ウォレットのアドレスは長すぎて、自分のアドレスもなかなか覚えられませんよね。
ほかの人にとっても同じで、あなたのアドレスを見ても誰のアドレスかわからないでしょう。
そんなアドレスの代わりに利用できるのが、NFTドメインです。
この記事では、Unstoppable DomainsでNFTドメインを購入する方法やアドレスへ紐づける方法を解説します。
この記事でわかること
- NFTドメインやUnstoppable Domainsの概要がわかる
- Unstoppable DomainsでNFTドメインを買う方法がわかる
- 購入したドメインをウォレットと紐づける方法がわかる
ひと目見てわかりやすいドメインはブランド力アップにも繋がります。
NFTや暗号資産を送ってもらうことが多いのであれば、ぜひ本記事を読んでみてください。
NFTドメイン(ブロックチェーンドメイン)とは
ブロックチェーンによって分散管理されており、NFTの形で売買できるドメインのことをNFTドメイン、あるいはブロックチェーンドメインと呼びます。
ドメインとは、インターネット上の場所を表す文字列のことを指します。
たとえば、NFTimesのドメインは「nf-times.com」です。
NFTドメインには、通常のドメインにはない、以下のようなメリットがあります。
暗号資産の送り先として利用できる
NFTドメインをウォレットと紐づけることで、暗号資産の送り先として利用できます。
通常のウォレットアドレスは20桁以上の英数字の羅列なので、送り間違いが発生しやすいです。
しかし、NFTドメインを利用すれば意味のある文字列を送り先に指定できるため、入力ミスや確認ミスを防げるでしょう。
具体的な例を挙げると、送金側が「0x……」と長いアドレスを入力する代わりに「address.crypto」のようなドメインを入力すれば送金できるようになります。
維持費を払わず永久的に所有権を保持できる
NFTドメインは、NFTを保持し続ける限り永久的に所有権をもつことができます。
通常のドメインは更新料金を払い続ける必要があり、料金が払えなければドメインを利用できなくなります。
その点、NFTドメインは初期費用以上に料金を支払う必要がありません。
維持費を考慮せずに購入できるので、費用面において通常のドメインより有利だといえるでしょう。
NFTの取引で売買可能
NFTドメインの所有権はNFTで管理されているため、NFTマーケットプレイスでNFTドメインを売買することが可能です。
もし利用していたNFTドメインが不要になったとしても、NFTを出品すれば買い取ってもらえるかもしれません。
また、今後人気が出そうなNFTドメインを買っておき、価値が上がってから売るという投資的な戦略も考えられます。
NFTドメインの知名度はこれから上がっていく段階なので、NFTドメインの売買で利益を狙うのも1つの手です。
Unstoppable Domainsとは
NFTドメインを購入できるサービスとして有名なのは、Unstoppable Domains(アンストッパブルドメイン)です。
ドメインの購入から紐づけまで、このサービスでおこなえます。
また、日本語に対応しているため、英語が読めなくても利用することが可能です。
このサービス以外にもNFTドメインを購入できるところは存在しますが、Unstoppable Domainsが優れている特徴として以下の特徴が挙げられます。
275種類以上のトークンを受け取れる
ドメインに対応しているトークンが275種類以上あり、アドレスを紐づけさえすれば同じドメインですべてのトークンを受け取れます。
トークンごとに別のアドレスを紐づけることができるので、ブロックチェーンごとにドメインを分ける必要もありません。
ブロックチェーンの異なるアドレスを使い分ける必要がなくなり、アドレスの管理がしやすくなるでしょう。
なお、対応しているトークンはヘルプセンターで確認できます。
選択できるドメインは9種類
Unstoppable Domainsでは、TLD(トップレベルドメイン)を9種類から選択できます。
TLDとは、ドット(.)で区切られた文字列のうち、末尾にあたる部分のことです。
選択できるTLDは以下のとおりです。
- .crypto
- .nft
- .x
- .wallet
- .bitcoin
- .dao
- .888
- .coin
- .zil
- (.blockchainも追加予定)
それぞれのドメインで使用状況や料金を比較ができるので、ドメインの検索に手間がかからないでしょう。
ガス代が無料
Unstoppable Domainsでは、NFTの発行にかかる鋳造代やガス代が無料です。
以前はイーサリアムでNFTを発行する形式をとっていたため、ドメインを購入したあとにおこなうNFTの発行で数千円の費用がかかっていました。
