大塚の街がクリプトで彩られるTOKYO OTSUKA NFT FESイベントレポ

こんにちは!NFTimes(エヌエフタイムス)の古田島です!

今回は2023年4月22日、23日の2日間に渡って開催された「TOKYO OTSUKA NFT FES」の模様をレポートします。

本イベントは、大塚で不動産業を営む株式会社ironowaと、Web3・NFTを用いた企業コンサルティングを行う株式会社boom nowの2社が運営しています。

さらに同時期には、本格的なクラフトビールが楽しめる大塚ビール祭りも開催され、大塚のれん街近くのコインパーキングには、キッチンカーや飲食店が出店。

Web3関連の事業者やWeb3起業家のみならず、ビアフェス目当てでJR大塚駅に集結する方も多く、美味しいビールやフードを片手に、最先端のWeb3に触れられるという、まさに街を巻き込んだイベントでした!

TOKYO OTSUKA NFT FESの開催背景

豊島区は「国際アート・カルチャー都市構想」を掲げ、魅力的な街づくりや文化創造、地域活性化に取り組んでいます。

最近では池袋がマンガ・アニメといったサブカルチャーの発信地として存在感を高めていたり、小池都知事が「池袋をアニメの街にする」と公言したりと、池袋中心に世の中の関心を集めています。

また、大塚も2018年に星野リゾートが展開する都市観光ホテル「OMO5東京大塚」を誘致し、さらには街並みも南北にある駅前広場を再整備したことで、洗練された雰囲気にアップデートされました。

このような背景があるなか、豊島区が掲げる国際アート・カルチャー都市構想を推し進めることを目的にTOKYO OTSUKA NFT FESが開催されたそうです。

ちなみに豊島区がイベントの後援に入っており、行政主導のWeb3イベントは日本初開催とのこと。

ユニークかつオンリーワンな魅力を発掘し、大塚の街を盛り上げたい。

こうした思いから、今回の大規模なイベントが実現したんですね!

ブース出展エリアは2日間とも大盛況!

ブース出展エリアには、総勢20以上のNFTプロジェクトやNFTクリエイター、Web3事業者が出展していました!

ビルの6階で開催されていたのにも関わらず、ブースには多くの来場者が集まり、終始熱気に帯びるほどの盛況ぶりでした。趣向を凝らした出展者のブースが目に留まり、思わず立ち寄ってしまう人たちばかりでした。

こちらはお値段500万円もする純金(K24)。“純金ジョーカー”のほか、ダイヤのネックレスなども飾られ、「Official Joker’s Club」のブースは総額1億円を超えるグッズが陳列されていました!

NFTの中にNFTを飾るという新たな試みを行う「I’m still here with you」のブースでは、イラストレーターのサイン入りポストカードが。

これはマストゲットすべしということで、迷わず手に入れました。

NFTコレクション「VeryLongAnimals」(ベリロン)のブースはなんと“DAO運営”。

座っていた方も公式のスタッフではないそうですが、「被り物を着けて写真撮ってもらっていいですか?」と聞いたら快く対応してくれました。

ベリロンの被り物は何気に初体験でしたが、面白い写真をとることができました!

Crypto Beer Punksのクラフトビールも完売御礼

出展ブースを巡ったあとはメイン会場前のエントランスでブースを構える「Crypto Beer

Punks」に立ち寄りました。

“ビール×NFT”のプロジェクトで、ビールを通じて人と人とが繋がるコミュニティとして注目されています。

知人とともに、Crypto Beer Punksのメンバーと写真をパシャり。

昼間からビールで乾杯できるのはフェスならではの至福な体験です。

実を言うと、Crypto Beer Punksのブースは2日間とも大盛況!

用意していた在庫が全て完売となり、想像以上の売り上げだったそうです。

また、8割くらいの購入者がクリプトネイティヴ層ではなく、道すがらビールを買っていく方だったとのこと。

こうした取り組みが、マスアダプションの一歩になるのかもしれません。

ビールで乾杯するのはわかりやすいですし、何より楽しいですもんね!

続いては大塚ビール祭りの会場へ。

こちらも美味しいビールとフードを求めるお客さんで盛り上がっていました。

コインパーキングの奥には、TOKYO OTSUKA NFT FESのために設けられた特大ステッカーボードが堂々と飾られており、インパクト大でした。

フィジカルNFTギャラリー「NOX Gallery」が今回のイベント用に提供したボードで、色鮮やかなアートやキャラクターがたくさん貼られていましたよ!

