NFTといえばNFTアートをイメージする人が多いかもしれませんが、NFTマーケットプレイスでは音楽を販売することもできます。
OpenSeaでも音楽NFTを販売することは可能ですが、通常のデジタル音楽のように販売できない問題を抱えています。
しかし、世界初の音楽専門NFTマーケットプレイスとして知られている「The NFT Records」であれば、音楽NFTを販売する際の問題を解消できるでしょう。
この記事では、The NFT Recordsの特徴や商品例を紹介し、サービスを利用する方法を解説します。
この記事をざっくり要約!
- The NFT Recordsは通常のデジタル音楽商品のようにNFTを販売できる
- アイドルグループやYouTuberなど、幅広いユーザーが販売している
- アカウント登録すればNFTの購入や視聴、二次流通が可能
- The NFT Recordsで自分の商品を出品するには審査が必要
音楽NFTを販売できる場を探している企業や個人の方は、本記事をぜひ読んでみてください。
The NFT Recordsの特徴
The NFT Recordsは音楽NFTを専門としたNFTマーケットプレイスです。
音楽NFTを「パッケージ」と定義しており、従来の音楽プラットフォームと同様にパッケージを販売することを目標としています。
サクラゲート社が開発を、クレイオ社が企画・運営を担当しています。
独自のプラットフォームを構築
一般のNFTマーケットプレイスで音楽NFTを販売する際の問題は、以下の3つです。
・購入しなくても音楽コンテンツを視聴できてしまう
・1つのNFTにつき1つの音楽ファイルしか紐付けられない
・JASRACなどの権利に正しく対応できない可能性がある
これらの問題を解決するために、The NFT Recordsは独自のプラットフォームを構築しました。
このプラットフォームでは、音楽NFTに暗号化が施されており、曲をすべて聴くにはNFTを購入する必要があります。
また、1つのNFTに複数のデータを紐付けられるため、複数の曲が収録されたアルバムを販売したり、グッズを添付したりできます。
権利問題については、NFTの内部データ(Metadata)に著作権者を明記することでロイヤリティを保証する形で対応しています。
審査を通過すれば出品可能に
The NFT Recordsで扱っているのは、審査を通過した音楽NFTのみです。
The NFT Recordsに登録し、認められたアーティストが音楽NFTを出品できます。
アーティストは自身で登録申請する以外にも、DIY公式認証レーベル(B.B.QやIKmusic)をとおしてThe NFT Recordsを利用することが可能です。
なお、The NFT Recordsで購入したNFTは、アーティストでなくても2次販売できます。
NFTはThe NFT Records内で管理
NFTはユーザーごとにウォレットで管理するのが一般的ですが、NFTの初心者にとってウォレットを自分で管理するのはハードルが高いです。
そのため、The NFT Recordsは段階を踏んでNFTを広めていくことを計画しており、2022年7月時点では「数量が限定された音楽パッケージ」として音楽NFTを販売しています。
そうした背景もあって、購入した音楽NFTはウォレットで保管せず、The NFT Records内のマイ・コレクションページでのみ視聴できます。
将来的には個人のウォレットで音楽NFTを保管できるようになる予定です。
現金での支払い
The NFT Recordsで利用できる通貨は、日本円や米ドル、ウォンといった法定通貨です。
仮想通貨で取引するNFTマーケットプレイスが多いなか、法定通貨を使えるほうが安心という人も多いでしょう。
基本的にクレジットカードでの支払いのみ対応しており、デビットカードやプリペイドカードも使用できません。
ただし、オークションで11万円以上の落札をした場合には、クレジットカードで11万円を支払い、残金を銀行で振り込む形になります。
登録料や月額費がかからない
(The NFT Records|作品をNFTで販売したいアーティスト/レーベル様へ)
The NFT Recordsを利用する際、登録料などの初期費用や、月額使用料のような維持費はかかりません。
楽曲の権利がアーティストに帰属され、著作権の譲渡や移転が発生しない点も金銭的なメリットにつながるでしょう。
