2023年に入ってから、ソフトバンク社やホンダ社などの大手企業がメタバース関連の動きを見せています。
その中でも話題となったのは、KDDI社が提供する「αU(アルファユー)」です。
メタバースに関心のある人にとって、αUが展開するサービスの内容は気になるところでしょう。
この記事では、αUが提供する5つのサービスや、関連イベントで公開されたコンテンツなどを紹介します。
この記事のザックリ要約!
✅αU=リアルとバーチャルの境界をなくすことを目的としたメタバース・Web3サービス
✅提供するサービスは、metaverse・wallet・market・live・placeの5つ
✅これらのサービスを体験できるイベント「αU spring week 2023」が開催された
3年で1000億円規模の投資が宣言されているαUに興味のある方は、ぜひ本記事を読んでみてください。
αUとは?
(αU)
αUは5つのサービスを展開するメタバース・Web3サービスで、2023年3月7日に始動しました。
サービスを提供するのは、スマートフォンの大手キャリア「au(エーユー)」で有名なKDDI社。
リアルとバーチャルの境界をなくし、現実におけるさまざまな体験を時間・場所を問わずに楽しめるサービスの提供を目指しています。
AndroidまたはiOSのスマートフォンにアプリをインストールすれば、誰でもメタバースの世界を体感できます。
「体験する場所」から「発信する場所」へ
KDDI社はαUをリリースするまでの過去3年間にもメタバース事業に取り組んでおり、今回のαUでは、「体験する場所」から「発信する場所」への発展を試みています。
過去の具体的な取り組みとしては、2020年5月にclusterアプリで公開された「バーチャル渋谷」が挙げられます。
(バーチャル渋谷)
バーチャル渋谷は渋谷区公認の配信プラットフォームで、移動できるエリアを徐々に拡張してきました。
イベント会場として1日貸し切りにすることも可能で、ハロウィーンフェスやサッカー観戦イベントなどが開催された実績も。
ちなみに、clusterではバーチャル原宿やバーチャル大阪も展開されています。
メタバース開発にカヤック社が協業
αUのメタバースは、カヤック社のメタバース専門部隊「カヤックアキバスタジオ」が開発しています。
開発の総合プロデューサーを担当しているのは、カヤックアキバスタジオの事業部長である天野清之 氏。
天野清之 氏はこれまでにも以下のようなVRコンテンツの開発に携わっています。
・からかい上手の高木さんVR
・ソードアート・オンライン Synthesis -The Period of Alicization Project-
・EX-“LIVE”CHRONICLE(ReoNaのVR内ライブ)
・L’Arc~en~Ciel 30th L’Anniversary VR Museum
経験豊富な総合プロデューサーが持つノウハウのもと開発されるので、αUのクオリティには期待がもてるでしょう。
(参考)面白法人カヤック|カヤック、KDDIのメタバース「αU metaverse」 の開発で協業
ポリゴンネットワークに対応
αU関連のサービスに利用されているブロックチェーンはポリゴン(Polygon)です。
大手マーケットプレイスのOpenSeaでも早い段階から対応しているブロックチェーンなので、利用したことのある方も多いでしょう。
ポリゴンはガス代の安さが特徴のブロックチェーンで、取引にかかる手数料は数円程度で済みます。
もしブロックチェーンに触れた経験がなくても、αUが提供するサービスを利用すれば手軽に始められるので安心してください。
利用できるサービス内容
KDDI社がαUで提供するWeb3サービスを5つ紹介します。
それぞれ個々のサービスとして提供されており、提供するプラットフォームが異なる部分もあるので注意しましょう。
なお、αUは今後も拡張されていく予定なので、増えていくサービスにも要注目です。
αU metaverse
スマートフォンのアプリをインストールすれば無料で楽しめるメタバースアプリです。
バーチャル渋谷やバーチャル大阪を歩き回ることができ、出会ったアバターとは音声チャットで会話できます。
トークイベントや音楽イベントなどが開催されることもあり、メタバースならではの距離感で有名人と会話する体験ができるチャンスも。
また、自分の部屋で家具の配置を変えて模様替えをしたり、アバターや家具の制作・販売をしたりする遊び方も可能です。
αU wallet
