NFTの購入や出品をOpenSeaで行う際に、ETHとは別にWETHという決済通貨を目にしたことがある方もいるでしょう。
このETHとWETHの違いはご存知でしょうか。
NFT取引をする上で、知識が足りないがために損したくないですよね。
本記事では、ETHとWETHの違いとメリット、デメリットを解説していくので理解して、正しく使い分けましょう。
WETHを解説する前に知っておきたいこと
WETHを解説する前に押さえておきたいポイントについて解説していきます。
すでに知っている方もWETHの説明に入る前に、再度理解しておいてください。
イーサリアムとは?
基本にはなりますが「イーサリアム」について簡単に解説していきます。
イーサリアムはブロックチェーン技術を用いた分散型のプラットフォームです。
簡単に言えば、食品や洋服などさまざまな商品が販売されている、Amazonや楽天のようなプラットフォームと同じです。
イーサリアム上にはさまざまなサービスが展開されており、仮想通貨の「ETH」やNFTの取引ができる「OpenSea」もその1つです。
ERC-20とは?
ERC-20とはイーサリアムのブロックチェーン上で動作するトークン規格のことです。
イーサリアム上では、さまざまなサービスが開発可能で、その中の1つとして独自トークンの発行も可能です。
トークンの規格が複数ある場合は、別々のウォレット(財布)が必要になり管理が大変です。
ERC-20という規格に統一することで、MetaMaskなどのウォレットで共通管理できるようになります。
このようにERC-20はとても便利なのですが、イーサリアムの基軸通貨である「ETH」が発行された後に開発された仕組みなので、ETHはERC-20に対応していないのです。
そのためETHはイーサリアム上で開発されたトークンとは規格が異なり、直接交換ができないため、ETHからWETHに変換する必要があるのです。
WETHとは?
WETHとは、Wrapped ETHの略で、イーサリアムブロックチェーン上でラップされたイーサリアムという意味です。
ラップされたイーサリアムというのは、ERC-20という規格に対応できるような形に変更することです。
イーサリアムブロックチェーン上の基軸暗号資産である「ETH」はERC-20に対応していません。
そのままでは、DEX(分散型取引所)などで他のERC-20規格のトークンと交換できないため、事前にWETHに交換しておく必要があります。
ETHとWETHの交換レート
ETHからWETHへはスマートコントラクトというプログラムで、自動的に変換されます。
そのためETHとWETHは同じ価値で交換されます。つまり1ETH=1WETHということです。
スマートコントラクトとは…ブロックチェーン上にあらかじめ契約内容と実行条件をプログラムしておけば、自動で処理される仕組みのこと
変更したWETHはERC-20の規格に対応しているので、イーサリアム上にある他のブロックチェーンのトークンと交換可能となります。
WETHのメリット
WETHに変換することで、いくつかのメリットがあります。
OpenSeaのオークションに参加できる
OpenSeaでのNFT取引において、オークションに参加できるというメリットがあります。OpenSeaのオークションでは、WETHでしか決済できない仕組みとなっているため、ガス代(手数料)を支払ってETHからWETHへの交換が必要です。
また、OpenSeaでのコレクション作成時に決済通貨としてWETHの選択も可能です。
OpenSeaを利用している時に初めてWETHを知った方もいるでしょう。
OpenSeaではイーサリアムとPolygonに対応しているので、NFTをWETHで売買できます。そのため、OpenSeaではETHとWETHで売られているNFTが存在します。
このようにOpenSeaでNFTを出品する場合は、画像のようにETHで販売するかWETHで販売するかの選択が可能です。
情報処理の高速化
WETHはETHよりも取引にかかる処理速度が早いという特徴があります。
ETHでは取引する際にトランザクションを実行するために、ガス代(手数料)が必要です。
数値を低くしておけば、安く抑えられるのですが、そうするとなかなか処理が実行されず、かなりの時間を必要としてしまいます。
WETHのデメリット
WETHに交換するメリットをお伝えしてきましたが、デメリットと感じられる部分もあるので紹介していきます。
ETHからの交換(swap)でしか入手できない
仮想通貨取引所でWETHを直接購入することはできません。
ETHや他の通貨を交換することでしか、WETHは入手できないので注意しましょう。
ETHからWETHに交換する時にガス代がかかる
WETHを利用する際のガス代は安いのですが、ETHをWETHに変換する際にガス代がかかってしまいます。
このガス代は時価になるので、高額になる可能性があります。しかし、事前にDEX(分散型取引所)やOpenSeaで多めに交換しておけば、オークションの取引ごとにETHからWETHに交換する手間も省け、ガス代の節約にもつながります。
ETHからWETHに交換する方法
WETHは仮想通貨取引所などで購入できないためETHとの交換でしか手に入りません。
一般的に仮想通貨は、取引所経由で交換できるのですが、WETHは先ほど解説したようにETHをERC-20に対応させるためなので、ETHとの交換が必須条件となります。
ETHをWETHに交換するにはswapという通貨同士を交換する作業を行います。
OpenSea上でも交換(swap)可能ですが、下記のDEX(分散型取引所)での交換も可能です。swapにかかる手数料はサイトによって異なります。
・UniSwap(ユニスワップ)
・Pancakeswap(パンケーキスワップ)
・CowSwap(カウスワップ)
・SushiSwap(スシスワップ)
UniSwapを利用する場合は、UniSwapにアクセスします。
右上の「Launch App」をクリック
「ウォレットに接続」を選択します。
ウォレットは複数から選択できるので、自分が持っているものを選択。
交換元をETH、交換先をWETHに設定します。
ウォレットを接続していれば「ラップ」というボタンが出てくるので、選択すれば完了です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、WETHについて解説してきました。
ETHからWETHに交換する際にガス代はかかりますが、その他でさまざまなメリットがあることをお分かりいただけたと思います。
NFT取引をするならば知っておきたい知識なので、ぜひ本記事を参考にしてください。