大塚の街はアーバンとノスタルジックの二面性を持っている

国内外で活躍する著名なスピーカーが登壇し、熱いトークセッションが繰り広げられたのは、OMO5東京大塚の1階にある「eightdays dining(エイトデイズダイニング)」。

実は以前、同ホテルに宿泊した際に利用したカフェで、「大塚にこんなおしゃれな場所があったんだ!」と思っていたんです。それが今回、Web3系のイベントで再訪できたのはとても印象深く感じました。

トークセッションは主に2日目の会に参加しました。

まず聴講したセッションは「〜Astarが切り開くNFTビジネスの未来〜IP活用とWeb3コミュニティの重要性」。

スピーカーには福山正之氏(株式会社TWIN PLANET 取締役COO)、masa氏(株式会社Apas Port 取締役COO)、海老島幹人氏(Astar Network Core team/ Startale Labs Japan CEO)が登壇し、NFTビジネスの現況や将来性について語り合う時間となりました。

本セッションは2日目のオープニングを飾る目玉コンテンツだったわけですが、Web3系のイベントに大手芸能事務所のTWIN PLANETが名を連ねているのも珍しいなと感じました。

須田亜香里さんや鈴木奈々さん、YouTuberのよしミチ姉弟といった著名人やインフルエンサーを抱える事務所が、なぜ今Web3に注目しているのか。

福山氏は「2021年のNFTブームが巻き起こったときに弊社が運営するギャラリーにかなりの引き合いがあったところから、NFTやWeb3の勢いあるムーブメントに興味を持った」と話します。

「弊社はエンタメビジネスを中心としたIPプロデュースカンパニーとして事業展開しているほか、

世界的アーティストの天野喜孝さんが手がける『CANDY GIRL』の作品を展示する『KIKKA GALLERY』、pixivと共同で運営している『pixiv WAEN GALLERY』、いろんなIPとの掛け合わせ、ミックスカルチャーを創造する『SPAGHETTI(スパゲッティ)』と3つのギャラリーを運営しています。

こうした場で『NFTアートを展示したい!』というニーズがNFTブーム全盛の頃は非常に高く、いろんな方から問い合わせがあったものの、TWIN PLANETとして『IPをどう表現するか』ということに結構悩みました」

Web3の将来性は感じているものの、会社としてWeb3をどう捉えるべきかについて方向性が定められずにいたと福山氏は当時を振り返ります。

そんななかで出会ったのがAstar Networkの渡辺創太さんだったそうです。

「ブロックチェーンが世の中をどのように変革し、社会を変えていけるかについて、明確なビジョンや確固たる自信を渡辺創太さんは持っており、そんな彼となら一緒にできると思い、ご一緒させていただく運びになりました」(福山氏)

Astar Nerworkの国内における活用事例は、大手企業から行政まで着々と増えてきており、直近ではカルビーの「進化するポテトNFT」が話題となっています。

海老島氏は「アスターはコミュニティやデペロッパーをすごく大事にし、運営に何か働きかけがあれば、積極的にサポートする体制があります。TWIN PLANETの保有するIPやコンテンツと我々の持つインフラやチェーンの有用性を掛け合わせ、新たなものを生み出していくために今後も連携していく予定です」と語りました。

TWIN PLANETは、天野喜孝さんが手がけるファインアート作品「CANDY GIRL」を、NFTが流行る前から、作品の展示を通してその世界観を発信してきました。

そこにNFTを掛け合わせ、新たなNFTプロジェクトチームとしてのIPを創出したというわけです。CANDY GIRLのプロジェクトに関わったのはmasa氏。

KAMITSUBAKI STUDIOなど、関わったNFTプロジェクトは全て完売するなどの実績を残しています。

Web3で大塚ひいては豊島区を盛り上げる方法や、Web3コミュニティがどう集客に使えるのかについて、masa氏は「今回、大塚の街を巻き込んだ単発のイベントでもこれだけ集客できるのは、NFTプロジェクトの盛り上がりや勢いを感じます。個人的にはCrypto Pokersというポーカーにはまっていて、NFTと何かを掛け合わせることで、自分の興味関心や趣味を広げるきっかけになる」とコメントしました。

福山氏は「TWIN PLANETはこれまで渋谷や原宿など、街のカルチャーを大事しながらトレンドを作ってきた」とし、豊島区の可能性についてこのような見解を示しました。

「池袋はアニメの聖地として、特に女性から注目されるなど、ミックスカルチャーの街になりつつあると思っています。クリプト文化はグローバルであり、大塚という場所においてもアーバンな街並みとノスタルジックな横丁の二面性が、海外の人からも好印象を持たれると感じています。韓国や中国ではグローバルの人を呼び込むためにギャラリーを多く作っていると聞きますが、大塚にもギャラリーを作ることで、そこから人が集まる流れが生み出せるのではと思いました」