しかし、2021年11月15日からはポリゴンでNFTが作成できるようになり、ガス料金はUnstoppable Domains側が負担するように変更されています。
ガス代を気にせずにドメインを購入できるので、ドメイン導入の初期費用が把握しやすいでしょう。
Webサイトやメールアドレスとの紐づけも可能
Unstoppable Domainsで作成したNFTドメインには、ウォレットアドレスだけでなくメールアドレスやWebサイトも紐付けられます。
メール作成時にNFTドメインを入力すれば紐付けたメールアドレスに届きます。
Webサイトについては、Unstoppable Domainsのツールを利用して作成することができ、テンプレートを利用すれば数分でサイトの構築が可能です。
すでに自分のWebサイトを運用している場合は、サイトのファイルをアップロードしたり、既存のサイトにリダイレクトさせたりできます。
ドメインの取得方法
ここからはドメインを購入する方法について解説します。
購入する際のおおまかな流れは以下のとおりです。
- Unstoppable Domainsにサインアップする
- ドメインを検索する
- 購入するTLDを選択する
- 料金を支払う
作業自体は数分程度で終わる内容なので、サクッとドメインを取得しましょう。
サインアップ(ユーザー登録)する
ドメインの購入手続きを進めるにはサインインする必要があるので、最初にサインアップを済ませておくとよいでしょう。
「サインアップ/ログイン」ボタンからサインアップをおこなってください。
サインアップするには、メールアドレスかGoogleアカウントが必要です。
メールアドレスで登録する場合は、メールアドレスとパスワードを設定し、届いたメールのURLから認証をおこなう必要があります。
Googleアカウントを持っている場合は、Googleにログインすることで登録が完了します。
取得したいドメイン名を検索する
サインアップを済ませたら、トップ画面でドメインを検索しましょう。
TLDドメインは次の画面で選択するので、ドットより前の文字列で検索すればOKです。
1つ注意したいのは、プレミアムドメインの存在です。
プレミアムドメインは通常のドメインより高額に設定されており、1万ドル(約126万円)を超える価格のものもあります。
たとえば、coinは下記の価格で販売されています。
ドメイン名 | 料金 |
coin.coincoin.bitcoincoin.nft | 100,000ドル(約12,643,500円) |
coin.walletcoin.888coin.daocoin.zil | 50,000ドル(約6,321,700円) |
検索して表示された価格が高額だと感じたら、ほかの名前で検索し直すといいかもしれません。
TLDを選択する
検索を実行するとTLDごとに料金が表示されるので、購入したいドメインを選択してカートに追加しましょう。
例として、「nftimes」で検索した場合は以下の料金で購入できます。
TLD | 料金 |
.x | 100ドル(約12,600円) |
.crypto | 40ドル(約5,000円) |
.coin | 40ドル(約5,000円) |
.wallet | 20ドル(約2,500円) |
.bitcoin | 40ドル(約5,000円) |
.888 | 20ドル(約2,500円) |
.nft | 20ドル(約2,500円) |
.dao | 20ドル(約2,500円) |
.zil | 20ドル(約2,500円) |
具体的な価格は検索したドメインによって異なります。
2千ドル(約25万円)かかる場合もありますし、最低価格の5ドル(約630円)で購入できる場合もあります。
検索結果の下にある「提案された名前」に表示されているドメインも交えて料金を比較してみてください。
料金を支払う
購入するドメインをカートに入れたら、カート画面から支払いをおこないましょう。
支払い方法は4つあります。
支払い方法 | 特徴 |
クレジットカード | ・クレジットカード情報と郵便番号を入力して決済する・ドルでの支払いになる点に注意 |
PayPal | ・PayPalにログインして送金する・アカウントを持っていない場合は作る必要がある |
暗号資産 | ・指定されたアドレスへ仮想通貨を送金する・BTC、BCH、ETH、DAI(ERC-20)、LTC、USDC(ERC-20)での支払いが可能・送金時に手数料(ガス代)がかかる |
Crypto.comアプリ | ・Crypto.comアプリでQRコードを読み取って支払い手続きをおこなう・条件を満たせば最大10%の返金も(詳しくはこちら)・アプリは日本語に非対応 |
