近年、よく目や耳にするようになったNFT。さまざまな業界で採用されるようになってきて、身近なものとなってきつつあります。
そんなNFTですが、今まで関わりが薄かった業界や企業などとのコラボでさらに存在感を増してきました。
今回は、そんなNFTのコラボ活用事例をお伝えします。NFTの取引をしたい方やお仕事でNFTを導入してみたい方は、必見の記事となっています。
本記事を読むと、NFTをもっと身近に感じて、関わっていきたくなりますよ!
・自治体のコラボNFTの紹介3選
・ファッション業界のコラボNFTの紹介3選
・その他業界のコラボNFTの紹介5選
NFTとは?
NFTは、「Non-Fungible Token」の略で訳すと「非代替性トークン」といいます。ブロックチェーンを基盤にして作られた代替不可能なデジタルデータのことです。
見た目が同じものであっても、デジタルデータで管理されていて、それぞれが唯一無二のものです。例えば、一万円札は1枚1枚全く同じに見えますが、すべてに番号が振られていて、それぞれが唯一無二ですよね。
NFTはさまざまな分野で活用されており、特にアートの世界では、作品の唯一無二性が生まれることで取引の活性化につながっています。
自治体のNFTコラボ事例
まずは日本の自治体のNFTコラボ事例を見ていきましょう。
今回紹介する自治体コラボは、以下の3選です。
- 北海道余市町×あるやうむ
- 鳥取県×NFTゲーム「ご当地アトムNFT」
- 山梨県×NEO TOKYO PUNKS
北海道余市町とあるやうむとのコラボ
北海道余市町が、ふるさと納税でNFTを発行したことが全国から注目を集めています。
北海道余市町は、2022年5月7日、「NFTにおけるふるさと創生」を推進する株式会社あるやうむとNFTクリエイターのPoki氏がコラボし、ふるさと納税の返礼品としてNFTを発行しました。
Poki氏が余市町の特産品であるワインをモチーフとした描きおろしのイラストを1枚12万円の寄付額で54種類提供しましたが、応募開始2時間で100名ほどの予約が入りました。
NFT保有者には、余市町が手がける希少ワインの優先購入権の抽選に参加する権利が与えられる特典もあります。
その後、余市町は、前回コラボした株式会社あるやうむと、日本国内最大級のNFTプロジェクト「Crypto Ninja Partners(以降CNP)」とのコラボで2022年10月21日に「余市町ふるさとCNP2022」の募集を開始しました。
NFTのデザインは、CNPの人気キャラクターうさぎの「ルナ」を採用して余市町の名所や特産品であるワインをモチーフとしたものとなっており、異なる組み合わせのものが合計222種類提供されました。
決済は、通常NFTの取引で利用されるイーサリアムなどの暗号資産ではなく円で行われました。寄付金額は1種類3万円で、2,000円を超えた部分が税額控除の対象です。
NFTを保有していると、余市町へ訪れた際にNFTのレベルが上がる仕組みになってします。そして特典として余市町の人気ワイナリーが手がけるワインの優先購入権の抽選権利や、NinjaDAOのCNP保有者だけが参加できるdiscordチャンネルを1ヶ月体験する権利が与えられました。
鳥取県とNFTゲーム「ご当地アトムNFT」のコラボ
鳥取県は、旅行大手のJTBなどが出資するJ&J事業創造と、鉄腕アトムを手がける手塚プロダクション、そして、NFT分野で事業を行う「NOBORDERS」の3社とコラボしました。鉄腕アトムをキャラクターに採用し、鳥取砂丘や大山などの鳥取県の景色をモチーフとしたNFTトレーディングカードを発行しました。
鳥取県は、県が宇宙産業の推進に積極的であるとともに、「星取県」というブランディングを進めていることが「鉄腕アトム」の世界観とマッチしていることが、コラボの対象となったようです。
そして、トレーディングカードのデザインは、35種類あり、2,000枚分募集したところ、10倍以上の2万4,700人から応募があり大盛況を博しました。
このカードを保有すると「XANA(ザナ)」というメタバース内でカードゲームをおこなうことができ、その収益が鳥取県やチャリティーに寄付される形となっています。
山梨県とNEO TOKYO PUNKSとのコラボ
山梨県は、NFTプロジェクト「NEO TOKYO PUNKS(以降NTP)」とコラボしました。山梨県をテーマとした漫画を作成し、山梨県の情報を発信するほか、同作品関連のNFT保有者がストーリー制作にかかわることが出来るという画期的な企画を2023年3月におこないました。
このユーザー参加型の企画では、Twitterに掲載された漫画のセリフを募集して、採用された投稿者にはNTPのファウンダー兼クリエーターのNIKO24氏が描くオリジナルNFTが贈られました。
今回、山梨県とコラボする「NEO TOKYO PUNKS」は、2050年の東京をテーマとしたサイバーパンクな世界観が特徴。その世界観と山梨県が推進する技術開発の1つである「水素開発」がマッチしており今回の企画制作に至りました。
ファッション業界のNFTコラボ事例
ここからは、ファッション業界のNFTコラボ事例について紹介していきます。
- GUCCI
- COACH
- NIKE
GUCCI
GUCCIは、さまざまなコラボNFTを手がけています。
「KodaPendant」はコラボNFTの1つです。BAYCなどを手がけるYuga LabsとのコラボNFTで、購入するとNFTアバターが移動する際、特殊な効果が付いたり、フィジカルのペンダント付与といった特典があります。
「Gucci Garden of Roblox」は、月間アクティブユーザーが約1億円を超えるゲーミングプラットフォーム「Roblox」とのコラボです。Gucciの帽子やシューズ、バッグなどの仮想アイテムが販売され、高額で取引されることもあります。
そして「SUPER GUCCI」は、デジタルのコレクションアイテムを手がける「SUPERPLASTIC」とのコラボNFTです。第一弾コラボの際は、手作りのイタリア製セラミックフィギュアが作品に付属していたため注目を集めました。
COACH
COACHもコラボNFTが発行されています。
「MetaSamurai」とのコラボがあげられます。「MetaSamurai」は、東京とロサンゼルスを拠点にweb3を事業展開するクリエイティブ集団「1BLOCK」が運営するNFTコレクションです。
今回のコラボでは、スペシャルエディションとして日本限定で10体のみのNFTを提供することも話題となりました。
NIKE
スポーツブランドNIKEもコラボNFT発行が実現しています。
NIKEが親会社であり、メタバース上のスニーカーNFTなどを手がける「RTFKT」とのコラボシューズが登場しています。「RTFKT-MNLTH」を購入した人限定で入手可能です。
このコラボNFTは、ナイキの「DUNK」がモデルのデジタルシューズとその付属アイテムが格納されていたことから円換算で約450万円の値が付きました。
そのほか、ナイキのWeb3プラットフォームである「.SMOOSH」が大人気ゲーム「フォートナイト」とコラボ。プレーヤーに報酬としてデジタルスニーカーを付与するサービス「Airphoria」をスタートしました。
Airphoriaを10分以上プレイした全てのプレイヤーにデジタルスニーカーがプレゼントされるという企画です。
その他業界のNFTコラボ事例
ここからは、さまざまな業界のNFTコラボ事例を見ていきましょう!
