今回はNFTクリエイターでもあり、Twitterで話題となった『100日後に借金完済するぴぴぴ』の連載著者でもあるぴぴぴさんに取材を受けていただきました!
※前編を読まれていない方はこちらからどうぞ
<【ロングインタビュー/前編】『100日後に借金完済するぴぴぴ』はどのようにして生まれた?話題のNFTアーティストぴぴぴに迫る>
前後半に渡ってお送りする今回のインタビュー記事。前半は、ぴぴぴさんの人となりについて、後半はトップアーティストの目線からみたNFTアートのテクニックについて伺っていきます。
ぴぴぴ。NFTアーティスト。Twitter4,686フォロワー。NFT作品総取引額20ETH超。2021年12月1日からTwitterで連載がスタートした四コマ漫画『100日後に借金完済するぴぴぴ』は大きな波紋を呼び、『97日目』の投稿は自身初の1,000いいねも突破。その後、英語版に翻訳もされる。借金返済のために描いた渾身のfoundation初作品「A Fallen Mind」は、一晩で13.37ETH(当時約360万円)という超高額で落札された。2022年4月現在は自身もdiscord上でファンクラブコミュニティを構えるSoudanNFTでの活動や、Generative作品「kyomugao」の制作に取り掛かっている。NFTアート界を代表する注目のひとりである。
絵のタッチについて
西川:後半からはぴぴぴさんの制作話を聞いていきたいと思います。普段は何を使って、デジタルアートを描かれていますか?
ぴぴぴ:メインはiPadです。ソフトはプロクリエイトを使っています!
西川:プロクリエイト以外に使っているソフトはありますか?
ぴぴぴ:大学時代はPhotoshopとかを習っていました。でも、ちょっと難しくて使いこなせないんですよねーー。プロクリエイトは割と、アナログに近い感覚で描けるソフトだと思います。ずっと使っていますね!
西川:絵の描き方やタッチでぴぴぴさんが拘っているところはどこでしょうか。
ぴぴぴ:肌の質感は特に拘って描いていますね!また、拘っているというほどでもないんですが自分でポーズを取るようにしています。
西川:ぴぴぴさんがポーズを取るんですか?
ぴぴぴ:はい。絵を描くときはいつも一回自分でポーズを取って写真に撮ります。その写真を見ながら絵を描いています。
西川:模写のような感じなんですね!
ぴぴぴ:元々大学時代に油絵を専攻していたこともありデッサンばっかりやっていたので、何も見ずに描くのってあまり得意じゃないんです。資料があったほうが正確に描けます。でも、四コマ漫画のような簡単な絵だとポーズや写真まではやらないですね。foundationに出品するようなしっかりとした絵を描くときには、絶対に写真撮ってから描くようにしています。
西川:だから、ぴぴぴさんの絵にはリアリティを感じるのですね。
ぴぴぴ:リアルとデフォルメの融合というか、その間のような絵柄を目指しています。
作品を描くスピード
西川:ぴぴぴさんってニートじゃないですか?
ぴぴぴ:はい。
西川:でも、『100ぴぴ』やツイッターを見るとニートと思えないぐらい、死ぬほど働いているんじゃないかなと思うんです。毎日どんなスケジュールを過ごしているんですか?
ぴぴぴ:えーっと....。
西川:寝れてますか?
ぴぴぴ:あ、めっちゃ寝てます。というか私、元々過眠気味なロングスリーパーなんですよね。だから、毎晩深夜3時ぐらいに寝て、昼の12時ぐらいに起きるみたいな生活です。
西川:しっかり8〜9時間寝てるんですね!よかったです!
ぴぴぴ:そうですね。昼に起きて制作をして、夕方からはずっとツイッターにいるみたいなライフサイクルです。深夜になったらまたちょっと絵描いてーー、って感じかな。
あと、ゴールデンタイムとかは基本的に人とのコミュニケーションの時間にしていました。なので、一日絵描いている時間で言うと8〜9時間くらいです。忙しいときや『100ぴぴ』がピークの時期は一日13時間とか絵描いていました
西川:ひとつの作品にどのぐらい時間をかけるんですか?
ぴぴぴ:普段の絵は大体10〜30時間ぐらいで描いています。でも、foundationの作品はちょっと桁違いでしたね。そもそも、どこからどこまでを描いた時間かっていうのが難しいのですが、それこそポーズを取って写真を撮ったり、資料を集めたりする作業にすごい時間がかかっています。モチーフを考えたり、構図を組んだり、コンセプトを考えたりした時間とか全てひっくるめると100時間ではきかないかなーー。
西川:100時間ですか?!
ぴぴぴ:そうですね。その内、描いている時間だけで言うと70時間ぐらいですね。
西川:すごい...。プロってそのくらい時間をかけて描いているんですね!
