メタバースのブームにともない、自分のメタバースを無料で構築できるサービスが増えてきました。
しかし、独自のメタバースを実装するには専門的な知識や時間が必要なため、自社で開発するのが難しい企業も多いでしょう。
それでもメタバースを開発したいのであれば、開発を一任できるサービスの利用を検討してみましょう。
この記事では、企業独自のメタバースを開発できる法人向けサービスを7つ紹介します。
✅4つのイベント向きのサービスと、3つのビジネス向きのサービスを紹介
✅イベント向きのサービスでは、1対多のイベントを開催しやすい
✅ビジネス向きのサービスでは、会議や商談で利用しやすい機能が使える
メタバース構築を依頼するサービスに迷っているのであれば、本記事が参考になるでしょう。
イベント向きのメタバース構築サービス
メタバースを利用したビジネスモデルとして、コンサートやライブといったエンターテイメント性のあるイベントが考えられます。
高いクオリティのイベントを実施するには、演者のアバターがパフォーマンスできるメタバースが必要です。
また、観客となる多数のアバターが収容できなければ、イベントが盛り上がっている様子が伝わりません。
上記の要件を満たし、イベントで活用しやすいメタバース構築サービスを4つ紹介します。
cluster
総ダウンロード数が100万を超えているメタバースサービスのcluster(クラスター)は、法人向けにメタバース開発を請け負っています。
オリジナル会場やアバターなどの制作から、企画制作・モーション収録・スタジオ運営にいたるまで、企業の要望に応じて提供。
収益化方法として有料チケットや物販も用意されているので、メタバースに関する大部分をclusterに一任できるでしょう。
また、作成済みの会場や演出などをまとめた「clusterスターターパッケージ」を購入すれば、開発期間を待たずに即日イベントを実施することも可能です。
(PR TIMES|バーチャルイベントが即日可能になる「clusterスターターパッケージ」の販売を開始 バーチャルプラットフォーム運営のクラスター株式会社が提供)
なお、作成されたメタバースは、clusterサービス内のワールドとして公開されます。
clusterでは個人や企業によってさまざまなワールドが公開されているので、自社で構築するメタバースの参考にするとよいでしょう。
(cluster)
REALITY XR cloud
顔出ししないでライブ配信ができるスマートフォンアプリ「REALITY」に関連した3Dクラウドサービスです。
REALITY内のワールド機能で参加できるメタバース「REALITY Worlds」に対して、メタバースを公開したり、イベントを実施したりすることができます。
REALITYの累計ダウンロード数は1000万以上なので、REALITY Worldsへのアクセス数も期待できるでしょう。
過去の実績としては、ハローキティで有名なサンリオ社が開催したワールドでは、19日間のイベント期間中に120万人の集客に成功しました。
(REALITY XR cloud|REALITY XR cloud、サンリオバーチャルフェスのスマホ会場として120万人突破)
なお、REALITY XR cloudでは、NFTマーケットプレイスやXRコンテンツを開発するサービスも提供しています。
メタバースに関連してNFTの販売をするのであれば、まとめて依頼するのもいいかもしれません。
HIKKY
(HIKKY)
メタバース参入コンサルティングなどのサービスを提供しているHIKKY社は、XRソリューション事業としてメタバースの企画・開発をおこなっています。
同社は、2021年にブース最多数のギネス世界記録に認定されたVRイベント「バーチャルマーケット」を主催した企業として有名です。
トヨタ社のバーチャルボードショーや、東宝社のゴジラVRアトラクションなどの開発事例から、クオリティが高いメタバースの開発が期待できるでしょう。
また、XRソリューションとは別にHIKKY社が提供している、VRエンジン「Vket Cloud」を利用したメタバースの構築も可能です。
Vket Cloudで作られたメタバースは、家庭用ゲーム機のPlayStation4と同等の100万ポリゴンを超える高品質なグラフィックを実現できます。
独自ドメインでURLを公開したり、自社IDを導入したりすることもできるので、構築したいメタバースの内容によってはVket Cloudも検討するとよいでしょう。
Konpi
(konpi)
Utsubo社が提供している、法人向けの3Dバーチャルプラットフォームです。
1クリックでメタバースに接続できることをウリにしており、リンクをクリックするだけでメタバースに接続できます。
複数の月額プランが存在し、エンタープライズプランであれば最大2000人の同時接続が可能となります。
基本は既存のメタバースステージを利用する形になりますが、オーダーメイドでワールドやアバターを作成することも可能です。
ビジネス向きのメタバース構築サービス
ここまでで紹介したメタバース構築サービスでも、ビジネス目的のメタバースを作るのはじゅうぶん可能です。
しかし、メタバース内でおこなうビジネスの内容によっては、以下で紹介するサービスのほうが適しているかもしれません。
リアルな商品を取り扱っているのであれば「MiraVerse Core」を、VR上にショップやオフィスを作るのであれば「V-air」を、それぞれチェックしてみてください。
「CYZY SPACE」では具体的な金額の目安が書かれているので、メタバースの導入費用の参考にするとよいでしょう。
MiraVerse Core
凸版印刷社が提供している、3Dシミュレーションに利用できるプラットフォームです。
設計図や3D計測・色彩計測などを用いて、現実空間を正確に落とし込んだメタバースを作成できます。
データの組み合わせを変更してシミュレートできるため、実物を動かすのが難しい住宅家具や自動車のショールームで、パターンの違う商品を見せるのに適しています。
もちろんショールーム以外の用途でも利用できるので、製造物のデザインを共有・確認したり、観光地や美術品を再現したりもできます。
V-air
早稲田大学アントレプレナーシップセンターにオフィスを構えているUrth社が提供する、ビジネスに特化したメタバース構築サービスです。
複数のデータを同時に共有したり、ホワイトボードを使って説明したりと、実際の会議・商談のような感覚でメタバースを活用できるのが特徴。
(引用:YouTube|オブジェクトの追加説明)
ショップやイベント会場として利用する場合は、集客や効果を分析できる管理画面も利用できます。
週1回〜月1回の打ち合わせにより、販促の効果を高める施策を相談することも可能です。
CYZY SPACE
2006年からメタバースやAIチャットボットの開発に取り組んでいる、メタバーズ社が提供するメタバースサービスです。
最短5分で作成できるVRルームをはじめとした、さまざまなプランが用意されているため、あらゆるニーズに対応してくれるでしょう。
ページ送り可能なPDFパネルやAIコンシェルジュ、名刺交換QRの表示など、ビジネスシーンで利用しやすい機能も特徴の1つです。
基本プランには1ヶ月間の無料トライアルがあるので、実際の使用感を試したうえで導入を検討できます。
なお、1ルームごとの同時接続人数は25人ですが、複数のルームを接続して同じコンテンツを提供できるため、ルームの数だけ接続人数を増やすことが可能です。
まとめ:提供内容に応じたサービスを選ぼう
今回の記事では、メタバースを利用したビジネスを支援してくれる7つのサービスを紹介しました。
・cluster
・REALITY XR cloud
・HIKKY(Vket Cloud)
・Konpi
・MiraVerse Core
・V-air
・CYZY SPACE
いずれの企業でも要望に応じたメタバースを作成してもらえますが、得意なジャンルや金額はそれぞれ異なります。
公開されているサンプルをチェックしたり、無料で配布されている資料をチェックしたりしながら、自社のイメージに当てはまるサービスを探してみてください。