ただし、プラットフォームで決済した場合などに手数料を支払う必要があり、収益の15%をThe NFT Recordsに分配しなければならないので注意してください。
さらに、規定外の事態が起きたときは別途費用がかかることもあるようです。
販売されているコンテンツ例
The NFT Recordsで実際に販売されたNFTの一例を紹介します。
ここで紹介する以外にも、テレビやYouTubeで活躍している有名人も音楽NFTを販売しています。
購入前に試聴することもできるので、気になるコンテンツがないかチェックしてみてください。
『君が大好き、みたいなんです』スペシャルNFTセット
(販売ページ)
SKE48で活動している江籠裕奈 氏のソロシングル「君が大好き、みたいなんです」のNFTセットが、2022年7月9日から50点限定で販売されました。
商品内容は音楽だけでなく、インタビュー動画やサイン入り画像データなど、あわせて10点がセットになった豪華版です。
販売から数秒で50点すべてが売り切れ、緊急で追加された30点も販売後まもなく完売しています。
未来予想図II~有村瞳カバーバージョン
(販売ページ)
アイドルユニットsherbet(シャーベット)を卒業し、ソロで活動している有村瞳 氏がカバーした「未来予想図II」の音楽NFTです。
2022年7月27日に限定77点で販売され、購入した人にはスタジオで撮り下ろしたチェキがもれなく付いてきます。
さらに、複数購入することでサイン入りのチェキが確実にもらえるようです。
チェキは現物が後日郵送され、送料はNFTの料金に含まれています。
NFT
(販売ページ)
The NFT Recordsの運用が始まった最初期に審査を通過したHiromyon(ヒロミオン)氏が作曲した「NFT」の音楽NFTです。
「NFT」はブロックチェーンの世界観を伝えるために作られた曲で、ジャンルはダンスポップ×メタルソング。
Hiromyon氏がプロデュースしたバーチャルアイドルである、ブロックチェーン娘がボーカルとして歌っているのも特徴的です。
曲にはオリジナルPVが付いており、映像とともに音楽を視聴できます。
オーディションファイナリストの楽曲
The NFT Recordsではオーディションが開催されることもあり、ファイナリストに選ばれた楽曲はマーケットで販売されます。
これまで、卒業ソングオーディションや春うたソングオーディションが開催され、合格者の楽曲が実際に販売されています。
アーティスト登録の審査で通過できる実績がなかったとしても、オーディションに参加すれば実力だけでThe NFT Recordsでの出品を認められるかもしれません。
The NFT Recordsの利用方法
(The NFT Records|The NFT Recordsとは)
アカウントの登録方法や音楽NFTの購入方法、アーティスト登録の仕方など、The NFT Recordsのプラットフォームを利用する方法を解説していきます。
NFTの販売方法には4つの種類があり、それぞれで販売形式や購入可能数が異なります。
オークション販売 | 一定期間内に最高金額で入札した人にNFTを販売する |
通常販売 | 数量限定で販売し、商品がなくなり次第終了する |
予約販売 | 期間内に予約した数だけ商品を生産する |
抽選販売 | 抽選の当選者のみに商品の購入権を渡す |
アーティスト登録を検討している方も、商品の購入方法などを実際に確認して販売イメージを固めておくとよいでしょう。
アカウントを登録する
The NFT Recordsのサービスを利用するには、アカウントを登録してログインする必要があります。
FacebookやTwitter、Appleのアカウントか、メールアドレスを登録してアカウントを作成してください。
アカウントを作成した際、電話番号を入力してSMS認証もおこないます。
スマートフォンに送られてきたメッセージに書かれているコードを入力し、登録を完了させましょう。
商品を購入する
登録したアカウントでログインできたら、販売されているNFTの一覧から購入したいNFTを探してみましょう。
商品の販売ページは、大きく2つに分かれています。
- トップ画面の「Auctions」や「Regular sales」などのアーティストによる販売
- メニューの「Market Place」から開けるマーケットプレイス
