自分のNFTを作成すると、NFTを保有している人向けのコンテンツやサービスを提供したいと考える方は多いでしょう。
NFT保有者だけがアクセスできる限定サイトは、日本発のサービス「NFT Gateway」を利用すれば簡単かつ無料で作成できます。
この記事では、NFT Gatewayの設定方法や使い方について解説します。
この記事をザックリ要約!
✅NFT Gatewayを利用すれば、NFT認証をおこなうゲートウェイを作成できる
✅認証に成功したユーザーに対してURLを公開せずサイトに転送できる
✅文書や音楽などのファイルを視聴させることも可能
数分程度で簡単に限定サイトを作成できるので、NFT認証の仕組み作りに悩んでいる方はぜひ本記事を読んでみてください。
NFT Gatewayの概要
NFT Gatewayは2022年3月にリリースされたサービスで、特定のNFTを保有しているユーザーだけがアクセスできるサイトやファイルを簡単かつ無料で作成できます。
従来のNFTマーケットプレイスでも購入者に対してリンクを渡す方法でサイトへ誘導することは可能でしたが、NFTを手放したあとも閲覧できてしまう問題がありました。
NFT Gatewayを利用すれば、NFTを手放したらコンテンツが閲覧できなくなるように制限をかけられるようになります。
この機能によりNFTを保有するメリットが大きくなり、価値を高めやすくなるでしょう。
NFTを認証するゲートウェイを作成できる
NFT Gatewayで利用できる機能は、ゲートウェイを作成することです。
ゲートウェイを作成するとURLが発行され、そのURLにアクセスするとNFT認証画面へ移動します。
ウォレットを接続し、NFTの認証に成功すれば、ゲートウェイ作成時に設定したサイトまたはファイルが自動的に開かれる仕組みです。
ゲートウェイを作成するときに設定する項目は多くないので、数分程度で限定サイトを構築することもできます。
ただし、限定サイトの本来のURLがわかっていればゲートウェイを通らずにアクセスできてしまうので、運用の仕方はよく考える必要があるでしょう。
イーサリアムとポリゴンが対応
イーサリアムとポリゴン、2つのブロックチェーンがNFT Gatewayに対応しています。
どちらも大手NFTマーケットプレイスのOpenSeaなどに対応しており、NFTを流通させやすいブロックチェーンだといえるでしょう。
イーサリアムは利用者数が多く、ポリゴンはガス代が安いのが特徴のブロックチェーンです。
ゲートウェイの接続方式
ゲートウェイでNFTの認証に成功したあとにコンテンツを表示する方法について、3つのタイプから選べます。
・ベーシックプロキシ
・リダイレクト
・プレミアムプロキシ
選ぶタイプによってURLの見え方などに違いがあるので、作るサイトに合った方式を選択しましょう。
それぞれのタイプについて、以下で解説します。
ベーシックプロキシ
NFTを認証したあとに移動するページのURLを表示せず、ゲートウェイ作成時のURLのままサイトを表示する方式です。
たとえば、作成するゲートウェイのURLが「https://test.nftgateway.space」の場合、限定サイトを表示したあとも、URLは「https://test.nftgateway.space」が維持されます。
サイトが持つ本来のURLを隠したままにできるため、毎回ゲートウェイからサイトにアクセスする形で運用しやすいでしょう。
なお、ゲートウェイを作成した時点では、ベーシックプロキシがデフォルトで設定されています。
リダイレクト
NFTの認証に成功すると、リダイレクトでサイトに転送します。
ベーシックプロキシで表示できないDiscordの招待リンクなども、リダイレクトであれば転送することができるでしょう。
ただし、通常のページ移動なので、サイトのURLは普通に見えている状態です。
一度URLがわかってしまえば、ブラウザのお気に入り機能を使ったり、サイトのURLを直接入力したりすることで、NFTを認証せずサイトにアクセスすることができてしまいます。
秘匿性の高い限定サイトを作りたい場合は、リダイレクトを利用しないほうがよいでしょう。
プレミアムプロキシ
URLを表示しないだけでなく、サイト解析に対して耐性を持つセキュリティ性の高い方式です。