ぴぴぴ:どうなんだろう。私、描くのが遅いんですよね。なんだかんだ『100ぴぴ』も早くて2時間、長いと6時間くらいかかってましたね。四コマの場合はシナリオやオチを考える分、適当な落書きとかよりも時間がかかっていたんだと思います。 でも、コマに文字を打ち込むのは友達に依頼していましたし、それ以外もちょこちょこと他の人にも分担してもらっていました。
西川:分担作業だったんですね。
ぴぴぴ:英訳とかも手伝ってもらっていました!
『100日後に借金完済するぴぴぴ』に登場する人たちについて
西川:『100ぴぴ』にはいろんな人たちが登場して力になってくれていますよね。その中でも、例えば幻覚執事さんはかなりキーマンだなって思ったんですがーーー。
ぴぴぴ:幻覚執事さんは一番助けてもらった人です!『100ぴぴ』の連載が終わる最後までずっと力になっていただきました。
西川:幻覚執事さんとはどのようなご縁だったのでしょうか。
ぴぴぴ:実は、『100ぴぴ』内と現実とでは、時系列が若干前後しているんです。『100ぴぴ』では、幻覚執事さんと知り合った後に彼からdiscordを教えてもらうという文脈でした。しかし、実際にはSoudanNFTのdiscord上でお会いしたのが最初です。私がNFTアートを始めたばかりの頃、私の絵を自己紹介部屋みたいなところでアップしたんです。そうしたら、「素敵な絵ですね」と幻覚執事さんが言ってくださいまして、あれよあれよと私の絵をどんどん買っていただいたんです。そこが最初のきっかけですね。
当初から「あなたの絵は絶対伸びるよ」と言ってくださっていて、絵を買っていただくだけでなく色々な情報をいただいたり、アドバイスをいただきました。SoudanNFT内でクリエイターゾーンというプロジェクトがありまして、そこにも推薦してもらいました。序盤の作品の半分は幻覚執事さんが購入してくれたと思います。
西川:foundationに招待してくれたのも幻覚執事さんですか?
ぴぴぴ:foundationのことは前々から幻覚執事さんに勧めてもらっていたのですが、実際に招待してもらったのはタイのアーティストのBysneさんです。その後、幻覚執事さんから「foundationに出品するんだったら、海外の人向けに説明文とかも英語でやった方がいい」というアドバイスをもらい、翻訳の団体さんを紹介していただきました。Shroom Chanという団体で、日本のクリエイターの海外進出をサポートしているところです。そこの方がとても良い感じで説明文を英訳してくれたんです!おかげさまで海外のコレクターの方たちにも私の作品に触れてもらうことができました。またfoundationの出品にかかるガス代はweeb3daoにご支援いただいたんです。foundationの出品一つとっても本当にたくさんの方に協力していただきました!
イケハヤさんが『100ぴぴ』NFTを購入!
西川:いち読者として衝撃だったのが、イケハヤさんがNFT化された『100ぴぴ』の第一話を購入したことでした。
ぴぴぴ:ありがたかったですね。すごい話題にしていただきました。
西川:『100ぴぴ』ではイケオソさんと言う名前で登場されていましたね(笑)イケハヤさんとは元々面識があったのでしょうか?
ぴぴぴ:駆け出しのころ、イケハヤさんのスペースに参加させてもらったことがあって、そこでスピーカーとして上がらせてもらっていました。自分の絵の紹介や借金完済を目指していることを話していました。でも、それ以外の関わりはほとんどありません。なので、私の企画を本当に面白いと思ってくださったみたいです。しかも、駆け出しの作品の一話目を0.4ETHというとんでもない金額で取引していただいて、加えてTwitterでも紹介していただいたおかげで良いスタートがきれました。
西川:それもぴぴぴさんがスペースに参加してPRをしていたからですね!ちなみにスペースはどういうところに参加しているんですか?
ぴぴぴ:最近は忙しいので暇があるときにしか参加していません。でも、NFTアートを始めたての頃はとにかく知ってもらうのが大事だなって思っていたので、24時間のうち寝てるとき以外はずっとスペースに張り付いていました。当時は右も左も全く分からりませんでした。だから、とりあえずお昼前に起きたらイケハヤさんのスペースが盛り上がっているので入室して、その後は昼すぎから他のクリエイターさんがやってるスペースに入ってーー。幸い私は話すのが苦手でないこともあり、とにかくどこかのスペースに入ってはスピーカーとして誰かと話していました。深夜になってくると私の家の壁が薄いこともあり、騒いでいると隣人に壁ドンされてしまうのでスペースは一旦お休みです。代わりに、さいとうなおき先生のYoutubeチャンネルを開いてNFTに関する動画をイヤホンで聴いて絵を描いてました。とにかく、ひたすら何かしらの情報を入れながらの生活を2ヶ月間繰り返していました。
西川:相当な集中力ですね。
ぴぴぴ:あの2カ月間は、起きてる時間はずっとオンラインでどこかと繋がっている状態でしたね。
ぴぴぴさんに聞いてみよう!
西川:さて、ここから一風変わりまして、質問コーナーになります。『100ぴぴ』を読んでいく中で、「トップクリエーターさんってどういうことを考えてるんだろうな」とか気になってしまいました。なので、今回はぴぴぴさんに色々とぶっちゃけて質問していければと思います。
ぴぴぴ:はい!どうぞよろしくお願いします!
