートとして優れたプロジェクト
  • Art Blocks Playground・・・Curatedに選ばれたことがある作者のプロジェクト
  • Art Blocks Factory・・・Curatedの選ばれなかった、または承認待ちのプロジェクト

Art Blocksの審査に通過した場合、上記3つのいずれに属するかを決める二度目の審査がおこなわれます。

認められる条件が厳しいCuratedの作品は比較的価値が高くなりやすく、Factoryの作品は安い価格が付けられやすい傾向があるようです。

ちなみに、Chromie SquiggleはArt Blocks Curatedに属しています。

Wikiやコミュニティが利用できる

Art Blocksについてわからないことがあれば、Art Blocksの情報をまとめたWikiや、Discordのコミュニティで解決できます。

Wikiではアーティストのプロフィールや学習コンテンツ、公開予定プロジェクトなどの情報を確認することが可能です。

Wikiで疑問が解消されなかったときはDiscordのコミュニティで質問するとよいでしょう。

ただし、これらのコンテンツは英語で表記されているため、Google翻訳やDeepLで翻訳する必要があるでしょう。

Art Blocksで作られた他の作品

最後に、Art Blocksで作られたChromie Squiggle以外の作品を紹介します。

Art Blocksで公開されているプロジェクトは200を超えており、ここで紹介する作品はほんの一部です。

豊富なバリエーションもArt Blocksの魅力の1つといえるでしょう。

Ringers

Art Blocks|Ringers

Dmitri Cherniak氏が制作した作品で、いくつもの丸にゴムを引っ掛けたようなデザインが特徴です。

2021年8月に#879が1800ETH(約6億円)で購入され、ニュースサイトでも取り上げられました。

2021年10月には#109が2100ETH(約7億円)で取引されています。

(参考)COINPOST|「Art Blocks」のNFT、6億円超の販売額を記録 渋谷でも展示

720 Minutes

Art Blocks|720 Minutes

Alexis André氏が制作した、中央から広がる幾何学模様が特徴の作品です。

動きによって時刻を表現する機能があり、720種類の表現方法で時刻を表示します。

渋谷MODIの大型ディスプレイで展示されたこともあるようです。

(参考)CryptoTimes|Art Blocks CuratedのNFT「All 720 Minutes」が渋谷MODIのディスプレイに展示

まとめ:Art Blocksの作品を見てみよう

Chromie SquiggleはArt Blocksとともに作られたNFTアートで、ジェネラティブアートであるという性質から希少性が伴っています。

Art Blocksで公開されている他の作品にも価値の付加がおよび、Chromie Squiggle以上の価格で取引されているプロジェクトも存在します。

ジェネラティブアートに興味が出てきたときは、Art Blocksの作品を見て人気の傾向を探ってみてください。

また、5月19日よりCoincheck NFTにてArt Blocksの取り扱いを開始しています。

Coincheckに登録すれば1つのプラットフォームでArt Blocksを購入できるようになっているので、Coincheck NFTも利用してみるとよいでしょう。
(参考)【ガス代無料】CoincheckNFT(β版)の特徴や使い方を徹底解説

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