3日間で10,000人以上が来場!日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2023 KYOTO」イベントレポ

こんにちは!NF-times(エヌエフタイムス)の古田島です!

今回は2023年6月28日〜30日に行われた「IVS2023 KYOTO」(以下、IVS)の模様をレポートしたいと思います。

IVSは今年で16年目を迎え、日本最大級のスタートアップカンファレンスとして知られています。

今年の特徴は招待制が廃止され、チケット制になったことで、スタートアップやクリプトに興味ある人であれば、誰でも参加可能になったこと。

ガイドブックの作成、サイドイベント情報の共有など、非常に綿密な準備がなされていたIVSの「熱気」と「パワー」をお届けしたいと思います。

開催概要とイベント会場の様子

まずは、IVSの開催概要についてまとめたいと思います。

今回よりスタートアップやクリプトに興味ある人であれば、誰でも参加できるようになったことで、イベント規模は過去最大に。

京都最大のイベント会場・京都市勧業館「みやこめっせ」をメインにNEXT CITY、VILLAGE、PRO BASEの3ゾーン、全17ステージで250セッションという他に類を見ないほどのコンテンツ企画が充実していました。

さらに、IVSの回帰中にはさまざまなサイドイベントが開かれ、その数はなんと100近くも!

セッションあり、ネットワーキングあり、パーティあり、フードありと、非常に内容盛りだくさんなイベントは、まさにスタートアップの“フェス”を思わせるほど。とても全部は見切れないので、筆者も事前に予定を立てて行動するようにしました。

イベント初日に会場を向かうと、なんと長蛇の列が……。

中に入って受付を済ませるまで約30分。こんなに並ぶカンファレンスも珍しいなと感じました。

それだけ多くの人が、IVSを心待ちにしていたのかもしれません!

各セッションに登壇するスピーカーのポスターがずらりと並ぶ、圧巻のエントランスは記念写真を撮る人も多くいました。

1階のVILLAGEは、京都の名店が出店するフードエリアやスタートアップ採用にまつわるコンテンツが集まったHR横丁エリアのほか、京都の茶屋を思わせるような休憩スペースがありました。

人気だったのは、デジタル名刺カード「リットリンク∞カード」の無料作成ができるブースです。

NFC機能を搭載したデジタル名刺は、スマホにタッチして読み取るだけで、プロフィール交換ができる便利なアイテム。

筆者自身も「web3用」と「ポートフォリオ用」の2個持ちをするために、新しく作りました。

3階のNEXT CITYは、Non-CryptoエリアとCryptoエリアに分かれたブース出展や多くのセッション会場が用意されていました。

トークセッションは、多種多様なテーマをもとに各ビジネスカテゴリーのプロフェッショナルや有識者らが集い、なかには多くの聴講者があふれる時間帯もあり、非常に熱気を感じさせるものでした。

初日は各ブース周りと交流をメインに参加しましたが、顔見知りや久しぶりに再会する人が思いのほか多く、まるで学校の同窓会のよう。あちらこちらで名刺交換したり、「久しぶり!」と再会を懐かしんだりする人同士の交流が行われていました。

また、京都と言えば芸妓や舞妓を想像しますが、なんとIVSの会場にも現役の芸妓さんが!

写真は2日目のものですが、現役の芸妓として活動する秀眞衣さん(先斗町)とツーショットを撮ることができました。

京都での開催ならではの企画で、非常に思い出深いものでした。

サイドイベントも京都のあちこちで開催。熱気冷めやらない夜に!

そして、IVS開催中の夜はお待ちかねのサイドイベントにも色々と参加してきました。

まずは初日に行われた「Web3 Night IVS KYOTO Official Kickoff Party」の様子を紹介。京都随一のクラブ「WORLD KYOTO」を会場に、多くの人出で賑わう一夜に。

DJには大御所の大沢伸一氏が務め、ハウスミュージックを中心にした選曲で、オーディエンスを盛り上げていました。

お酒を嗜み、踊れる音楽を楽しみつつ、ネットワーキングもできる。

Web3とクラブカルチャーの相性の良さをあらためて感じるイベントでした。

2つ目はさまざまな会社やプロジェクト、コミュニティが開催するサイドイベントが集中し、はしご必須の状態に。

筆者がまず参加したのは、Azuki Japanが主催する「Azuki Japan」。

八坂神社近くにある、480年以上の歴史を紡ぐ結婚式場「KOTOWA 京都 中村楼」で行われたAzukiのイベントは、国内外を問わずにWeb3界隈の人が大集結。

スポンサーにはCyberConnectやPhaverといったWeb3ソーシャルの企業が名を連ね、会場奥にはAzukiホルダーが所有するNFTが一堂に会したパネルが置かれていました。

さらに、NFTアイドルユニット「CloneGirls」のメンバーも!