一方、 海老島氏は「Web3が集客に直接つながるわけではない」とし、「Web3のコミュニティを活用するなら、どうIPを使い、誰に届けるのか。その辺りの設計がとても重要になってくる」と述べました。

「NFT×〇〇」と打ち出しても、コンテンツ設計や訴求軸、さらにはどのようなユーティリティを設けるかが問われるわけで、これらを抑えることがWeb3の事業に取り組む上では、大切になってくるのではないでしょうか。

「国際アート・カルチャー都市構想」が浸透していないのが逆にチャンスになる

2つ目のセッションは「〜來住尚彦氏と考える!〜大塚の街づくり×アートシーン」。

国内最大級のアート見本市「アートフェア東京」のエグゼクティブ・プロデューサーを務める來住氏がゲストとして登壇したほか、徳橋佑輔氏(GASHO2.0 CEO&Founder)、武藤浩司氏(株式会社ironowa代表取締役CEO)、モデレーターは株式会社boom now CEOの西川が務めました。

4日間の会期で行われるアートフェア東京は来場者が5万人、そしてアート作品の売り上げは30億円に上るなど、日本のアートシーン随一の影響力を誇っています。

3月に国際フォーラムで開催されたアートフェア東京では、特殊な塗装技術で立体的な作品表現を可能にした「メタルキャンバスアート」を手がけるGASHO2.0が出展し、NFTの可能性を多くのアートコレクターに訴求しました。

「GASHO2.0は、アートにテクノロジーを組み合わせることで、今までになかった“アートに触れる”という新しい体験を生み出している。そういう意味でも、今回のアートフェア東京への出展は大きな意義を持つと考えている」(來住氏)

大塚の地で、長年に渡って不動産業を行ってきた武藤氏は、数年かけて街のアップデートをしてきた経緯について説明します。

「2018年春の星野リゾート誘致を皮切りに、大塚駅周辺のビル名を『ba』と改名したり、大塚のれん街をオープンしたり、さらには北口駅前広場をリニューアルするなど、ハード面を中心に整備してきました。また、常に行列が絶えない老舗おにぎり専門店『おにぎり ぼんご』など、話題性に富んだスポットも有しています。そして次に注目しているのがNFTアートです。今回のイベント開催もNFTやWeb3を媒介にして、大塚の魅力を知ってもらいたい思いから企画しました。」

アート・カルチャー都市を目指す豊島区ですが、まだまだその活動や認知については十分に浸透していないのが現状といえるでしょう。

この状況下で、來住氏は「ほとんどの人から『豊島区が国際アート・カルチャーに向けて取り組んでいる』と思われていないのが、逆にチャンスであり、状況をひっくり返せるポテンシャルがある」と持論を展開します。

「例えば池袋をアニメの街にするのか、あるいはアートの街にするのかは、行政だけでは決められません。国際アート・カルチャーを目指していくためには、NFTアートに取り組む今の世代が街づくりを意識し、カルチャー醸成の担い手として推進していくべきでしょう。そのような変革を起こすには『若者』、『余所者』、『馬鹿者』の3つが必要だと思っています。街を変えるには、来街者を変え、その地域を知らない人が新しい風を吹き込んでいくことが大事になってくるんです」

赤坂サカスをプロデュースした際は「エンタメを共通言語にし、不動産価値を上げる」ことを掲げていたとのこと。

「赤坂という街に1円でも多くお金を落としたい、1秒でも長く滞在したい、1人でも多く連れていきたいと訪れた人たちが抱くかを根底に置きながら、赤坂サカスのプロデュースにあたりました。結果として、博報堂が赤坂に本社を移転し、その影響で多くの関連する会社が赤坂に集結したことで、赤坂の街はさらに活気を帯びるようになったんです。同様に、大塚もアートをハブにして、どのような街を創造していくのかを考え、継続的に取り組んでいくのが求められるのではないでしょうか」(來住氏)

TOKYO OTSUKA NFT FESのイベントPR大使を務め、トークセッション会場では2日間MCを行ったゆなゆな氏(Web3インフルエンサー)。

関口メンディー氏(EXILE、GENERATIONS)の保有するBAYCの絵の前で記念に撮影。

「2日間ありがとうございます!また機会があれば、ぜひイベントのアンバサダーやりたいです!」と感想をもらいました。

1日目の夜にはメイン会場のB1階にある「ping pong ba」でアフターパーティーも行われました。

Web3事業者によるピッチやDJのパフォーマンスに加え、テキーラガールも登場してイベントに華を添えました。

一部のシーシャエリアでは、アフターパーティのスポンサーを務める「CryptobarP2P」のオリジナルフレーバーも提供されていた。

大塚の街がクリプトで彩られた2日間は大盛況のうちに幕を閉じました。

ぜひまた来年の開催に期待したいと思います。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事