「気になるNFTがあるけれど、偽物のNFTを間違って購入してしまわないか不安・・・」
「NFT作品を販売しているけれど、自分の作品の偽物が出回らないようにしたい」
本記事は上記のような不安や思いを抱いている人向けの記事です。
この記事は以下のことがわかります。
- NFT作品の本物と偽物の違いは何か
- 区別するための方法
- 騙されない方法
- 偽物が作られずに済む方法
これからNFTを購入しようとしている人だけではなく、NFTの作品を販売しているクリエイターさんもぜひ読んでみてくださいね。
見た目は本物と全く同じ
NFTの詐欺に騙されやすい理由として、本物と偽物のNFT作品の見た目がまったく同じに感じられることが挙げられます。
それもそのはず、画像のデジタルデータは本質的に同じものです。
デジタルデータゆえに、本物の画像は正確にコピーできてしまいます。
不正を行う詐欺師は、本物のNFTの画像をダウンロードして、さも自分のコレクションのように、偽物をNFTとして販売します。
本章では、本物と偽物のNFTの本質的な違いはどこにあるか、どういう理由で詐欺が可能となってしまうかを解説します。
本物と偽物の違い
「NFTって世界で唯一のものだからコピーできないんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、NFTをNFTたらしめているものは、画像そのものではありません。
実は付与されたトークンIDがNFTを成り立たせています。
デジタル画像をNFT化することで、固有のトークンIDが発行されます。
その固有IDに含まれるものは以下です。
- 所有者は誰か
- 作成者は誰か
- これまでの取引履歴など
この情報が、NFTが世界に1つしかない本物であるという証明を可能にします。
よって、本物と偽物の違いを決定づけるのはそのトークン情報です。
詐欺や不正はNFTの作成段階で起きる
NFTのトークン情報が一旦ブロックチェーン上に乗せられると、分散処理によって監視されることになります。結果として、不正にデータを書き換えたり、所有者を変えたり、他の作品に置き換えたりすることはできません。
しかし、問題はNFTがブロックチェーン上に記録される前の段階、つまりNFT作成の段階です。
NFTは誰にでも作成できるので、この作成のタイミングで不正や詐欺が起きてしまうのです。
NFTはブロックチェーン上に乗せられると、行う処理すべてがさまざまな人の目にさらされます。しかし、その前の段階では、不正が行われやすい傾向にあることを理解しておきましょう。
本物のNFTアートか見分ける方法
本物のNFTアートかどうかを確かめるには、具体的にどうすればよいのでしょうか。
第一前提ですが、見知らぬ相手から個別メッセージでNFTを買うよう促す行為はほぼすべて詐欺だと思って良いでしょう。
メッセージの中で「ウォレットをこのURLへ接続してください」という内容はすべて詐欺です。
ただ、上記のような典型的な詐欺以外に、OpenSeaで巧妙に本物のコレクション、クリエイターを模倣する詐欺も存在します。
以下では、購入者向け、クリエイター向け別に、詐欺に騙されないための対策を紹介します。
購入者ができること
NFTを購入するとき、誤って偽物を購入しないようにするために気を付けることは以下の3点です。
OpenSeaの公式認証があるかをチェックする
紐づけられているSNSで本人かどうかをチェックする
オーナー数、トレードボリュームが極端に少ないのは注意
OpenSeaの公式認証があるかをチェックする
OpenSeaの公式認証とは、アカウント名の右横にある青いチェックマークのことです。
OpenSeaの公式認証があると、そのアカウントが以下の最低条件を満たしていることがわかります。
- 過去3カ月以内に1つ以上のNFTを売買している
- メールアドレスが設定されている
- プロフィール画像とバナーが設定されている
- 過去にOpenSeaの規約違反をしていない、利用制限もされていない
また、アカウントが認証を得る場合、以下の3つのカテゴリに属している必要があります。
- 芸術、娯楽、技術、音楽、スポーツ、ゲーム、ニュース、政治、活動などで著名な人物や企業が作成した、または深く関与しているアカウント。
- 芸術的、技術的、社会的な革新や功績が並外れて注目されているアカウント。
- すでにSNSなどで承認されているアカウント
出典:OpenSea
以上からわかるように、公式認証マークがあることは信頼の証明ともなります。
しかし、公式認証がない=信頼できない、というわけでもありません。特にOpenSeaで
コレクションやアイテムを発表したばかりの人などは、信頼のある人でも公式認証はついていない場合もあり得ます。
紐づけられているSNSで本人かどうかをチェックする
公式認証はないけれど、信頼できるかどうかをチェックしたい場合について説明します。
OpenSeaのアカウント画面では、以下の画像のように右のほうにSNSのリンクが表示されています。
