Discordのロールを自動管理!「Guild.xyz」の使い方を解説

Discordでコミュニティを運用する際、NFT保有者のみアクセスできるような限定チャンネルを作りたいと考える人は多いでしょう。

限定チャンネルを作るにはロール機能を利用すればよいのですが、手作業でロールを設定していては時間がかかって大変です。

そこで、Discordのロールを自動的に与えられるコミュニティプラットフォーム「Guild.xyz」が役に立ちます。

この記事では、Guild.xyzの機能やメリット、使い方を解説します。

この記事のザックリ要約!

・Guild.xyzではギルドを作成し、ほかのプラットフォームと連携することができる

・ギルドのロールを取得する条件として、NFTやトークンの有無などを設定できる

・ギルドでロールを与えることで、連携したサービスのアクセス権限も与えられる

Googleドキュメントなどでアクセス制限をかける使い方もできるので、コミュニティ運用に関心のある方は本記事を読んでみてください。

Guild.xyzでできること

Guild.xyz

Guild.xyzは、ギルドと呼ばれるコミュニティを作成できるサービスです。

作成したギルドではロール(役職)を設定し、外部のプラットフォームと連携させられます。

Discordと連携させてロールを管理するのが、主な使い方となるでしょう。

ここでは、Guild.xyzの機能でできることを4つ紹介します。

なお、利用できる機能は今後も増えていく予定で、POAPの配布やロール販売などが開発されています。

NFTやトークンの保有者に報酬を配布

Guild.xyzに作成したギルドページで、条件を満たしているメンバーへ自動的に報酬を渡すことができます

設定できる報酬は、Discordの特別なロールや、Googleワークスペースのアクセス権限などです。

報酬を渡す条件として設定できる項目の例としては、以下のようなものが挙げられます。

・特定のNFTやトークンを保有している

・許可リストに登録されている(CSVファイルなどで設定可能)

