NFTの世界に触れていると、人の顔を表現したドット絵を一度は見たことがあると思います。
それらのドット絵はCryptoPunksと呼ばれており、高価で取引される人気の高いNFTアートです。
なぜCryptoPunksにそれほどの人気があるのでしょうか?
この記事では、CryptoPunksを提供しているCryptoPunks(クリプトパンクス)の詳細や、CryptoPunksの買い方を解説しています。
本記事を読めば、なんとなくわからないまま放置しているCryptoPunksへの疑問を解消できるでしょう。
クリプトパンクス風のNFTアートを作りたい人向け記事はこちら
CryptoPunksとは?
CryptoPunksは2017年にLarva Labs社が発足したプロジェクトで、NFTアートの先駆けとなりました。
CryptoPunksが提供しているのは、CryptoPunkあるいはパンク(Punk)とも呼ばれるドット絵。
公開当時は無料で配布されたいたものの、NFTマーケットが発展するにつれて価値が上がり、今では高値で売買されています。
そんなCryptoPunksのパンクについて詳細を見ていきましょう。
1万点限定のパンク
CryptoPunksで提供されているNFTアートは、人の顔をあらわした1万点のパンク(=ドット絵)です。
1万点の作品すべてが特徴の異なる顔になっており、今後追加されることはありません。
CryptoPunksを模したドット絵は数多く作られていますが、そうした画像はCryptoPunksが提供しているものとは異なる別作品です。
つまり、CryptoPunksは後にも先にも1万点のみ存在すると決められており、その希少性を担保しているといえるでしょう。
唯一性が担保されている
CryptoPunksはNFTによって1つ1つのパンクに唯一性を与えられています。
いくら画像をコピーされたとしても、CryptoPunksが発行したNFTが付与されている画像はその1点のみ。
NFTの情報を見れば作者が一目瞭然なので、NFTが鑑定書の役割を担っているといえるでしょう。
簡単に作成できそうな24×24のピクセルアートに高い価値がある理由は、その唯一性にあるのです。
価格は安くても数千万円!
2021年11月にCryptoPunksの公式ページに書かれている”Current Lowest Price Punk Available”で確認できたデータによると、一番安いパンクの販売価格は84ETHでした。
84ETHを米ドルに換算すると約39.6万ドル、日本円なら約4470万円になります。
NFTに馴染みのない人には信じられない話かもしれませんが、758万ドル(=約8.6億円)で取引されたパンクも存在します。
今もなお活発に取引されているため、CryptoPunksの価値はどんどん更新されていくでしょう。
希少なコレクションという立ち位置
高価格で取引されているパンクですが、基本的に実用性はなく、希少なコレクションとして扱われることが多いようです。
そのため、SNSのアイコンとして利用されていたり、売る前提の投資目的で購入されたりしています。
NFTが付いている以外は普通のドット絵なので、パンクの絵自体は簡単に手に入れられるもの。
それでも高い価値が付いてしまうほどに、CryptoPunksが発行したNFTに価値があるといえるでしょう。
じつはNFTではない?
CryptoPunksはERC20をもとにした規格で作られているため、厳密に言うとNFTアートではありません。
NFTは非代替性トークンのことを指し、ERC-721という規格になります。
いっぽうCryptoPunksで使われているERC20はFT(代替性トークン)として利用されている規格なので、NFTとは異なるのです。
とはいえ、CryptoPunksはNFTアートとしての認知が広まっている点や、Wrapped PUNKSを利用してラップ処理をすればNFT規格になる点を踏まえると、NFTアートとして扱っても差し支えないといえるでしょう。
なぜ注目されるのか
CryptoPunksがたびたび話題になり注目される理由は、次の3つが考えられます。
- 最初期に作られたNFTアートだから
- 大手決済企業のVisaが購入したから
- Meebitsの提供が始まり、将来性が期待できるから
今では誰でもNFTアートを作ることが可能になり、仮想通貨とウォレットさえあれば今日からでも販売可能です。
そんな中でも注目され続けるCryptoPunksについて探ってみましょう。
最初期のNFTアート
CryptoPunksは最初期に作られたNFTアートと言われています。
どんなジャンルにおいても最も古い作品には高い価値が付けられ、話題になりやすいものです。
近年のNFTではERC-721という規格になっているものが多いですが、CryptoPunksはERC-721が使われるようになる前から利用されていたERC20に近い規格のトークン。
こうした古い規格になっているのも、NFTが普及しはじめる前の2017年に誕生したことが起因しています。
Visa社が購入している
2021年8月23日、Visa社がCryptoPunk 7610を49.5ETH(=約1820万円)で購入したと明らかにし、世間に大きな衝撃を与えました。
Visa社といえば、大手の決済ブランドとして有名です。
近年では仮想通貨に関連した会社との提携を進めており、普通の買い物でも仮想通貨を利用できる体制を作りつつあります。
そんなVisa社が購入したことでCryptoPunksは注目され、一気に需要が高まったのです。
新たに展開しているMeebitsから知る人も?