ポリゴンのブロックチェーンに対応した暗号資産ウォレットで、スマートフォンのアプリとして利用します。
αUのサービスでNFTを扱うのに必要なので、すでに別のウォレットを持っていてもダウンロードしましょう。
なお、αUに関連しないマーケットプレイスでも利用可能で、取引に必要な仮想通貨であるMATICの送受金もできます。
ポリゴンでのみNFTを扱うのであれば、普段から使うウォレットとして利用するのもよいかもしれません。
αU market
デジタルアート作品やデジタル会員証のようなNFTを購入できるマーケットプレイスです。
有名なファッションデザイナーやNFTアーティストによるアート作品がαU market限定で発売されます。
販売されているNFTの中にはリアル店舗と連携している作品もあり、FLIPPER'S 渋谷店などの対象店舗で割引してもらえます。
クレジットカード決済やauかんたん決済を利用して購入できるので、はじめてNFTを買う人も安心です。
αU live
(αU)
スマートフォンやWebブラウザを利用して、リアルなライブを再現したバーチャル空間を体験できるサービスです。
クラウド上で処理された映像を視聴できるため、スペックの高いPCがなくても高精細なライブ映像を楽しめます。
また、カメラを自由に動かしてライブを見られるので、アーティストから会場全体まで好きな角度・距離から視聴することが可能。
2023年夏頃に正式提供するとのことですが、3月末まで開催される有料展覧会「prompt αU」などで体験できます。
prompt αUはKAMITSUBAKI STUDIO(神椿スタジオ)のプロデュースのもと、渋谷ZERO GATEで公開されました。
αU place
(αU place)
ECサイトとリアル店舗を組み合わせたショッピングサービスで、いつでもどこでも実店舗のような買い物を体験できるサービスです。
現実の街を再現した街や店を散策でき、店舗スタッフとビデオ通話をしながらショッピングを楽しむこともできます。
実店舗で買い物する際は、スマートフォンをかざして商品情報をARによって表示する機能も。
店舗の外観および店内の写真を撮るだけでαU placeへ簡単に出店できるため、これから多くの店舗がバーチャル空間に参入すると考えられるでしょう。
2023年夏頃にサービスが提供される予定です。
先行体験イベントの紹介
αUのサービスを先行体験できるイベントとして、2023年3月8日〜12日の期間に「αU spring week 2023」が開催されました。
イベントはメタバース内だけでなく、現実のステージやブースでもコンテンツが楽しめる形で提供されています。
αUがどのような企画を実施したのか、実例としてイベントの内容を見ていきましょう。
なお、メタバース展示場などの一部コンテンツのなかには、3月12日以降も体験できるものもあります。
BE:FIRSTのオンラインパフォーマンス
(αU|Boom Boom Back PLAYGROUND remix)
7人組のダンス&ボーカルユニット、BE:FIRSTが渋谷を舞台にしたパフォーマンスイベント「Boom Boom Back PLAYGROUND remix」が公開されました。
コンテンツの内容には、BE:FIRSTがリリースした楽曲「Boom Boom Back」で使われたミュージックビデオの世界観が取り入れられています。
ライブパフォーマンスを好きな視点から楽しめたり、Boom Boom Back色に染まった渋谷を探索できたりと、イベントの内容は盛りだくさん。
事前抽選で販売されたチケットを購入できた人だけが、このイベントを体験できたようです。
メタバース内でのバーチャルライブ
(αU)
αU spring week 2023期間中、αU metaverse内で路上ライブやトークイベントが実施されています。
ライブをおこなったのは、下記のアーティストです。
・獅子神レオナ
・bala
・水曜日のカンパネラ
・レイザーラモンRG
・雪下まゆ
・とうあ
αU metaverseを利用すれば誰でも無料で参加でき、1対1でアーティストと会話できる「ミート&グリート」に参加できるチャンスがあったライブもありました。
また、αU metaverse内のショップでは、マイルームの家具やアバターの服として使用できる期間限定グッズが販売されています。
Hz-Shibuyaでのライブや展示
(αU)
メタバース上だけでなく、Hz-Shibuyaに期間限定で作られた「αU apartment」でもイベントが開催されました。
