OthersideのOtherdeedや、The SandboxのLANDなど、人気のあるNFTコレクションのなかにはメタバースに関連したものが数多くあります。
メタバースに関係するNFTを購入したい、もしくは自分で作りたい、と考えている方も多いのではないでしょうか。
そうした方に知ってもらいたいブロックチェーンが「Klaytn(クレイトン)」です。
この記事では、Klaytnの概要や特徴、NFTコレクションなどについて解説します。
この記事のザックリ要約!
・Klaytnはカカオトークで有名なkakao社が開発した韓国発のブロックチェーン
・メタバース開発のプラットフォームを目指しており、開発環境が充実している
・取引するには独自トークンのKLAYが必要
これからの成長に期待できるメタバースやNFTを探している方は、ぜひ本記事を読んでみてください。
Klaytnとは?
(Klaytn)
Klaytnは、メタバースやゲームの開発に重点を置いて立ち上げられた、韓国発のブロックチェーンプラットフォームです。
2019年6月27日に、メインネットであるCypressがリリースされました。
Klaytnの立ち上げ当初から50を超えるサービスパートナーが付いており、着実にネットワークを拡大しつつあります。
トランザクションの処理速度が4000TPSと速く、ガス代はイーサリアムに比べて10分の1程度の価格です。
なお、Klaytnでガス代などを支払う際は、独自トークンのKLAY(クレイ)を使用します。
kakao社が開発
Klaytnを開発した企業は、韓国のインターネットサービス会社であるkakao社。
kakao社の有名なアプリといえば、カカオトーク(KakaoTalk)です。
カカオトークは韓国の月間アクティブユーザー数が4700万人を超えており、韓国人口のおよそ90%が利用しているといわれています。
(1Q 2022 | Kakao Investor Relations)
カカオトークを利用してKlaytnを利用する体制も整えつつあるので、Klaytnの潜在的なユーザーは多いといえるでしょう。
kakao社が日本に拠点を置いている点も要チェックです。
ガバナンス評議会による意思決定
Klaytnには「Klaytn Governance Council」と呼ばれるガバナンス評議会があります。
ガバナンス評議会には30以上の企業が参加しており、Klaytnに関する意思決定や運用をおこなっています。
参加している企業には、仮想通貨取引所のBinanceや、ニノ国などのゲームアプリを提供しているNetmarbleなどの大手企業も多いです。
(参考)Klaytn|Ecosystem
2021年3月からOpenSeaに対応している
2021年3月から、大手NFTマーケットプレイスのOpenSeaはKlaytnに対応しています。
OpenSeaがイーサリアム以外で最初に対応したブロックチェーンはKlaytnであり、2021年10月に対応し始めたポリゴン(Polygon)よりも早いです。
さらに、2022年6月にはKlaytnとOpenSeaがパートナーシップを締結し、Klaytn拡大に向けた支援がおこなわれていくとのこと。
このように、KlaytnとOpenSeaの繋がりは深いため、これからも成長していくポテンシャルを秘めていると見ることができます。
Klaytnの特徴
Klaytnは誰もが簡単にメタバースを構築できるブロックチェーンを目指しています。
メタバースはNFTとの相性がいいので、Klaytnでメタバースが展開されていけばNFT市場も拡大していくでしょう。
Klaytnの具体的な特徴として挙げられるのは、次の3点です。
・イーサリアムと互換性がある
・開発者向けにメタバースパッケージを提供している
・Klaytnで開発されたアプリはBappと呼ぶ
以下で順番に解説していきます。
イーサリアムと互換性がある
KlaytnはEVM(イーサリアム仮想マシン)が実装されているため、イーサリアムとの互換性があります。
たとえば、イーサリアムでもっとも使われているウォレットのMetaMask(メタマスク)をKlaytnで利用できます。
開発に使うプログラム言語もイーサリアムと同じくSolidityなので、イーサリアムからアプリを移行するのも簡単です。
つまり、Klaytnの需要が高まっていけば、イーサリアムで提供していたサービスがKlaytnに拡大するのも容易であるといえます。