2021年11月9日からLarva Labs社が提供を開始している新プロジェクト、Meebits(ミービッツ)からCryptoPunksに興味を持つ人が出てくると予想されます。
Meebitsは3Dのキャラクターデータで、NFTゲームなどのメタバース(仮想空間)で動かすアバターとして利用できるのが特徴。
保有しているオーナーに提供されるT-pose OBJファイルを使えば、3Dモデルを自由にアニメーションさせることも可能です。
MeebitsのようなNFTコンテンツが主流となって知名度が高まれば、その関連商品となるCryptoPunksの注目度も同様に高まっていくでしょう。
CryptoPunksの買い方
購入するにはMetaMaskが必要
CryptoPunksを購入するには、仮想通貨を扱えるウォレットであるMetaMaskが必要です。
MetaMaskは買い物に使う財布のようなもので、仮想通貨をMetaMaskに入れておかないとパンクの取引ができません。
あらかじめ仮想通貨取引所でイーサリアム(ETH)を購入し、MetaMaskに送っておきましょう。
なお、ウォレットは購入したNFTの保有場所にもなるので、CryptoPunks購入後も管理を怠らないよう注意してください。
2つの購入方法
CryptoPunksの購入方法には、Buy(買う)とBid(入札)」の2つがあります。
Buyは値段を決めて売りに出されているパンクに対してできる方法で、指定された金額を払えば即座に取引が完了します。
Bidはパンクの所有者へ金額を提示する方法で、所有者が了承すれば売買成立です。
Bidは売りに出されていないパンクに対しても行えるため、ほしいものが見つかったら入札してみるといいでしょう。
背景色で販売状態を確認できる
CryptoPunksの売りに出ているか、入札されているかといった状態は、ドット絵の背景色を見れば判別できます。
(出典:CryptoPunks公式ページ)
- 赤・・・販売中
- 青・・・売られていない(入札は可能)
- 紫・・・誰かに入札されている
- 緑・・・ラップされている(詳細は後述)
入札されれば販売中かそうでないかにかかわらず紫になるため、紫のなかには買うことができるパンクも存在します。
即金で買いたいときは赤と紫、入札して様子を伺いたいときは青と紫を中心に閲覧していくとよいでしょう。
タイプと属性から希少性をチェックしよう
CryptoPunksはタイプ(Types)と属性(Attributes)で特徴づけられており、それらの希少性によって価値が大きく変動します。
男、女、ゾンビ、類人猿、エイリアンの5つに分類しているのがタイプで、一番珍しいのは9個しか存在しないエイリアンタイプです。
属性は髪型やアクセサリーなどの個性となる要素で、どんな属性をいくつ持っているかによって珍しさが決まります。
それぞれのパンクの詳細ページやタイプ・属性ページに書かれている、それぞれのタイプが存在する数を確認すれば価値の高さを判断できるので、購入するときには参考にしてみてください。
OpenSeaでも購入可能
ドット絵が緑背景になっているパンクは、OpenSeaで取引できます。
緑背景のパンクは、OpenSeaで取引できるようERC-721規格でラップされている状態です。
MetaMaskがあればOpenSeaも利用できるので、必要であればOpenSeaも利用してCryptoPunkを買い求めましょう。
ただし、CryptoPunksに似た別の作品も売られているため、間違えて購入しないよう注意が必要です。
また、緑のパンクを公式ページで買ったり、緑以外のパンクをOpenSeaで取引したりすることはできないので、取引できる場所を正しく把握し、スムーズに購入できるようにしておくとよいでしょう。
まとめ:CryptoPunksは投資する価値のあるNFTアート
NFTアート最初期に配布され、これからも価値の上昇が見込めるCryptoPunksのドット絵は、投資する価値のあるNFTアートといえるでしょう。
仮想通貨のETHをMetaMaskに入れておけば、CryptoPunksを購入することが可能です。
値段が上がってから売る場合も、手元に置いてコレクションする場合も、早い段階で購入しておけば得られる恩恵が大きくなるかもしれません。
もし本記事を読んでCryptoPunksに魅力を感じたら、買い方の解説を参考に購入を検討してみてはいかがでしょうか?