・Twitterで特定のアカウントをフォローしている

上で挙げた条件はほんの一部です。

たとえば「あるコレクションのNFTを○個以上持っている」や「Twitterの自己紹介文に特定の文字列が入っている」など、一風変わった条件も設定できます。

ほかにも、Guild.xyzと統合している10以上の外部サービスを、報酬の条件として設定できます。

ギルド内での投票

Discordに導入するGuild.xyzのボットの機能を利用して、Discord内で投票を実施できます

投票を実施する際に、投票できるロールや投票内容、有効期限などを設定します。

ERC-20トークンの保有量によって投票の重みを変える加重投票も可能です。

Guild Guard botの配置

Guild.xyzにはGuild Guard botと呼ばれるセキュリティ対策用ボットが用意されています。

Discordのサーバーに導入すれば、フィッシングやなりすまし、スパムといった悪意あるボットの攻撃を防げるでしょう

Guild.xyzの本機能であるGuild.xyzボットとは別なので、Guild Guard botのページで入手する必要があります。

メンバーのCSV出力

ギルドに参加しているメンバーのリストをCSVファイルにして出力する機能もあります。

リストは自動的に更新されるため自分で編集する必要はなく、好きなタイミングで出力できます。

出力する範囲はロール単位で選べるので、NFT保有者用のロールを持つメンバーのリストを出力するといった運用も可能です。

Guild.xyzを利用するメリット

Guild.xyzを利用して得られるメリットとして、以下の3点が挙げられます。

・条件付きロールを自動的に渡せる

・17種類のブロックチェーンに対応できる

・プラットフォームに依存せず運用できる

これらのメリットにより、複数のコミュニティツールを使わずに管理・運用できる点がGuild.xyzの魅力だといえるでしょう。

上記3点について、以下で詳しく解説していきます。

条件付きロールを自動的に渡せる

Discordのみ使用している場合、なにかしらの条件を付けたロールは手作業で設定する必要があるでしょう。

小規模なコミュニティであれば問題ないかもしれませんが、数百人から数千人の規模になれば、条件達成を確認してロールを設定する作業はかなりの手間がかかります。

その点、Guild.xyzでは認証をおこなったユーザーが自動的にロールを得る仕組みになっているため、運営側の負担が省けます。

リアルタイムで達成状況を確認しており、条件を満たさなくなったメンバーのロールを自動的に剥奪できる点も便利です。

17種類のブロックチェーンに対応できる

2022年10月時点でGuild.xyzが対応しているブロックチェーンは、イーサリアムやポリゴンをはじめとした17種類です。

Guild.xyz docs|Integrations

複数のブロックチェーンでNFTを発行している場合、それぞれのチェーンでNFTを購入した人向けのロールを作成することもできます。

対応するブロックチェーンは今後も数を増えていく予定で、SolanaやCosmosなども検討されています。

プラットフォームに依存せず運用できる

2022年10月時点で、Guild.xyzの連携に対応しているプラットフォームは次の4つです。

・Discord

・Telegram

・Google WorkSpace

・GitHub

ただし、公式ページで提供されているSDKやAPIなどを使えば、Guild.xyzに統合されていない独自のプラットフォームでもギルドと連携させることができます

ネットサービスの開発によく利用されているTypeScript言語なので、あらゆるプラットフォームに対応できるでしょう。

つまり、すでに独自のプラットフォームでコミュニティを形成していても、Guild.xyzを利用したギルドを導入する余地があるのです。

Discordでのギルド運用方法

Guild.xyzを利用し、Discordのサーバーと連携する手順は次のとおりです。

1. 連携するDiscordサーバーを選択する

2. Discordに追加するロールを作成・設定する

3. ギルドの情報を設定する

4. 招待リンクを貼ってメンバーを増やす

これらの手順を始める前に、あらかじめDiscordで自分のサーバーを作成しておいてください。

連携させたいサーバーを用意できたらGuild.xyzのトップページにアクセスして「Create Guild」ボタンからギルド作成を始めましょう。

1. 連携するサーバーを選択する

最初に連携するプラットフォームを聞かれるので、今回はDiscordを選択します。

Discordを選択すると表示されるサーバーの一覧から、連携させたいサーバーを選びましょう。

サーバー選択時に、Discordアカウントへのアクセス要求は許可してください。

アクセス要求を許可した時点で、DiscordのサーバーにGuild.xyzのボットが追加されます。

(Discord)

ボットの権限を最高にしないと正しく動作しないので、すでにDiscordでロールを作成していた場合は、guild.xyzロールの優先順位を一番上にしてください

ロールの優先順位は、Discordのサーバー設定にある「ロール」で変更できます。

(Discord)

優先順位が一番上になっているのを確認できたら、Guild.xyzで「create guild」ボタンを押すことでギルドの作成が完了します。

2. ロールを作成する

作成されたばかりのギルドには、ギルド参加者全員が取得できるMemberロールが作られています。

Memberロールを編集したい場合はロールごとの編集マークを、新しくロールを作成したい場合は「Add role」を、それぞれクリックしてください。

ロールで設定できる項目は以下のとおりです。

Rewards条件を満たしたときに得られる報酬。
設定できるのは、Discordのロールや、各種プラットフォームのアクセス権。
Choose a logo and name for your roleロゴアイコンとロール名。
ロゴアイコンには自分で用意した画像も使用可。
Description(入力は任意)ロールの説明文。
ギルドページのロール一覧に表示される。
Requirement logic条件判定のロジック。いずれか1つだけ選択できる。
AND:すべての条件を満たせばOKOR:いずれかの条件を満たせばOKNAND:すべての条件を満たすとNGNOR:いずれかの条件を満たすとNG
Requirements報酬を得るための条件。複数の条件を設定できる。
Free entryにチェックを入れると、ウォレットを接続するだけで条件を満たせる。