昼には「αU apartment ROOM」が開かれ、ルームごとにクリエイターの個性あふれる展示を体験できました。
(αU)
夜になるとライブイベント「αU apartment Garden Party」が開催され、下記のアーティストが舞台に立っています。
・とうあ
・吉田 凜音
・ロイ
・Miyu
・bala
どちらも入場料は無料でしたが、Garden Partyへの参加には昼から配布される整理券が必要でした。
描き下ろしNFTの展示・販売
(αU)
αUのコンセプト「もう、ひとつの世界。」をテーマにしたイラスト作品が、Hz-ShibuyaとTRUNK、2つの会場で展示されました。
展示されたのは、下記3名のイラストレーターが描き下ろした作品です。
・雪下まゆ
・ヨシフクホノカ
・バウエルジゼル愛華
展示されたすべての作品はNFTとして販売されており、au Design project発のNFTストア「αU dotadp」で購入できます。
αUのサービス使用例
ここでは、αUのサービスを使いおこなわれたイベントや実例を3つ紹介します。
αU metaverse 文化服装学院コラボ(2023年6月2日追記)
(αU metaverse|新スペースが登場)
2023年3月28日、αU metaverse内にSHIBUYA109の新スペースが登場しました。
この新スペースであるSHIBUYA109内に入ると、宇宙のように見えるプラネタリウム空間が広がっています。
利用者はウィンドウショッピングやアイテム購入などの体験ができるようになりました。
新設を記念し、リアルのSHIBUYA109渋谷店で開催している文化服装学院アップサイクルファッション作品展示をαU metaverse内でも開催。
展示された作品はαU metaverseのSHIBUYA109内で、アバターの着せ替えに利用可能なアバターアイテムとして、3月28日から販売されました。
αU metaverse ライバーランキング決定戦(2023年6月2日追記)
ライバーランキング決定戦は、ユーザーがライバーにギフトをおくり、期間中にライバーが獲得したポイントの総数でランキングを決定するイベントです。
イベントはαU metaverse内、渋谷・大阪の街中の会場で実施。
開催期間 | 参加ライバー人数 | |
vol.1 | 2023年4月14日~2023年4月27日 | 20名 |
vol.2 | 2023年5月12日~2023年5月18日 | 20名 |
vol.3 | 2023年5月31日〜2023年6月6日 | 70名 |
執筆時点で開催中のvol.3は参加ライバー人数が3倍以上となっています。
ライブに参加したり、ギフトをライバーにおくってライバーとの特別な会話ができたりと推しのライバーを応援しながら楽しむことができます。
(αU metaverse|INFORMATION)
αU market SHIBUYA SOUND RIVERSE 2023とコラボ(2023年6月2日追記)
(αU market|NEWS)
αU marketは、2023年6月3日に開催されるSHIBUYA SOUND RIVERSE 2023とコラボレーションすることが発表されました。
αU marketでは、Tシャツやトートバッグなどのグッズ付き限定NFTを販売。
また、イベント当日はすべての来場者に、来場記念のオリジナルNFTを無料配布するという。
グッズ購入者はイベント当日にオリジナルグッズと交換できるだけでなく、イベント終了後にはさらに特別なNFTも配布される予定です。
SHIBUYA SOUND RIVERSE 2023概要
日時:2023年6月3日(土) OPEN/START 13:00~
会場:渋谷STREAM HALL/SPACE ODD/CIRCUS TOKYO/IKEBE SHIBUYA /Creator Collaboration Space/FS.
HP:https://soundriverse.com/
まとめ:αUサービスを体験してみよう
αUのサービスはすでに提供されており、スマートフォンのアプリストアでαU metaverseとαU walletを入手できます。
夏にはαU liveとαU placeのサービス開始が予定されており、今後もαUのサービス拡張が期待できるでしょう。
まずはαU walletを無料で入手し、web3の世界に触れる第一歩を進めてみてください。