なお、Solidity以外のプログラム言語でも開発できるようにすることで、イーサリアム以外のブロックチェーンからも移行しやすい環境を整えていく予定のようです。
メタバースパッケージを提供している
Klaytnの開発者ページでは、メタバースを構築するためのオープンソースパッケージなどを提供しています。
パッケージには9000を超えるリソースライブラリが入っており、ツールやリソースのページから取得することが可能です。
提供されているパッケージを利用すれば、Klaytnのメタバースを構築するハードルが低くなるでしょう。
自分のNFTを作成し、関連したメタバースを自分で作るのも面白いかもしれません。
DappではなくBapp
通常、ブロックチェーンを実装したアプリのことをDappと呼びますが、KlaytnではBappという用語を使用しています。
Dappは分散型アプリ(Decentralized Application)の略称で、分散化を前提としています。
しかしKlaytnは、NFTなどを利用したサービスを提供する場合など、分散化せずにブロックチェーンを実装する利点もあると考えています。
そのため、分散化に限定しない新しい呼称としてBapp(Blockchain Application)を作成しました。
DappはBappの一部であるというスタンスには、Klaytnの意思が込められているといえるでしょう。
代表的なNFTコレクション
Klaytnで取引されているNFTコレクションを4つ紹介します。
・THE META KONGZ KLAYTN
・Meta Toy DragonZ
・Sunmiya Club
・DSC|DOGESOUNDCLUB MATES
いずれも韓国発のNFTプロジェクトであり、メタバースやゲームを開発している点が共通しています。
イーサリアムにも展開しているプロジェクトが含まれているため、この中から人気のプロジェクトが現れる可能性があるでしょう。
THE META KONGZ KLAYTN
発行された数が286点のみの、Klaytnでもっとも人気のあるNFTコレクションです。
3Dのゴリラが特徴で、OpenSeaでの総取引量は4100万KLAYに及んでいます。
世界最高のNFTプロジェクトになることを目指しており、新たなNFTの製作やグッズ販売といった様々な計画を立てているようです。
なお、イーサリアムでもNFTを展開しており、こちらのコレクションは9700点ほどのNFTが作られています。
Meta Toy DragonZ
9999点のNFTが用意されている、おもちゃのドラゴンのピクセルアートが特徴のNFTコレクションです。
このNFTを利用できるP2Eゲームが開発されており、2022年10月時点ではNFT保有者向けのクローズドテストまで終了しています。
ほかにも保有者向けの特典が用意されているようなので、サービスが開始する前にNFTを購入するとよいかもしれません。
ちなみにロードマップによると、The Sandboxで公式ワールドを展開する予定があり、それにあわせて3DボクセルNFTのエアドロップをおこなう予定です。
Sunmiya Club
元Wonder Girlsのメンバーであるソンミ氏が関わっているNFTプロジェクトです。
NFTには、ソンミ氏がモチーフとなっているキャラクターMIYAが描かれています。
このNFTを保有していると独自トークンのFAVORを毎日獲得でき、貯めたFavorはNFTや実品と交換することが可能です。
関連するNFTプロジェクトとしてSMILE MIYA CLUBが存在します。
DSC|DOGESOUNDCLUB MATES
NFTコレクターが集まるコミュニティであるDoge Sound ClubのメンバーNFTです。
24×24ピクセルで描かれた人の顔が特徴で、1万点のNFTが発行されています。
NFTを保有することでMIXトークンを取得し、NFTマーケットプレイスのKLUBSなどで利用することができます。
ただし、このNFTコレクションは国内向けを想定しているようなので、今後展開される特典を受け取れない可能性もある点に注意してください。
Klaytnで取引するまでの流れ
(BITPoint)
Klaytnで取引するには、KLAYトークンが必要になります。
ここでは、日本円からKLAYトークンを購入し、NFTマーケットプレイスを利用できる状態になるまでの手順を解説します。
ほかのブロックチェーンで仮想通貨を持っている場合は、OrbitBridgeなどを利用してKlaytnにブリッジし、KLAYswapでKLAYに換金するとよいでしょう。