- 手越祐也×XANA
- 村上隆×ウブロ
- Dapper labs×NBA&NFL
- 松竹×double jump. tokyo×スクエアエニックス
- SKE48×麺屋ドラゴンラーメン
手越祐也氏とXANAのコラボ
ジャニーズの人気グループ「NEWS」の元メンバー手越祐也氏が国内最大手で世界が注目するメタバースプラットフォーム「XANA」がコラボしています。
「XANA」は、「NOBORDERS」が運営するWeb3型メタバースプラットフォームです。2022年10月には、メタバース上に存在する土地をNFTとして日本円換算で約6億円販売したことで注目を集め、鉄腕アトムやULTRAMANのNFTゲームなども手がけています。
手越祐也氏は、XANA上の土地を所有して、メタバース上でライブ活動等をおこない、活動に連動するNFTをリリースしています。
村上隆氏とウブロのコラボ
2023年2月、村上隆氏とウブロは4度目となるコラボを発表しました。
今回のコラボレーションは、2021年にNFTではなく現物の時計でおこなわれた「クラシック・フュージョン・ムラカミタカシ・オールブラック」という企画からインスパイアされて継続しています。
このコラボでのNFTデジタルアート作品は、以前のコラボ作品のオーナー限定などの条件があることから、希少価値が高いものとなっています。
Dapper labsとNBA,NFLのコラボ
元祖ブロックチェーンゲームで人気の「クリプトキティーズ」の運営を行うDapper labsが米プロバスケットボールリーグのNBAや、米フットボールリーグのNFLとのコラボが実現しました。
Dapper labsが運営するNBA Top Shotは、人気の高いブロックチェーンゲームです。米プロバスケットボールリーグNBAとコラボし、選手のプレイ動画や写真をデジタルカードとして収集や取引がおこなえます。
そして、全米フットボール連盟NFLと全米プロフットボール選手会NFLPAとのコラボでは、NFLと全32チームや気に入った選手のゲームプレーのNFT購入、取引、所有が可能です。
松竹とdouble jump. tokyo、スクエアエニックスのコラボ
松竹は、double jump tokyo株式会社とゲーム業界大手株式会社スクエアエニックスとの共同開発によるNFTデジタルアーツ「資産性ミリオンアーサー」で、歌舞伎を題材としたコラボレーションを開催しました。
double jump tokyo株式会社は、NFT・ブロックチェーンゲーム専業開発会社として、ブロックチェーンゲームの開発や、NFTの発行・発売やNFT事業支援サービスをおこなっています。
「資産性ミリオンアーサー」は、スクウェア・エニックス初のNFTプロジェクトで、ユーザー自身が自由にカスタマイズしてNFTデジタルシールを作る体験などがおこなえます。
資産性ミリオンアーサーの詳細はこちらをご覧ください。
SKE48と麺屋ドラゴンラーメンとのコラボ
スマホアプリゲームの企画・開発・運営を行う株式会社フライペンギンと、アプリ開発やITアウトソーシングを行っているCLINKS株式会社は、2023年7月、アイドルグループSKE48とのコラボNFT販売をおこないました。
麺屋ドラゴンゲーム内で使用できるSKEコラボNFTを販売し、各メンバーごとに4枚用意されました。写真は、コラボNFTのためだけに撮り下ろされた貴重なものでした。
麺屋ドラゴンラーメンは、株式会社フライペンギンが運営するモンスターを討伐して手に入れた食材で作ったラーメンを販売し、プレイ内容に応じて暗号資産を獲得できるブロックチェーンゲームです。
まとめ
今回は、さまざまなNFTのコラボ活用事例を見てきました。
NFTに関わる企業が、自治体やファッション業界、そしてゲームや歌舞伎の世界など、さまざまな業界とコラボしていることがわかりました。
まだ知名度が低いNFTも、着実に私たちの日常に溶け込んできそうな勢いがあります。近い将来、私たちはNFTを提供する側や取引する側のどちらにもなり得るかもしれませんね。
この記事を読んでNFTに関心を持っていただけたら嬉しいです。