NFTの発展に伴って多くのNFTマーケットプレイスが展開されるようになり、様々な形のマーケットプレイスが登場しています。
そのなかでも、NFTマーケットプレイス自体がゲームの一部のように見立てられた、一際珍しいプラットフォームが存在するのをご存知でしょうか?
この記事では、Arbitrumのブロックチェーンで展開している「Treasure」プロジェクトと、Treasureに関わるNFTコレクションを販売している「Trove」について解説します。
この記事のザックリ要約!
✅Treasureは、複数のメタバースを独自トークンMAGICで繋げているプロジェクト
✅ゲームではNFTのステーキングなどをおこなうことができ、報酬を得られる
✅Treasureに関わるゲームのNFTは、NFTマーケットプレイスTroveで取引できる
Arbitrumで大きなシェアを占めているTreasureについて詳しく知りたい方は、本記事を読んでみてください。
Treasureとは?
(Treasure)
Treasureは、メタバースやゲーム向けに作られた分散型ビデオゲームコンソールです。
NFTステーキングやファーミングにゲーム性を持たせた複数のメタバースを、1つのプラットフォームに取りまとめて展開しています。
TreasureDAOが運用しており、提案や投票によって決められた方針に従って機能の追加や改善がおこなわれています。
もともとイーサリアムで稼働していましたが、TVL(ロックされた金額の合計値)の高さやガス代の安さを理由にArbitrumへ移行しました。
2022年11月現在では、Arbitrumの売上ランキングで上位のNFTコレクションのうち、半分以上がTreasureに関わっているほどの影響力を持っています。
メタバース=カートリッジ
Treasureで展開されているメタバースプロジェクトは「カートリッジ」という呼称で呼ばれています。
昔のゲームソフトに使われていたROMカートリッジをイメージしているのかもしれません。
Treasure始動時から統合されているメタバースは「コアカートリッジ」、それ以外のメタバースは「パートナーカートリッジ」と区別されているようです。
共通資産としてMAGICトークンを用いる
すべてのカートリッジが関わっている共通の資産として、MAGICトークンがあります。
MAGICはメタバース内で採掘できる天然資源という扱いになっていますが、実質的にはTreasureプロジェクトで使える仮想通貨のトークンです。
それぞれのメタバース独自のトークンは別に用意されている場合も多いですが、Treasureに関わるなら最初にMAGICを手に入れることになるでしょう。
なお、MAGICはSushiSwapなどで取引できます。
Troveで取引やゲームプレイができる
Treasureに関するNFTを取引する場として、TroveというNFTマーケットプレイスが利用できます。
TroveではMAGICを使ってNFTを売買するため、Treasureで手に入れた資産をシームレスに取引することが可能です。
また、マーケット内で直接ゲーム画面を開いてプレイすることもできます。
Treasureで遊ぶプレイヤーにとって、Troveはメタバースの一部になっているといえるでしょう。
ちなみに、Troveはイーサリアムチェーンの取引にも対応しており、イーサリアム上で取引する際はETHで支払う必要があります。
Treasureのコアカートリッジ
(Treasure)
Treasureシステムの根幹となるコアカートリッジには、次の2つが挙げられます。
・Bridge World
・Smolverse
どちらもArbitrum内のNFT売上ランキングで最上位レベルに位置しており、Treasureの主要なコンテンツともいえる存在です。
Treasureへの参加を検討する際には、優先的にチェックしておくとよいでしょう。
Bridge World
MAGICの採掘ができ、Treasure全体の橋渡しとなっているカートリッジです。
クエストで集めたアイテムをクラフト(合成)して作った宝をステーキングすることで、MAGICを手に入れられます。
レギオン(キャラクター)のNFTを購入すれば、効率よくゲームを進められるでしょう。
なお、高価で取引されているレギオンNFTを購入しなくても、10MAGIC(約500円)で手に入れられる新兵を使ってゲームをプレイすることが可能です。
Smolverse
複数のNFTコレクションから構成されており、10ヶ月という短期間で約7300万ドル(約102億円)の販売額を達成したカートリッジです。
Smolverseには複数のゲームが用意されており、Smol BrainsもしくはSmol BodiesのNFTをステーキングしてプレイします。
NFTをステーキングすると報酬が得られるだけでなく、NFTが成長して画像が変化するというゲーム性も含まれています。
新たなゲームが続々と登場していたり、イベント開催やグッズ販売などを展開していたりと、今後の成長に期待できるプロジェクトです。
パートナーカートリッジについて
すべてのカートリッジはMAGICで繋がっているため、パートナーカートリッジが成長することでTreasure全体が活性化します。
Treasureプロジェクトについて分析する際は、これから開発されていくものも含めて、パートナーカートリッジをチェックする必要があるでしょう。