SNSをクリックしてみて、そのSNSに認証マークがついていればより安心できます。
認証がついていない場合は、プロフィール、フォロワー数、日ごろの発言などをチェックしましょう。
必要に応じてDMで購入しようとしているNFTについて問い合わせしてみるのも手段です。
オーナー数、トレードボリュームが極端に少ないのは注意
偽のコレクションの特徴として、以下も挙げられます。
・オーナー数が少ない
・トレードボリュームが少ない
以下は偽コレクションの画像です。オーナーが1、トレードボリュームが0で極端に少ないことがわかると思います。
その他、SNSや公式サイトのリンクもついていませんでした。
オーナー数、トレードボリュームが極端に少ないものは注意しましょう。
クリエイター側ができること
自分の作品の偽物を販売されないように、クリエイター側ができることは以下です。
コレクションにSNSや公式Webサイトを紐づける
日ごろから情報発信を心がける
コントラクトアドレスを公表する
自身の作ったNFTの偽物を誤って買い手が購入してしまわないために1番有効な方法はなんでしょうか。
それはクリエイター本人が公式サイトやSNSで作品のコントラクトアドレスやウォレットアドレスを公表することです。
このアドレス以外はすべて偽物であるという宣言を行うことで、ユーザーは本物と偽物を区別できるようになります。
コレクションにSNSや公式Webサイトを紐づける
コレクションには設定でさまざまな情報を紐づけることができます。
たとえばOpenSeaではコレクションに以下のような設定箇所があり、SNSなどのアカウントを紐づけが可能です。
コレクション画面の右上に「EDIT」(編集ボタン)があります。
クリックすると以下を設定できる画面に移動します。
Twitterだけだと、偽アカウントを作られる場合もあるので、できれば以下のような複数のSNSを紐づけておきましょう。
・Discord
・Telegram
・公式サイト等
日ごろから情報発信を心がける
基本的に、自身のツイートやプロフィールのリンクを辿って購入するようアナウンスしておくことも重要です。
また、Twitterなどで、何月何日の汝にNFTを出品するかなどの予定など情報発信しておくと、偽物アカウントが作られた場合に差別化できます。
情報発信が活発なアカウントはフォロワーも増えます。買い手は詐欺のTwitterアカウントと本物のアカウントを区別しやすくなります。
クリエイター自ら、詐欺に注意するようアナウンスすることも重要です。
たとえば、「このOpenSeaのURL以外は詐欺です」と固定ページに掲載するだけでも、買い手に注意を促すことができます。
セキュリティ対策を徹底する
Twitterなどがのっとられないよう、パスワードなどを始めとするセキュリティ対策を徹底することも大事です。
SNSを乗っ取られてしまうと、正しい情報がすべて嘘の情報(詐欺のOpenSeaURLなど)に書き換えられてしまいます。
以下を徹底するようにしましょう。
・決して、他のサービスと同じパスワードを使い回ししない
・OpenSea、Foundationなど、それぞれのサービスでパスワードを別に設定する
・パスワード生成ツールなどを使い、複雑な文字列のパスワードを設定する
日ごろから、偽物を探しておく
本物か偽物かの区別が一番わかるのはクリエイター本人です。
詐欺はコレクションの名称やURLを巧妙に1文字違いなどにして、買い手を騙そうとしています。
まずはOpenSeaで、自分のコレクションを検索にかけて、似たような偽物のコレクションがないかをチェックするようにしてください。
偽物を通報する方法
では、OpenSeaなどで詐欺を見つけた場合はどうすればよいでしょう。
その場合は詐欺コレクションの右上に以下の画像ような点が縦に3つ並んだマークがあるので、クリックしてください。
「Report」という選択肢が表示されたら、クリックします。
すると、下記のような選択肢が表示されます。
一番上に「偽のコレクションもしくはスキャム」と記載されたものをクリックし、Report(通報)をクリックしましょう。(Original Collectionは空欄でもかまいません)
まとめ
本記事では、偽物と本物のコレクションを見分ける方法を解説しました。
気を付けなければならないのは、見た目は偽物と本物の区別がつきにくい点です。
判断する目安としては、クリエイターのプロフィール名に公式マークがついているか、もしくはリンクされているTwitterに公式マークがついているかが重要となります。
その他、OpenSeaのオーナー数、トレードボリュームが極端に少なくないかも忘れずにチェックしてください。
クリエイター側は、日ごろからのコントラクト/ウォレットアドレスを含めた情報発信が自身やファンを守る上でも重要です。また、SNSの乗っ取りにあわないためにも、セキュリティ対策を万全にしましょう。