クリエイティブフィールドの新潮流:NFTとCCライセンス

Web3を代表するものとして、NFTは多くの人に知られるようになりました。しかし「CCライセンス」について理解している人はまだ少ないのではないでしょうか。

CCライセンスがどういうものなのかよくわかっていないと、NFTを自分の思うように利用することができません。

この記事ではCCライセンスとは何か、CCライセンスの特徴や使い方、注意点について詳しく解説しています。

CCライセンスについて理解し、使いこなせるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。

ザックリ要約!
  • そもそもCCライセンスとは何なのか?
  • CCライセンスにはどのような特徴があるのか?
  • CCライセンスはどうやって使えばいい?
  • CCライセンスで注意すべきポイントとは?

CCライセンスとは?

CCライセンスはNFTにおける著作権の明示やコミュニティの活性化に重要な役割を果たしています。

CCライセンスは作品を公開する作者が「条件を守れば自由に使って構いません」という意思表示であり、これはNFTにも利用可能です。

またCC0という形式のCCライセンスは著作権を完全に放棄し、作品をパブリックドメインに置けます。これを採用したNFTプロジェクトでは、二次創作や商用利用が自由となり、コミュニティが盛り上がりやすくなります。

さらにNFTの保有と作品の著作権保有は別々であり、NFTの根底にある作品にCCライセンスを適用可能です。

例としては、CC0 NFTプロジェクトのCrypToadzが挙げられます。これはアーティストGremplinとその友人たちのチームによって作られた6,969個のNFTヒキガエルの収集品シリーズとなっています。

クリエイターたちはこのCryptoToadzをパブリックドメインとして公表しているのです。これにより、作品の利用範囲が明示され、広範なコミュニティ活動が誘発されています。

以上の理由と実例から、CCライセンスがNFTの世界でいかに重要かがわかります。

CCライセンスの特徴

CCライセンスにはどのような特徴があるのでしょうか。主な特徴を3つ挙げて解説します。

再利用の自由度

CCライセンスはNFTの再利用の自由度を高められます

CCライセンスは6種類の異なる自由度を持つライセンスを提供しており、作品の流通に対する権利者の多様なニーズを満たせます。CCライセンスを利用すれば、作者は著作権を保持しつつ、作品の自由な流通が可能です。受け手はライセンス条件の範囲内で作品を再配布やリミックスなどをおこなえます。

CCライセンスは4つの基本的な条件、つまり「表示」、「非営利」、「改変禁止」、「継承」を組み合わせて6種類のライセンスを提供しています。権利者はこれらから自分の作品がどのように流通すべきかを考慮し、適切なライセンスの選択が可能です。

以上からCCライセンスが再利用の自由度を高め、作品の流通を促進し、創作活動を活性化するための重要なツールだとわかります。

NFTとの親和性

CCライセンスのなかでも、特にCC0ライセンスはNFTとの高い親和性を持ち、作品の流通促進やコミュニティ活性化に重要な役割を果たしています。

NFTはデジタルでグローバルな存在であり、CC0ライセンスを適用すると商用利用が可能で、作品の流通が最大化されます。これによりNFTとCC0ライセンスの組み合わせにより、NFTの所有とオープンな共有を両立し、他人の自由な利用が可能となるのです。

またCC0ライセンスが適用されたNFTは、二次創作が盛んになります。作品やプロジェクトの認知が広まりやすいため、結果としてコミュニティの拡大や価値の上昇が期待されます。

MoonbirdsやNounsのようなCC0ライセンスを採用したNFTプロジェクトはこの親和性が明確です。また、CC0 NFTが広く二次利用されると、それを中心としたコミュニティが形成され、予想外のクリエイター間のコラボレーションやイノベーションを促進します。それは結果としてNFTそのものの価値向上につながります。

CCライセンスとNFTとの親和性の高さは、NFTの発展に欠かせないといえるでしょう。

著作権の明示

CCライセンスは著作権の明示のツールとして優れており、作品の利用条件を明確にし、利用者に安心して作品を使い、それを楽しむ環境を提供します。

CCライセンスを利用すると、作者は著作権を保持しつつ作品を自由に流通させ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスが可能です。またCCライセンスは「パブリックライセンス」の一種であり、特徴として個別の許可が不要になります。

現行のCCライセンスver.4.0は、4つの条件「表示(BY)」「非営利(NC)」「継承(SA)」「改変禁止(ND)」からなる6種類のライセンスを提供し、これらは分かりやすいアイコンで表示可能で、法律に則った著作物の使用方法を誰でも分かりやすく明示します。

CCライセンスによる著作権の明示は、NFTの自由利用に必須です。

CCライセンスの使い方

CCライセンスが何かはわかったものの、どう使うかを理解できていない方は多いことでしょう。

ここからはCCライセンスの使い方について解説します。

二次創作の許可

CCライセンスは二次創作の可能性を解放し、作品の流通や創作活動を促進する重要なツールです。

CCライセンスによる恩恵はNFTの改変や営利目的での二次利用も含まれます。CCライセンスは原作者のクレジットを表示することを主な条件とし、二次創作にも適用されます。6種類のCCライセンスがあり、そのうちのいくつかは原作者のクレジットを表示しながらも、改変や営利目的での二次利用を許可しているのです。

