ブロックチェーンやメタバース、NFTに可能性を感じ、Web3サービスを提供するのであれば、すでに登場しているプロジェクトの情報収集・リサーチは必須です。
しかし、ブロックチェーンやプロジェクトが続々と登場していくなかで、自社に関連する情報を手に入れるのは大変な作業になります。
情報収集などの手間を省き、サービスの開発に注力するには、Web3リサーチサービスを活用するとよいでしょう。
この記事では、法人向けのWeb3リサーチサービスを提供している企業を紹介し、それぞれの特徴について解説します。
✅Web3リサーチサービスを利用することで効率よくプロジェクトを企画・進行できる
✅HashHub Research・Research for business・Ozon Labs・LGG Research の4社を紹介
✅非推奨ではあるが、自力でリサーチすることも可能
品質の良いWeb3プロジェクトをなるべく時間をかけずに提供したいのであれば、この記事で紹介するサービスをチェックしてみてください。
Web3リサーチサービスとは?
Web3リサーチサービスは、Web3に関する情報を収集してレポートを作成するサービスです。
自社にあったWeb3リサーチサービスを利用することで、必要な情報がまとめられたレポートを定期的に受け取ることができます。
レポートにする内容について相談できるサービスもあるので、何を依頼すればいいのかわからない企業でも安心して利用できるでしょう。
以下では、Web3リサーチサービスを利用する大きなメリットを3つ紹介します。
調査時間を短縮できる
Web3リサーチサービスを利用する最大のメリットといえるのが、調査時間の短縮です。
自力でリサーチする場合、調べる場所を探すだけでも時間がかかってしまいます。
調査に時間をかけてしまうと、広い範囲でリサーチできずに必要な情報を取りこぼしてしまうでしょう。
その点、Web3リサーチサービスを利用すれば必要な時間をかけたリサーチを任せることができ、その間にプロジェクトの開発に取り組めます。
必要な情報に絞れる
Web3リサーチサービスで作成されたレポートは必要な情報のみでまとめられるため、集めた情報を絞り込む手間がかかりません。
自力で情報を集められたとしても、膨大な量の情報から取捨選択する必要があります。
たとえば、ホワイトペーパーを読めばプロジェクトの全体像から詳細まで情報を得られますが、社内で共有するにはわかりやすく噛み砕いて資料化しなければならないでしょう。
レポートにまとめてほしい内容が明確であれば、企業ごとにレポートを作成してくれるWeb3リサーチサービスを利用することで不要な情報を排除できます。
専門家のアドバイスを受けられる
Web3リサーチサービスが提供するプランによっては、Web3の専門家からアドバイスを受けられるものも含まれています。
スタートアップやマーケティングについて知見のある専門家と相談できるため、Web3ビジネスで成功する確率は自社だけで取り組むよりも高くなるでしょう。
専門家は中立的な立場からアドバイスするため、間違った方針を正しい方向へ修正しやすい点も要注目です。
Web3リサーチを提供しているサービス
ここでは、Web3リサーチサービスを提供している国内サービス・企業を4つ紹介します。
・HashHub Research(専門性が高い)
・Research for business(オーダーメイドで柔軟性がある)
・Ozon Labs(低価格のプランを利用できる)
・LGG Research(ゲームに特化している)
それぞれで受けられるサービスや得意ジャンルが異なるので、サンプルレポートやサービス内容を確認したうえで利用を検討しましょう。
HashHub Research
2018年5月に設立されたHashHub社が提供するリサーチサービスです。
リサーチする範囲はNFTやDID、DeFiなど多岐にわたり、月に25本の最新レポートが公開されています。
複数の法人向けプランが用意されており、レポート作成やコンサルティングなどのサービスをニーズに合わせて購入できます。
bitbankや日本総研といった国内大手企業が70社以上契約しているサービスなので、その実績は確かだといえるでしょう。
なお、HashHub Researchの個人向けプランでは、無料で登録して一部のレポートを読むことも可能です。
(参考)HashHub Research
Research for business
(web3 Research|Research for business)
Web3リサーチャーとして活動しているmitsui氏が代表取締役のdemmpa社が提供するリサーチサービスです。
