NFTを販売する際に気になることの1つに、コレクションの最低価格が挙げられるでしょう。

NFTが売れにくい状態だと、早く売りたいユーザーが相場以下の価格でNFTを販売し、最低価格を必要以上に下げてしまう可能性があります。

こうした事態を避ける方法の1つとして「NFTX」を利用するとよいかもしれません。

この記事では、NFTXの機能や利用するメリット、使い方などを解説します。

この記事のザックリ要約!

・NFTXを利用すれば、任意のNFTと1:1で交換できるvTokenを作成できる

・vTokenは細かく分けて取引できるため、NFT自体を取引するより流通させやすい

・交換するNFTの保管場所となるVaultおよび対応するvTokenは、誰でも自由に作れる

NFTの新しい流通経路を作りたいという方は、本記事を読んでみてください。

NFTXとは?

NFTX

NFTXは、NFTをもとに代替性トークンを作成し、流通しやすい市場を作成できるプラットフォームです。

代替性トークンは仮想通貨のように取引できるので、分配や売却ができます。

トークンを作成するだけでなく、NFTをステーキングしたり交換したりすることも可能です。

この記事ではNFTクリエイターの視点で紹介しますが、投資家が利用するのにも向いているサービスだといえるでしょう。

なお、2022年10月時点では、イーサリアムとArbitrum Oneに対応しています。

NFTと交換できるvTokenが発行される

NFTXにはVaultと呼ばれる保管庫があり、VaultにNFTを預けると対応したvTokenが1:1で発行されます。

vTokenは1トークンでNFT1つと交換できる代替性トークンです。

たとえば、CryptoPunksのVaultに自分の保有しているNFTを1つ預けた場合、PUNKという名前のvTokenが1PUNK生成されます(ここから手数料が差し引かれます)。