2022年10月時点で、計8つのパートナーカートリッジがTreasureの公式ページに掲載されています。
カートリッジ名 | 概要 |
BattleFly | プレイヤー同士で保有しているBattleFlyを戦わせて報酬(MAGIC)を手に入れるPvPストラテジーゲーム。 |
Toadstoolz | Toadで狩りをしたり買い物をしたりしてNFTなどの報酬を集めるゲーム。 |
Tales of Elleria | ヒーローを育てて任務やクエストをクリアすることで、MEDALSトークンやELMトークンを稼いでいくターン制バトルゲーム。 |
The Lost Donkeys | 農夫になったDonkeyに農場を運営させ、CARROTトークンを収穫するシミュレーションゲーム。 |
LifeDAO | Life of Seedから誕生したキャラクターでチームを編成し、MAGICや宝物を求めてダンジョンを攻略していくゲーム。 |
Knights of the Ether(KOTE) | イーサリアムチェーンで開発されているデッキ構築型のローグライクゲーム。ArbitrumチェーンでプレイできるSquiresでは、KOTE Squiresをクエストに出撃させてKOTEで使えるアイテムやFIEFトークンを収集できる。 |
Lost SamuRise | 3つの派閥に分かれ、報奨の獲得を目指して派閥を発展させていく戦略ゲーム。EthereumでLost SamuRiseを手に入れ、Arbitrumでゲームをプレイします。 |
Realm | 2つの遊び方から選択して遊べるゲーム。Realmを購入したRealmerは、世界を構築してMAGICを獲得できる。Adventurer of the Voidを購入したAdventurerは、Realmverseを冒険してPARTICLEトークンやANIMAトークンを獲得できる。 |
ほかにも、Power PlinsやEGGFAMなどのカートリッジがプレイできます。
Troveの利用方法
(Trove)
Troveを利用してTreasureのカートリッジで遊ぶ流れを解説します。
具体的には、以下のような流れでプレイしていきます。
1. Arbitrum上で使えるETHを用意する
2. ETHをMAGICに交換する
3. MAGICを使ってNFTを購入する
4. ゲームをプレイする
5. ゲームで手に入れた報酬を売る
なお、OpenSeaを利用すれば、MAGICを購入しなくてもETHでNFTを購入できます。
ETHで取引を済ませたい場合は、2と3の代わりにOpenSeaで取引するとよいでしょう。
ArbitrumでETHを用意する
Troveを利用する前に、Arbitrumで使えるETHを用意する必要があります。
仮想通貨取引所でETHを用意し、イーサリアムチェーンではなくArbitrumチェーンに送金しましょう。
ガス代や手数料を抑えるには、海外の取引所を経由してETHを送金するとよいでしょう。
別記事でも解説しているので、よければ参考にしてください。
MAGICに交換する
TroveではMAGICを使って取引するため、ETHをMAGICに交換します。
Troveにウォレットを接続してから、画面上部にある「Buy MAGIC」ボタンを押してください。
ボタンを押すと、SushiSwapのトークン交換画面が開きます。
交換するETHの数量を入力して「Swap」ボタンを押せば、MAGICが手に入ります。
NFTを購入する
手に入れたMAGICを使ってNFTを購入します。
TreasureのNFTコレクションは、画面上部の「Explore」>「Treasure」で確認できます。
それぞれのNFTコレクションから購入したいNFTを選んで「Buy Now」ボタンから購入しましょう。
なお、Bridge Worldで新兵を購入する場合は、ここでNFTを購入しなくても問題ありません。
NFTを使ってゲームをプレイする
NFTを購入したら、さっそくゲームを起動してみましょう。
NFTコレクションごとの画面にある「Play」タブをクリックすると、Trove内でゲームをプレイできます。
ゲームの公式ページでプレイする場合は、コレクション名の下にあるコントローラー型アイコンから移動できます。
ゲーム内でもウォレットを接続し、報酬の獲得を目指してプレイしてみてください。
なお、Smolverseのようにゲームのリンクがない場合は、ホームページにアクセスしてゲームを探さなければなりません。
手に入れた報酬を売る
ゲームをプレイして手に入れた報酬がNFTの場合、Troveで販売することもできます。
(BridgeWorld)
NFTとしてウォレットに保有しているので、Troveの右上にあるプロフィールアイコンから「My Profile」を開いて確認してみてください。
販売したいNFTがあれば「Sell」ボタンを押して出品しましょう。
出品にもガス代はかかるので、あまり安いものを出品しないよう注意してください。
まとめ:Troveをチェックしてみよう
TVLの高いArbitrumで展開していることもあり、Treasureプロジェクトは今後の成長が期待されています。
また、イーサリアムチェーンのNFTにも対応するようになったTroveは、販売領域を広めてさらに成長する可能性が高いでしょう。
Arbitrumを触る機会があれば、TroveでTreasure関連のコレクションをチェックしてみることをおすすめします。