リサーチ範囲やレポートの形式、金額などの条件がすべてオーダーメイドとなっているのが特徴。
Zoomでの打ち合わせ後、基本的に1~2週間程度でレポートを納品するとされています。
Web3領域であればジャンルを問わないため、どんなリサーチでも柔軟な対応が期待できるでしょう。
ちなみに、新規プロジェクトを一貫して支援する「web3 Research Labs」や、Web3参入企業に向けた学習プログラム「Join web3」なども、同サイトで提供されています。
Ozon Labs
Web3セキュリティツール「eagis」など、さまざまなサービスの開発に取り組んでいるwoorth社のリサーチサービスです。
毎月20本以上配信されているレポートを閲覧したり、定期的に開催される限定勉強会に参加したりできるメンバーサービスが提供されています。
年間契約での月あたり価格は8400円ですが、スタートアッププランの対象に該当する企業であれば月あたり3400円で利用可能です。
また、上記メンバーサービスとは別に、個別でのリサーチによるカスタムレポートも受け付けています。
メンバーに加入しているとカスタムレポートの価格が割引されるため、Ozon Labsを利用する際はメンバーになることを検討するとよいでしょう。
LGG Research
日本で最大級のWeb3ゲームギルドである「LCA Game Guild(LGG)」が提供しているリサーチサービスです。
ゲームギルドのサービスということもあり、NFTやトークンを利用したWeb3ゲームのジャンルに特化しています。
ゲーム以外の分野にも対応しており、トークノミクス(トークン経済圏の仕組み)やマーケティングに関するレポートを、開発フェーズごとに提供されています。
(LGG Research|LGG Researchが教えるWeb3開発ノウハウ)
LGGは実際にプロジェクトのコンサルティングや開発をおこなっているため、実用レベルのノウハウや情報を得られるでしょう。
ただし、LGG Researchでは個別のレポートを作成していない点に注意してください。
サービスを利用せずにリサーチするには?
企業でリサーチするならWeb3リサーチサービスを利用するのがおすすめですが、費用面などの問題から、サービスを利用せずにリサーチしたいと考える企業もあるでしょう。
そこで、独自にWeb3業界をリサーチする際に情報を集める場所や方法についてもお伝えします。
以下の方法でリサーチできたら、複数のプロジェクトから概要をまとめてレポートに落とし込んでみてください。
SNSやブログなどで情報を集める
調べるプロジェクトやジャンルが決まっていなかったり、そもそもWeb3がよくわからなかったりする場合は、SNSやブログで検索しながら新しい情報を探しましょう。
検索キーワードを「Web3」「NFT」にするだけでも新しいプロジェクトがいくつも見つかるはずなので、知りたい情報をどんどん深掘りしてみてください。
トレンド情報を発信しているTwitterアカウントをフォローしたり、NFTなど特定のジャンルの扱うメディアをブックマークしたりすると、効率よく情報収集できます。
プロジェクトのホワイトペーパーを読む
詳しく知りたいプロジェクトを見つけたら、ホワイトペーパーを中心にプロジェクトの詳細を調べます。
とくに立ち上げ前のプロジェクトの場合、ホワイトペーパーにしか書かれていない情報が見つかるでしょう。
数年先のロードマップが書かれているケースもあるので、隅から隅までチェックしてみてください。
なお、更新されていないホワイトペーパーには実際と異なる情報が書かれている可能性があるため、プレスリリースやコミュニティなども調べたうえで情報を精査しましょう。
市場価格を追って相場を探る
プロジェクトがすでにトークンを発行しているのであれば、トークンの価格推移や売れ行きを分析しなければならない場合もあります。
トークンの統計データを見たり、分析ツールを利用したりしながら、自社で提供するコンテンツの相場を推しはかりましょう。
NFTの分析・リサーチ方法についてはこちらの記事で解説しているので、参考にしてください。
まとめ:サービスを利用してコストを減らそう
Web3リサーチサービスを利用することで、情報の収集や取捨選択にかかる時間と手間を減らせます。
あなたの会社のWeb3サービスと合致するリサーチサービスを見つけ、より効率的にプロジェクトを進行させましょう。
レポート作成の依頼にかかる費用は打ち合わせの中で決められるため、リサーチサービスの利用を検討しているのであれば、まずは問い合わせて詳細を確認してみてください。