そして、1PUNKを支払うことでCryptoPunksのNFTを1つ受け取れます。

受け取るNFTはVaultに預けられている中からランダムで選ばれるため、自分が預けたものとは異なるNFTが返ってくる場合もあります。

自分のNFTがほかのユーザーに渡ってしまう可能性がある点も要注意です。

vTokenはSushiswapで取引できる

vTokenはNFTの交換に使うだけでなく、Sushiswapで売却することもできます

NFTは1つずつ取引しなければなりませんが、vTokenであれば小分けにして売ることも可能です。

複数人でvTokenを所有することで、1つまたは複数のNFTが持つ価値を分散させる使い方も考えられるでしょう。

ETHでの即時取引に対応している

NFTXでは、ETHを支払って売買することも可能です。

Vaultに預けられているNFTの市場価格によって値段が自動的に決められているため、価格を調査する手間がかかりません。

また、一般的なNFTマーケットプレイスとは異なり、NFTを売ったその場でETHを受け取れます

ただし、ETHの取引でも内部的にはvTokenと交換しているため、ガス代は少し高めになります。

クリエイターが利用するメリット

Vaultは誰でも作成できるので、自分が作成したNFTコレクションに対応したVaultも簡単に作れます。

自分のVaultを作るメリットとなる次の3点を、それぞれ解説していきます。

・安定した最低価格を提供できる

・流通しやすい市場を作れる

・NFT保有者と利益を分配できる

NFTXを利用するメリットをじゅうぶんに把握し、コミュニティの強化に役立てましょう。

安定した最低価格を提供できる

NFTマーケットプレイスで販売するよりも、NFTXのほうが最低価格を安定させやすいです。

なぜなら、NFTXの価格設定は独自に計算されており、Vaultに預けられているNFTはすべて同じ価格で販売されているからです。

そのため、極端に値下げして販売されたNFTがきっかけとなり、コレクション全体の価値が低く認知されてしまう事態を防げます。

レアリティや個体によって差がつくこともないため、価格が上下しにくくなる効果が期待できるでしょう。

流通しやすい市場を作れる

NFTを1つずつ販売するより、小分けにできるトークンのほうが流通しやすいです。

人気のあるNFTは高額で取引されるため、売りに出しても買い手がなかなか見つからないでしょう。

そういったNFTをVaultに預けてvTokenにすれば、資金力がない人が一部のトークンを購入する可能性が生まれます。

NFTに比べて保有者も増えやすいので、コミュニティの強化にも役立つ見込みがあります。

NFT保有者と利益を分配できる

NFTXには、vTokenをステーキングしているユーザーに利益の一部を分配する機能があります。

分配される利益は、VaultでNFTを取引したり、SushiswapでvTokenを交換したりしたときの手数料から得られます。

NFTXでの取引が活発になるほど分配金が多くなるので、コミュニティでNFTXを利用するように促し、NFTを保有するメリットを大きくするとよいでしょう。

vTokenの作成方法

自分が保有しているNFTのVaultおよびvTokenの作り方を、下記の順に解説します。

1. Vaultを作成する

2. Vaultの設定を確認・変更する

3. NFTを預けてVaultを公開する

4. Vaultを検証してもらう

3の時点でvTokenは作成されてVaultを運用できるようになりますが、NFTXで利用できる全機能を活用するには公式の検証を受ける必要があります。

Vaultを作成する

最初に、自分のNFTを預けられるVaultを作成します。

ウォレットを接続し、NFTXのページ上部メニューにある「Create」から作成画面に移動しましょう。

Vault作成時に入力する項目は、以下の3つです。

・NFT Asset Address:作成するVaultで預けられるNFTのコントラクトアドレス

・Vault Name:Vaultの名前

・Vault Symbol:Vaultの略称、および発行するvTokenの名称

Vault Nameには「vault」などの単語は含めずに、NFTコレクションの正式名称を入力してください。

Vault Symbolは6文字までの英大文字が有効で、なるべく意味のある単語にすることが推奨されています。

これらの項目はあとから変更できないので、慎重に入力しましょう。

「Review」ボタンで次の画面に進み、入力した情報が正しいことを確認して「Create Vault」を押せば、あなたのVaultが作成されます。

Vaultの設定を確認・変更する

Vaultを作成したら、そのまま管理画面に移動してVaultの設定を確認しましょう。

(引用)NFTX docs|Vault Creation

タブを切り替えながら設定を確認していき、必要であれば変更してください。

タブ名項目名説明
GeneralVault AddressVault自体のコントラクトアドレス。変更不可。
Enable Vault FeaturesVaultで許可する機能を選択する。
Enable Minting:NFTを預けてvTokenを生成する機能を許可する
Enable Random Redeems:vTokenを支払ってランダムなNFTを獲得する機能を許可する
Enable Target Redeems:vTokenを支払って指定したNFTを獲得する機能を許可する
FeesMint FeeNFTを預ける際にかかる手数料。
受け取るvTokenから差し引かれる。
Redeem FeevTokenでランダムなNFTを購入する際にかかる手数料。
購入価格に加算される。
Target Redeem FeevTokenで、指定したNFTを購入する際にかかる手数料。
購入価格に加算される。
Swap Fee自分のNFTとランダムなNFTを交換する際にかかる手数料。
交換価格に加算される。
Target Swap Fee自分のNFTと指定したNFTを交換する際にかかる手数料。
交換価格に加算される。
EligibilitiesList ModuleVaultが対応するNFTのID。
コレクション内のNFTすべてを預けられるようにする場合は、未入力にしておくこと。
Range ModuleVaultが対応するNFTのIDの範囲。
Art Blocksのように、1つのコレクション内に複数のプロジェクトが存在する場合、IDの範囲を入力して特定のプロジェクトに限定できる。

設定する内容によって、Vaultの運用方法が大きく変わるでしょう。

たとえば、Enable Mintingのチェックを外すことでユーザーがNFTを預けられなくなり、Vaultの作成者のみNFTを追加できる状態になります。

NFTを預けてVaultを公開する

ほかのユーザーに利用してもらうには、Vaultを公開しなければなりません。

NFTを預けると公開できるようになるので、管理画面の「Deposit NFTs」からNFTを預けてください。

(引用)NFTX docs|Vault Creation

NFTを預けることで管理画面に表示される「Publish Vault」を押せば、Vaultが公開状態になります。

(引用)NFTX docs|Vault Creation

ここで注意したいのは、Vaultを公開した時点でVaultの所有権はNFTXのDAOに移り、設定を変更できなくなる点です。

申請すれば変更できる項目もありますが、更新する必要のないようチェックを重ねたうえで公開するのがよいでしょう。

Vaultを検証してもらう

Vaultのアイコンなどを設定するために、専用フォームから申請を出してVaultを検証してもらう必要があります。

フォームで以下の項目を入力し、検証を申請してください。

VAULT NAME申請するVaultの名前。
VAULT ID申請するVaultのID。
Vaultの「Info」タブ内で確認できる。
DISCORD USERNAMEDiscordのユーザー名。(記入例:username#1111)
申請内容を確認するために連絡が来る可能性がある。
VAULT ICONVaultのアイコンとして表示する画像。
512×512ピクセルで、背景を透明にしたPNG形式の画像がアップロード可能。
SIGNED MESSAGEMyCrypto.comで作成した署名付きメッセージ。
Vault作成に使用したウォレットを接続して作った署名付きメッセージを、コピーして貼り付ける。