ベーシックプロキシでもサイトのURLを表示しませんが、外部からのサイト解析によってURLが外部に漏れ、拡散される可能性があります。
NFT保有者のためのコンテンツを守るためにも、プレミアムプロキシは重要となるでしょう。
プレミアムプロキシを利用するには買い切り型のスロットを購入する必要があり、1スロット5000円で販売されています。
NFT Gatewayの利用方法例
NFT保有者のみがサイトやコンテンツにアクセスできる機能を利用すれば、以下のようなNFT活用ができるようになります。
・商品の本体を配布する
・物理的なアイテムを発送する
・会員サイトを作成する
これらのアイデアを参考に、限定サイトや限定コンテンツの公開方法を検討してみてください。
商品の本体を配布する
NFT Gatewayにファイルをアップロードすることで、ゲートウェイを通過した人だけが閲覧できるコンテンツを作成できます。
パッケージやジャケットとなるイラストをNFTとして販売し、購入した人にはゲートウェイを通してコンテンツを視聴してもらうとよいでしょう。
例としては、短編ムービーや音楽作品、マンガ、小説などが考えられます。
自分のサイトを持っていなくても利用できるので、手軽に始められる点もメリットです。
物理的なアイテムを発送する
ゲートウェイの転送先を申請フォームに設定し、物理的なアイテムの発送を申し込めるようにすることができます。
NFT Gatewayを利用するメリットとしては、同じコントラクトアドレスのうちの限られたNFTだけを対象にゲートウェイを有効にできる点です。
たとえば、同じコレクションのなかに初回販売したNFTとそれ以外が混在していても、初回販売したNFTを保有している人だけがゲートウェイを通過するよう設定できます。
NFTごとに転送先のサイトを変えたい場合も、必要な分だけゲートウェイを作成すれば実現できるでしょう。
会員サイトを作成する
限定コンテンツを渡すだけでなく、ユーザー同士がコミュニケーションをとれる会員サイトを作成するのもよいでしょう。
会員サイトだけの限定特典を作り、参加者の動きを活発にすることができれば、あなたのNFTに興味を持つファンがどんどん増えていきます。
濃い繋がりのファンを増やし、NFT販売の売上を伸ばす足掛かりにしてください。
ただし、NFTを持っていない人がサイトを利用できないよう、ページの構成や管理方法に気を付ける必要があるでしょう。
ゲートウェイの作成方法
NFT Gatewayでゲートウェイを作成する方法を解説します。
作成を始める前に、あらかじめ下記のものを用意しておくとスムーズに進められます。
・NFT Gatewayにログインするためのメタマスクウォレット
・限定公開したいサイトのURL、またはファイル
・ゲートウェイを通過する条件となるNFTのコントラクトアドレスおよびトークンID
コントラクト(コレクション)単位でNFTを指定する場合はトークンIDが不要です。
ただし、共有コントラクト(=OpenSeaで作成したNFT)はNFT単位のみ対応している点に注意してください。
以上のものを準備できたら、NFT Gatewayでメタマスクを接続し、ゲートウェイの管理画面にアクセスします。
上のメニューから「新規Gateway」を選択し、新しいゲートウェイの作成を開始しましょう。
限定サイトに関する情報の設定
最初に、ゲートウェイや限定サイトに関する設定をします。
限定サイトを作るなら「URLから作成」を、コンテンツのみ提供するなら「ファイルから作成」を選択してください。
どちらか選択したうえで以下の項目を入力していきましょう。
タイトル | ゲートウェイの名前。 |
Gateway ID | URLにも含まれる、ゲートウェイのID。小文字英数字とハイフンのみ使用可。重複不可のため、利用可能か確認する必要あり。 |
限定公開したいサイト※URLから作成する場合のみ表示 | ゲートウェイで承認されたユーザーが転送されるサイトのURL。 |
限定コンテンツ用ファイル※ファイルから作成する場合のみ表示 | ゲートウェイ通過者に提供する、PDFや音楽などのコンテンツファイル。1GB以下のファイル1つのみアップロード可。 |