Requirementsは、GENERALとINTEGRATIONSの2つにカテゴリ分けされています。

GENERALはウォレットの状態を確認し、INTEGRATIONSは外部サービスでおこなったアクションなどをチェックします。

Requirement logicとうまく組み合わせて、報酬を渡す条件を設定していきましょう。

ロールはあとから追加できるので、ひととおりロールを追加できたら「Next」ボタンで次に移動してください。

3. ギルドの情報を設定する

右上にある歯車マークをクリックして、ギルドの詳細情報を設定します。

以下の設定を決めて、ギルドを完成させましょう。

Logo and nameギルドのロゴアイコンと名前。
名前にはDiscordサーバーの名前がデフォルトで入力されている。
URL nameギルドページのURLアドレス。すでに使われているURLは設定できない。
Descriptionギルドの説明文。
Guild.xyz上でギルドページを閲覧する際に表示される。
Main colorギルドページの背景に使われる色。
背景のほとんどはColor modeで設定した色になるため、適用される範囲は少なめ。
Custom background imageギルドページ上部に表示する背景画像。
Color modeギルドページの背景色。月マークは黒、太陽マークは白。
Show membersギルドページ下部にメンバーリストを表示するかどうか。
非表示にしていてもメンバーリストのCSV出力はできる。
Hide from explorerギルドを公開するかどうか。
OFFにすると、Guild.xyzのExplorer機能でギルドを検索できる。ONにすると、招待リンクでのみギルドの存在を知らせることができる。
Adminsギルドの管理者リスト。
ギルドに参加しているメンバーから選択する。

ギルドの設定が終わったら「Next」で次に進めてください。

4. 招待リンクを貼る

ギルドの体裁を整えたので、あとはメンバーを集めるだけです。

ギルドのURLアドレスを拡散して、ギルドへの参加を促しましょう。

DiscordやTwitterに招待リンクを貼るのであれば、用意されている定型文をもとに編集すると手間が省けます。

招待リンクを貼り終えたら「Finish」をクリックし、ギルドの運用を始めていきましょう。

ちなみに、あとで招待することもできるので、この時点でリンクを貼らなくても問題ありません。

Discordロール以外を報酬にするには

「add Reword」をクリックすると、Discordのロール以外の報酬を作成できます。

ギルド作成時と同様にプラットフォームを選択できるので、アクセス権限を管理したいプラットフォームを選んでください。

それぞれのプラットフォームでは、以下のアクセス権限を制御できます。

・Telegram:作成したグループ

・Google WorkSpace:作成した個々のファイル(ドキュメントやスライドなど)

・GitHub:作成したレポジトリ

制御するものを選択するとロールが表示されるので、アクセスさせたいロールにチェックを入れて「add Reward」で完了してください。

完了したら、正しいロールに報酬が設定されているか確認しましょう。

ギルドに参加する方法

作成したギルドに参加してもらうために、参加方法を伝えなければならない場合があるはずです。

方法を正しく伝えるためにも、一度ギルドに参加する経験をしておくとよいでしょう。

以下でギルドに参加する方法を解説するので、実際に好きなギルドへ参加してみてください。

ギルドページにアクセスする

まずはGuild.xyzのトップページにある「Explore Guilds」から、参加するギルドを探してみましょう。

公開されているギルドの一覧が表示されるので、興味のあるギルドで検索してみてください。

ちなみに、Guild.xyzの公式ギルドは「Our Guild」です。

ウォレットを接続してギルドに参加する

参加したいギルドを選択すると、ギルドで取得できるロールの一覧が表示されます。

ロールを獲得するために「Join Guild to get roles」からギルドに参加しましょう。

ギルドに参加するにはウォレットの接続が必須です。

ウォレットを接続すれば「Join guild」ボタンを押せるようになっているので、ボタンを押してメンバーに加わっているのを確認してください。

報酬の受け取りを確認する

ギルドに参加すると、ロールの条件を満たしているかどうかが自動的にチェックされます。

条件に外部サービスが含まれている場合は、ウォレットにアカウントを連携させることで検証するようになります。

たとえば、Twitterでのアクションが条件に含まれているのであれば、条件文の近くにあるボタンからTwitterのアカウントを連携させてください。

ロールの達成状況は、ロールごとに書かれているステータスを見ればわかります。

・Checking access:条件を検証中

・You have access:ロール取得済

・No access:条件を達成していない

・Connect below to check access:検証するにはアカウント接続が必要

取得したロールがあれば報酬を受け取っているので、アクセスして確認してみましょう。

なお、取得したサービスが実際に反映されるまでに1日程度かかる場合もあります。

まとめ:Guild.xyzで管理してみよう

Guild.xyzを利用してギルドを作成すれば、複数のブロックチェーンを条件にした複雑なロールも簡単に作成できます。

Discordのコミュニティサーバーと連携することで、ギルドで得たロールをDiscordのロールとして与える仕組みも簡単に実装できます。

Discordに限定チャンネルを作ったり、限定的にドキュメントファイルを配布したりしたいのであれば、Guild.xyzを試してみてください。

Guild.xyzでロールをスマートに管理し、1ランク上のコミュニティを構築しましょう。

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