マーケットプレイスで販売されているのはNFT購入者が売りに出している二次流通品で、アーティストが直接販売している商品ではありません。
マーケットプレイスの商品には現物の商品が付かないので、現物目当ての場合は間違えて購入しないよう注意してください。
NFTの一覧から購入したいNFTを選択すると、商品の詳細画面に移動します。
商品ページの「購入する」ボタンを押すと決済画面に移り、クレジットカードの情報を入力する画面に移動します。
必要事項を入力して「決済する」ボタンを押せば購入完了です。
繰り返しになりますが、デビットカードやプリペイドカードは使えません。
銀行振込も利用できないため、自分で作成したクレジットカードを必ず用意しましょう。
購入したコンテンツを視聴する
NFTを購入すると証明書の発行を開始し、完了し次第NFTを視聴できるようになります。
証明書の発行には時間がかかる場合もあるようですが、通常は1分と待たずに完了します。
購入したコンテンツは、メニューの「My collection」から表示できる一覧から選び、視聴できます。
また、NFTごとのページ内にあるリンクから、証明書の内容を確認することも可能です。
購入したNFTを売る
購入したNFTをマーケットプレイスで売りたい場合は、「My collection」の一覧で「出品する」ボタンを押します。
販売金額設定画面に移動するので、販売価格を入力してください。
価格を設定するときは、下記の点を踏まえたうえで決めましょう。
・販売方法は1点ずつの通常販売のみ
・取引できるのはデジタルコンテンツのみ
・マーケットプレイスの利用手数料がかかる
・手数料とは別に、アーティストが受け取る還元金が引かれる
確認画面で受け取れる金額を確認できるので、問題なければNFTを出品しましょう。
なお、販売売上が合計3000円以上になれば、メニューの「マーケットプレイス販売履歴」で出金することが可能になります。
出金する際は、PayPalアカウントに登録しているメールアドレスが必要です。
アーティスト登録する
アーティストとしてNFTを販売したいのであれば、応募フォームからアーティスト登録を申請しましょう。
応募フォームには名前やメールアドレス、電話番号、自己PRなどを入力します。
各SNSのフォロワー数を入力する箇所もあるので、TwitterやYouTubeなど利用しているSNSがあれば確認しておきましょう。
申請後、登録したメールアドレス宛に審査の結果が届きます。
審査を通過した場合は、メールに書かれている案内に従って音楽NFTの販売手続きを進めていくことになります。
The NFT Recordsの将来性
(The NFT Records|The NFT Recordsとは)
The NFT Recordsのロードマップによると、今後の予定は次のようになっています。
・2022年4Q~2023年3Q・・・パッケージのNFT化
・2023年4Q~2024年4Q・・・サードパーティ向けの音楽プレイヤー展開
パッケージのNFT化とは、個人のウォレットで音楽NFTが保有できるようになり、The NFT Records外のNFTマーケットプレイスで流通できるようになることを指します。
そして、サードパーティに音楽プレイヤーを展開することで、メタバース空間や実際の店舗など、あらゆる場所で音楽NFTを再生できるようになるでしょう。
こうした事業展開が進み、The NFT Recordsが広く利用されることになれば、初期の段階で売られていたNFTに希少な価値が付く可能性があります。
The NFT Recordsがこれから発展していくサービスだと感じられるなら、まだまだ展開が進んでいない今の段階で市場に参入してみると、よい結果が出るかもしれません。
まとめ:音楽NFTの販売を検討してみよう
音楽NFT専門のマーケットプレイスであるThe NFT Recordsは、NFT市場での問題を解消した形で販売する体制を整えつつあります。
これまで別の形で音楽NFTを販売しており、新たにNFT市場へ進出したいと考えている企業や個人にうってつけのNFTマーケットプレイスであるといえるでしょう。
NFTや流通方法についてわからないことがあっても、日本の企業が運営しているため気軽に相談することもできます。
これから伸びると予想されるサービスなので、ぜひ利用を検討してみてください。