説明文 | ゲートウェイや転送先サイトに関する説明文。512文字まで。 |
「タイトル」や「説明文」もすべて利用者に公開されるので、適当に設定しないよう注意してください。
「限定コンテンツ用ファイル」の項目は、「Gateway IDが利用可能か確認する」ボタンを押して重複がないと確認された時点で表示されます。
コンテンツファイルの容量が1GBを超える場合でも、運営に問い合わせれば許可される場合があるようです。
認証に利用する情報の設定
次に、認証に利用するNFTに関する情報を設定していきます。
「NFT単位で作成」か「Contract単位で作成」を選んで、コントラクトアドレスを入力してください。
「NFT単位で作成」で作成する場合は、トークンIDまで指定して1つのNFTに限定する必要があります。
OpenSeaでNFTを閲覧できる場合は、「OpenSea URL」にOpenSeaで表示されるURLをして自動入力ボタンを押すことで、必須項目が自動的に入力されます。
「Contract単位で作成」で作成する場合は、コントラクトアドレスを入力してブロックチェーンを選択するだけでOKです。
2022年8月時点では共有コントラクトで作成されたNFTは対応していないため、独自コントラクトのNFTを用意する必要があります。
入力したら「Contractをチェックする」ボタンを押して、正しいNFTの画像が表示されるか確認してください。
NFT単位で共有コントラクトのNFTを選択したときは画像が取得されませんが、あとから画像を差し替えることも可能です。
ゲートウェイ作成を実行
以上の項目を設定し終えたら、一番下にある「Gatewayを作成」ボタンを押してゲートウェイを作成します。
ボタンの上に、Gateway方式についての説明文が書かれていますが、ゲートウェイを作成する段階では方式を変更できないので無視してください。
ボタンを押してしばらく待つと、作成したゲートウェイの詳細画面へ自動的に移動します。
上メニューの「作成したGateway」から見れる一覧にも作成したゲートウェイが追加されているので、詳細画面を見たいときは一覧から選択しましょう。
ゲートウェイ作成後の設定
ゲートウェイの詳細画面では、ゲートウェイを作成したときに設定した項目の一部を変更できます。
・タイトル
・説明文
・転送先URL(URLから作成した場合のみ)
・ゲートウェイ画像
ゲートウェイIDや認証するNFTは変更できないので、必要であれば新しく作り直しましょう。
また、ゲートウェイをURLから作成した場合はプロキシタイプ(Gateway方式)を選択できます。
リダイレクトもしくはプレミアムプロキシを利用する際は、必ず変更しておいてください。
Gatewayからアクセスする方法
作成したゲートウェイのURLを公開し、限定サイトやコンテンツにアクセスしてもらいましょう。
ゲートウェイの詳細画面に表示されている「埋め込み用HTMLタグ」からタグもしくはURLをコピーし、NFTを保有しているユーザーがアクセスできる場所に貼り付けてください。
ユーザーがリンクを踏むと、ゲートウェイの画面が開かれます。
ちなみに、ユーザーがアクセスする画面を確認したい場合は、ゲートウェイ詳細画面の「Gatewayを確認」ボタンから移動することが可能です。
ボタンを押して認証するだけ
NFTを認証する方法は「Metamaskで認証」ボタンを押してメタマスクを接続し、署名するだけです。
NFTを認証できれば限定サイトに転送し、認証できなければエラーメッセージを表示します。
なお、ゲートウェイを作成したときに接続していたウォレットであれば、指定したNFTを持っていなくても認証に成功します。
まとめ:無料でゲートウェイを作ってみよう
NFT Gatewayを利用すれば、限定公開しているサイトまたはアップロードしたファイルにアクセスするための、ゲートウェイを作成できます。
サービスは今後もアップデートする予定で、ゲートウェイのURLに独自ドメインを設定する機能の追加が検討されているようです。
将来的には、利用できるブロックチェーンやウォレットが増えていくことも考えられるでしょう。
ゲートウェイは無料で作れるうえに、設定の変更や削除が自由にできるので、興味があればNFT Gatewayに触れてみてください。