取引所の口座を作成
KLAYを入手するには、仮想通貨取引所の口座を、国内と海外で1つずつ作る必要があります。
海外の取引所が必要なのは、自分のウォレットにKLAYを送金するためです。
日本国内でBITPointがKLAYを取り扱っていますが、2022年10月時点では送金することができません。
KLAYを送金できる国内の取引所が登場するまで、海外の取引所を経由してKLAYを購入することになるでしょう。
国内の取引所で仮想通貨を購入
国内の取引所で口座を開設できたら、日本円を入金して仮想通貨を購入しましょう。
海外の取引所でKLAYを買うための仮想通貨を手に入れるだけなので、どの取引所で購入しても構いません。
購入する仮想通貨も、BTCやETHなど自由に選んで購入してください。
ただし、利用する取引所や仮想通貨によって各種手数料が異なってくるため、あらかじめ確認しておきましょう。
海外の取引所に送金してKLAYを購入
購入した仮想通貨を、海外の取引所に送金します。
KLAYを取り扱っている大手の海外取引所であれば、国内の取引所で購入できるどの仮想通貨にも対応しているはずです。
Binanceなどの海外取引所で口座を作り、受け取りアドレスを確認して、国内の取引所から仮想通貨を送金しましょう。
送金できたら、その仮想通貨を元手にしてKLAYを購入してください。
KLAYをウォレットに送金
取引所で保有している仮想通貨はNFTマーケットプレイスで使えないので、購入したKLAYをウォレットに送金します。
利用できるウォレットがない場合は、PCかスマートフォンにMetaMaskを新しくインストールすればOKです。
ウォレットを開いてアドレスを確認し、海外の取引所からKLAYを送金してください。
ウォレットにKLAYが届いたら、取引する準備は完了です。
Klaytnに対応しているNFTマーケットプレイスにアクセスしてウォレットを接続し、取引を始めましょう。
取引できるNFTマーケットプレイス
Klaytnに対応しているNFTマーケットプレイスを3つ紹介します。
・OpenSea
・tofuNFT
・BMALL
ほかにもKlaytnに対応しているNFTマーケットプレイスはありますが、2022年10月時点ではOpenSeaでの取引量が圧倒的に多いです。
KlaytnのNFTを取引するなら、OpenSeaを利用するのがよいでしょう。
OpenSea
(OpenSea)
最大手のNFTマーケットプレイスであるOpenSeaでは、KlaytnのNFTも多く取引されています。
多くのユーザーに利用されているので、ほかのマーケットプレイスに比べて安心して取引できるでしょう。
ちなみに、OpenSeaにはNFTを作成する機能が利用できますが、Klaytnに対応したNFTは作成できません。
KlaytnのNFTを作成したいときは、公式が提供しているKrafterSpaceを利用するとよいでしょう。
tofuNFT
(tofuNFT)
日本企業のCOINJINJA(コインジンジャ)が2020年6月に立ち上げたNFTマーケットプレイスです。
30以上のブロックチェーンに対応しており、とくにBNB Chainでの取引がさかんです。
CLV P-Chainのような珍しいチェーンまで揃っているので、ほかのブロックチェーンで販売されているNFTに興味があれば利用してみるのもよいでしょう。
BMALL
(BMALL)
2022年8月に立ち上げられたNFTマーケットプレイスで、イーサリアムとポリゴンにも対応しています。
利用者がより多くの利益を得られるよう、コミュニティフィーと紹介コードが用意されているのが特徴です。
コミュニティフィーはNFTコミュニティのメンバーに、紹介コードは紹介者に、取引の手数料を分配する仕組みになっています。
この挑戦的な機能を試してみたいのであれば使ってみるとよいでしょう。
まとめ:展開次第で成長する見込みあり
Klaytnはkakao社が開発したブロックチェーンで、カカオトークを利用しているユーザーが障壁なく利用できる環境を整えています。
OpenSeaを含めたパートナーとの展開によっては、韓国全体で人気が爆発する可能性があるといえるでしょう。
Klaytnはメタバース開発を主軸にしているため、メタバースに関連したNFTがKlaytnの成長に関わってくると考えられます。
価格が高騰することを見込んで、KlaytnでNFT取引を始めてみるのも面白いかもしれません。