二次創作においては、CC BY-SA 3.0やCC BY-SA 4.0の下での公開を求められる場合があります。これにより、作者は著作権を保持しながら作品の自由な流通ができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスをおこなえます。

CCライセンスは二次創作における可能性を最大化し、今後ますます創作活動と作品の流通を効果的に促進していくことでしょう。

商業利用の許可

CCライセンスは商業利用を許可する形態を含み、これにより作品の流通やビジネス活動の促進が可能です。

「非営利(NC)」を除いたCCライセンスでは、商業利用が許可されています。この商業利用を許可するCCライセンスを活用すれば、作品の流通やビジネス活動が活性化します。

つまりCCライセンスは商業利用を可能にし、結果的に作品の流通やビジネス活動の拡大に寄与しているといえるでしょう。

収益の還元

CCライセンスは作品の流通やビジネス活動の促進に寄与し、収益の還元にも利用されています

CCライセンスは作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません」という意思表示をおこなうツールであり、これによって収益の還元が期待できます。商業利用が許可されているCCライセンスの利用により、作品の流通やビジネス活動が促進されるため、アーティストの露出が増え、収入の増加が見込まれるのです。

YouTubeでは著作権使用料無料のコンテンツやクリエイティブ・コモンズのコンテンツについて、そのライセンス契約で商用利用が認められている限り、収益化の対象にできます。このようにCCライセンスの適用は収益の還元を実現し、結果的にはアーティストの収益増加につながります。

以上のことから、CCライセンスは作品の流通やビジネス活動の促進、さらに収益の還元にも利用できる重要なツールであるといえるでしょう。

CCライセンスの注意点

ここまでCCライセンスの良いところを中心に説明してきましたが、もちろん気をつけるべき点も少なくありません。

ここからはCCライセンスの使用に関する注意点について解説します。

法的な拘束力の欠如

CCライセンスを利用する際には、法的な拘束力の欠如に注意が必要です。

CCライセンスは著作権法の取り扱いを明記したものにすぎず、すべての法律問題がクリアされているわけではありません。そのため当該作品の利用にあたって他者の権利を侵害する可能性まで排除するものではないのです。

CCライセンスは日本の著作権法その他の法律に基づいていますが、著作権法の解釈の中には、法律や判例を参照しても明らかになっていない部分があります。

CCライセンスの利用許諾は通常、契約の方式でおこなわれます。しかし遺言と同様に、著作権者の単独行為によって利用許諾が成立するかどうかという点について、法解釈上争いがある。

CCライセンスを利用する際には、法的な拘束力の欠如に注意を払い、必要に応じて法的な助言を得るようにしましょう。

取り消し不可

CCライセンスを利用する際には、一度適用したライセンスの取り消しが不可能である点に注意しましょう。

CCライセンスは一度適用されると取り消すことができません。作品がCCライセンスの下で公開されると、ライセンシーは著作権保護の期間中、ライセンス条項に従って作品を使用し続けられます。

CCライセンスはライセンサーがいつでも作品の配布を中止することを禁止するものではありません。

これらの点を踏まえ、CCライセンスを利用する際には、一度適用したライセンスの取り消しが不可能なのを理解し、十分に考慮した上でライセンスを適用してください。

著作者本人がCCを付けたとは限らない

CCライセンスを利用する際には、著作物に付与されたCCライセンスが必ずしも著作者本人によるものであるとは限らないという点に注意が必要です。

インターネット上にアップロードされている著作物にCCライセンスがついていても、そのライセンスが著作物の権利者ではない第三者によって許可なく付けられた可能性があります。そのためCCライセンスを公表しているのが、実際の著作権を所有している人物であるかどうか確認しなければなりません。

確実な確認方法としては、著作物の権利者に問い合わせをおこなったり、公式サイトを閲覧したりなどが挙げられます。

CCライセンスを利用する際は、そのライセンスが著作者本人によって付けられたものではない可能性を認識し、十分に確認作業をおこないましょう。

まとめ

この記事を通じて、NFTとCCライセンスとの関連性について理解が深まったことでしょう。

NFTがデジタルアートなどの所有権をブロックチェーン技術を通じて確立する一方、CCライセンスは作品の自由な使用を可能にする手段です。これら二つは、デジタルクリエイティブの世界において、それぞれ独特の役割を果たしています。

しかしその一方でCCライセンスの適用は一度おこなわれると取り消しが不可能です。またライセンスが付与された著作物は必ずしも著作者本人によるものであるとは限りません。これらの注意点を頭に入れておくと、NFTとCCライセンスをより適切に理解し、効率的な活用が可能となります。

今後のデジタルアートやその他クリエイティブ産業の発展には、このような新たな技術や概念の適切な理解と適用が不可欠です。今後もNFTとCCライセンスを巧みに利用し、新たなクリエイティブの可能性を追求していきましょう。

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