いずれかの支払い方法で購入手続きが完了すれば、あなただけが使えるNFTドメインが手に入ります。
取得したNFTドメインの使い方
NFTドメインを購入するだけではウォレットとして利用できません。
以下の作業をすることではじめてNFTドメインとウォレットを紐づけることができます。
- Unstoppable Domainsにウォレットを接続する
- NFTを生成(ミント)する
- NFTドメインに紐づくアドレスを設定する
自分で購入したドメインを有効にするためにはNFTの生成が必要です。
ほかの人から受け取ったドメインであれば生成する必要はありません。
ウォレットを接続する
NFTドメインを保有するウォレットを接続します。
まずはアカウント設定画面の「Add Wallet」でウォレットの接続をおこないましょう。
利用しているウォレットの種類を選択すると認証のためのメールが送信されるので、メールに書かれているコードを入力してください。
認証に成功したら、アカウント選択と署名をすればウォレットが追加されます。
NFTドメインを生成する
接続したウォレットにNFTドメインを生成します。
メニューの「ドメイン>マイドメイン」で購入したドメインが確認できるので、生成したいNFTドメインの横にある「Free Mint」からNFTを生成してください。
メールによる認証を済ませて生成が開始されたら、しばらく待ちましょう。
数分経ってからマイドメイン画面で確認し、処理が完了していれば生成完了です。
アドレスを紐づける
NFTを生成すると、マイドメイン画面から管理画面を開くことができるようになります。
管理画面では、ドメインに紐づけるアドレスをトークンごと、ブロックチェーンごとに設定できます。
設定したいトークンが表示されていないときは、追加ボタンを押してトークンを検索しましょう。
変更が完了したら変更を確定するボタンを押し、ウォレットに署名をすればアドレスが紐づきます。
トランザクションが処理されるまで設定は変更されないので、完了する前に送金されないように気をつけてください。
NFTドメインの注意点
Unstoppable DomainsでNFTドメインを利用する際に注意しておきたいポイントを3つ挙げます。
NFTドメインはまだ発展途中であり、完全ではありません。
何ができて、何ができないのか、しっかりと把握しておきましょう。
すべてのアプリが対応しているわけではない
ウォレットアドレスの代わりに利用できるのは、Unstoppable Domainsと提携しているサービスに限られています。
トークンが対応していてもアプリが対応していない場合があるので注意してください。
とくに注意したいのは、MetaMaskが対応していない点です。
MetaMaskしか持っていない場合は、Trust Walletなどを利用する必要があるでしょう。
Unstoppable Domainに対応しているアプリは、公式のアプリケーションページから確認できます。
NFTを紛失すると管理できない
NFTドメインはブロックチェーンによって管理されているため、万が一NFTを紛失してしまった場合は復旧させることができません。
たとえば、NFTを保有しているウォレットのパスワードや秘密鍵を紛失してアクセスできなくなれば、永久にNFTドメインを管理できなくなるでしょう。
ほかにも、ウォレットへの攻撃を受けてNFTを抜き取られる可能性が考えられます。
NFTドメインの管理は自己責任なので、NFTドメイン専用のウォレットを用意するなどの対策をとるようにしてください。
紐づいたWebサイトの閲覧には対応ブラウザが必要
NFTドメインを入力してWebサイトを閲覧する際は、対応ブラウザもしくは拡張機能が必要になります。
対応ブラウザ | ・Brave・Opera |
拡張機能をインストールすれば閲覧できるブラウザ | ・Chrome・Firefox・Edge |
Webサイトを閲覧するための拡張機能「Unstoppable Extension」がインストールされていないブラウザでは、NFTドメインに紐づいたサイトを閲覧できません。
対応ブラウザであれば拡張機能がなくても閲覧できますが、初期設定を変更しなければならない場合があります。
どちらにしても一手間かかるため、アクセスされにくいと認識しておきましょう。
まとめ:ウォレットアドレスの代わりになるNFTドメインを使ってみよう
長くて覚えられないウォレットアドレスの代わりにNFTドメインを利用すれば、暗号資産の送り先を間違える可能性は低くなるでしょう。
また、あなたのことが伝わりやすい特徴的なNFTドメインは、ブランド力や信頼性を高める効果もあります。
初心者でも購入しやすいUnstoppable DomainsでNFTドメインを手に入れて、自分をアピールする意味も込めて活用してみましょう。