この日限りは“AzukiGirls”として会場を盛り上げていました。

次に向かったのはWeb3×ゲームプラットフォーム「AKIVERSE」主催のミートアップイベント。

メタバースコミュニティとして、昨年ごろから仕込みを重ね、いよいよプレイヤーPFPが近日公開されるタイミングだったこともあり、かなり手の込んだ雰囲気が伝わってきました。

日本酒の振る舞い、フリードリンク&フード、コスプレイヤーの出演、無料ガチャ大会、WL(ホワイトリスト)抽選会など、まさに至り尽くせりのコンテンツが満載でした。

まだまだIVSの夜は眠れません。

スタートアップ関係者が集うバーとして有名な「awabar kyoto」では、夜遅くにもかかわらずに多くの人でごった返していました。

今回、サイドイベントに参加したりIVSの会場を歩いていたりすると、本当に知人との遭遇が多く、普通のカンファレンスでは味わえない楽しさやワクワク感を得ることができました!

なぜweb3が面白いのか?有識者らによるトークセッション

セッションは、2日目に3階のNEXT STAGEで行われた「何故、web3が面白いのか? Web2.0とWeb3.0両方の経験者たちが語る」についてレポートしたいと思います。

Web3は「クリプト・ウインター」と言われるように転換期を迎えるなか、Web2とどのように交わり、移り変わっていくのか。

Web2とWeb3の両方を経験し、ビジネスの最前線にいるスピーカーが議論を深めました。

まず、北澤 直氏(元Coinbaseジャパン日本代表、現Eight Roads Ventures Japan ベンチャーパートナー)は「2023年は起業家にとってWeb3に参入するベストなタイミングだ」と見解を示しました。

「かつてFacebookの『Libra(リブラ)』が出てきたときは、『既存の金融市場がひっくり返るのでは』という風潮が生まれ、Web3に関心を持つエンジニアが当時のCoinbaseへ数多く入ってきたんです。先般ではFTXショックなどで、冷や水を浴びせられた感があるものの、以前よりもテクノロジーが発達し、ソフトウェア技術でWeb3サービスを作りやすくなった。暗号資産は世界における統一見解が出されていませんが、日本はグローバルに先駆けて法整備が進み、政府もWeb3推進に力を入れているわけなので、まさにWeb3へ参入するのは今だと感じています」

白石 陽介氏(MZ Web3 Fund)は、北澤氏の意見に呼応するように「エンジニアが入ってくるのは一つのファクターであり、かつWeb3はインフラを担うものなので、サービスを作りやすい」と述べました。

一方、弁護士の河合 健氏(アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業)は法律の観点から、次のように持論を展開しました。

「Web3は規制の観点が一定ある産業ですが、規制としっかり向き合ってビジネスをやっていくのか。あるいは規制に触れないように工夫しながらやっていくのかという2つの道が考えられると思います。どちらが良い悪いとかはありませんが、この辺りは頭の使いどころが肝になってくるわけで、いわば法律を理解してハックしていけるかが成功の鍵を握るでしょう」

佐藤信介氏(Slash Fintech Limited CEO)は「クリプトのプレーヤーが少ないがゆえに、Web2の中小企業レベルでも、今日のように登壇できているのがWeb3の特徴」だとし、「我々も、どのマーケットで勝負するかを選定するのに結構時間はかかったが、まだまだ規制があるからこそ、逆にWeb3へ参入するチャンスになりうる」と語りました。

また、佐藤氏は「Web2とWeb3の大きな違いはインターオペラビリティ(相互運用性)にある」と続けました。

「クリプトは最初からグローバルで、リージョンごとに切り替えをしなくていいのが特徴になっています。Web3で起業するためには、暗号資産やNFTの理解はもちろん必要ですが、まずはシンプルに見ていくのも大事だと思っていて。例えば、いろいろなトークン価値を見られる『CoinMarketCap』で、株価をチェックするように取引量の多いトークンを深堀りするなど、入りやすいところからWeb3に触れていくのが良いのではないでしょうか」

北澤氏は「世界の中でも日本は“Web3のホットスポット”になるのは間違えない」とし、トークセッションを締めくくりました。

「Web3の法律も整備され、政府も旗振りをしていて、さらには大手企業がWeb3スタートアップに手を差し伸べている状況は、まさに絶好の機会が到来しています。今年から来年中には世界に通用するスタートアップが出てくるのではと期待しています」

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