以上で入力した項目が正しければ、Vaultは公式から認められたものになるでしょう。

NFTの売買や交換をする方法

NFTXではNFTを取引する方法が多いため、始めは戸惑うかも知れません。

そこで、NFTX上でおこなえる6つの取引方法について順に説明していきます。

・ETHを払ってNFTを購入する(Buy)

・NFTを売ってETHを受け取る(Sell)

・手持ちのNFTとVault内のNFTを交換する(Swap)

・NFTを預けてvTokenを発行する(Mint)

・vTokenを渡してNFTを引き出す(Redeem)

・NFTまたはvTokenをステーキングして利益を得る(Stake)

いずれの取引もVaultを選択した画面から実行できるので、トップページで取引したいVault(=コレクション)を選択しましょう。

ETHで購入する

ETHを支払って、Vaultに預けられているNFTを購入します。

「Buy」タブを選択して、購入したいNFTを選択してください。

ランダムにNFTを購入する場合は「RANDOM」を選択し、購入する数量を決めましょう。

「Buy Now」ボタンを押してトランザクションを承認すれば、NFTの購入が完了します。

ETHで売却する

保有しているNFTをVaultに渡し、売値分のETHを受け取ります。

「Sell」タブを選択して、売りたいNFTを選択してください。

選択したら「Approve」ボタンでアクセスを許可したうえで「Sell Now」ボタンを押しましょう。

「Sell Now」ボタンを押してトランザクションを承認すれば、即座にETHが支払われます。

NFTを交換する

自分のNFTとVaultのNFTをそれぞれ選択し、少量のETHを支払って交換します。

「Swap」タブを選択し、「Swap from」と「Swap to」でNFTを選んでください。

「Select Asset」または「Change」ボタンを押すと、選択するNFTの種類を切り替えられます。

それぞれ選択できたら「Approve」ボタンで押したのちに「Swap」ボタンを押せば、NFTの交換が実行されます。

vTokenを発行する

手持ちのNFTをVaultに預け、数に応じたvTokenを受け取ります。

画面右側にある「MINT」ボタンを押し、預けるNFTを選択してください。

「Approve」と「MINT」を実行すれば、NFT1つあたり1トークン分のvTokenが発行されます。

Mint feeの分だけトークン量が減るので、何%の手数料がかかるかを実行前に確認しておきましょう。

vTokenでNFTを引き出す

vTokenと引き換えに、VaultからNFTを引き出します。

「MINT」ボタンと同様の場所にある「REDEEM」ボタンを押して、引き出すNFTを選んでください。

ランダムなNFTを引き出したい場合は、画面右側にある「Random」の数量を増やしましょう。

引き出すNFTを選択したら「Buy Now」ボタンを押して取引を実行してください。

なお、vTokenが足りないときは、SushiswapでvTokenを購入する必要があります。

Sushiswap

ステーキングする

NFTを一定期間ステーキングすることで、Vault内での取引手数料の一部を受け取ります。

「Stake」タブを選択し、Vaultに預けるNFTを選んでください。

選んだNFTはvTokenに変換され、そのままプールにステーキングされます。

ステーキング方法には「INVENTORY」と「LIQUIDITY」の2種類があり、LIQUIDITYの場合はvTokenと同等のETHも必要です。

どちらの方法でステークしたかによって分配量が変わるので、APR(年間の利回り)を比較して選ぶとよいでしょう。

ちなみに、vTokenを直接ステークしたい場合は、NFTX Yieldのプラットフォームを利用してください。

まとめ:NFTの新たな活用方法を検討してみよう

NFTXでVaultとvTokenを作成することで、コミュニティの新しい運用方法が見つかるでしょう。

たとえば、vTokenをガバナンストークンとして利用することで、NFTの発行数より多くのユーザーが参加できるようになります。

NFTやvTokenの価値を高められれば、ステーキングによって保有者へ利益を還元することも可能です。

NFTXの機能をしっかりと把握し、コミュニティを支える力として活用できる方法を探してみてください。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事