Q1.Twitterについて
西川:Twitterでの発信をかなり精力的にされている印象です。Twitterを運用していく上で気をつけていらっしゃることはありますか?
ぴぴぴ:私はもともとツイ廃だったんで、あまり何も意識せずに運用できていたと思います。その中でも自分の中で気をつけていたこととしては、リプライは全員に絶対返すことですね。一度、『100ぴぴ』が忙しい時期にリプライをサボってしまったことがあったんですよ。しょうがないことだとは思うんですけど、なんかモヤモヤしてきちゃって、せっかくフォロワーさんやオーナーさんがお祝いメッセージや、色々と絡んできてくれているのに返事をしないのはどうなんだろうってーー。
なので、基本的には全員にリプライを返すスタイルでやっていますね。もちろん、どうしてもすぐには返せないときや時間が経ってしまって返しきれない時はあるんですけど、普段はほぼ返しています!
Q2.SoudanNFTについて
西川:次にSoudanNFTについてお聞かせください。『100ぴぴ』でもMusouNFTという仮名で登場していましたね。
ぴぴぴ:そうですね。SoudanNFTは簡単に言うとクリエイター支援を主としている団体さんです。クリエイターさんの悩み事を相談できたり、クリエイターをPRするための賞レースを企画したりなど、すごいお世話になっていますね。
西川:Twitterやdiscordにコミュニティがありますよね。誰でも入れるコミュニティなのでしょうか。
ぴぴぴ:はい!新人さんからすでに出品されている方まで、いろんなクリエイターさんが集まっているのできっと力になってくれますよ!
Q3.ロイヤリティについて
西川:NFTアートの大きな特徴として二次流通でもクリエイターに手数料が入る「ロイヤリティ」システムがあります。ロイヤリティがあると、二次流通以降の取引でも継続的にクリエイターに収益が入りますよね。ぴぴぴさんは、現在出品されている作品にロイヤリティは設定されていますか?
ぴぴぴ:はい。私は10%で設定しています。『100ぴぴ』内でもネタにしましたが、最初のころ5%と設定しようとしたら入力方法を間違えて、ロイヤリティが0.05%になっていたことがありました(笑)みなさんも気をつけてくださいね!
Q4.オークション販売か固定価格販売か
西川:ぴぴぴさんのTwitterを見たら、「オークションはメンタルがもたない」という投稿を拝見しました。オークション販売と固定価格販売だったら、ぴぴぴさんはどういう風に使い分けていますか?
ぴぴぴ:私、オークションだと一喜一憂というか、めちゃくちゃドキドキしちゃうんです。なので、固定価格の方が気持ち的には楽です。でも、ここぞというときはやっぱりオークションですね。例えば、「どのぐらいの方が自分の絵ほしいと思っているのだろうか」とか「最終的にどの価格になるのか」が自分ではあまり予想がつかないときにオークションで出品させてもらうことが多いです。
Q5.イーサリアムかポリゴンか
西川:ぴぴぴさんはイーサリアムで出品されていますか?それともポリゴンですか?
ぴぴぴ:ポリゴンがほとんどです。ただ、foundationとかはイーサリアムで出品しました。Openseaのコレクションも、ポリゴンコレクションとイーサコレクションのどちらも出品していますね。
西川:どう使い分けていますか?
ぴぴぴ:そうですね。ポリゴンはやっぱりガス代がかからないのが大きなメリットですよね。だから、価格が安めのコレクションだったり、NFTアーティストとして始めたばかりのころはポリゴンで出すことが多かったですね。
逆に、認知度が上がってきたことで価格を高くしたくなったり、ガス代があっても買ってくれそうな作品であればイーサリアムで出品するようにしています。
西川:とてもわかりやすい説明ですね。それでは、今からNFTアーティストとしてスタートされる方には、ポリゴンで始めたほうが良いということでしょうか。
ぴぴぴ:私の場合は本当に無名で、NFTアートを始めた頃はTwitterのフォロワーが1000人いるかいないか程度でした。もし、私と同じようなレベルで始める方がいるのであれば、ガス代のことは考慮したほうがいいと思います。無名の方であればポリゴンから、認知度に自信がある方はイーサリアムでいいのかなとーー。
でも、今はガス代もだいぶ安くなってきているのでイーサリアムでの出品もそんなにハードルは高くなくなりましたよね。 思えば、私が始めた頃は、初めのガス代で2万円ぐらいかかっていましたけど、今はそんなに必要ないですもんね。安くなってくれて本当にありがたいです。
Q6.英語版の効果について
西川:『100日後に借金を返済するぴぴぴ』は英語翻訳もされました。英語版をリリースしたことで作品の規模はどう変わりましたか?
ぴぴぴ:英語版がリリースできたことはありがたかったです。まわりの方に助けてもらった部分が本当に大きいんです。中でも、英語版の実現にはイタダキマスマンさんという方が大きく関わってくれましてーーー。
西川:自撮りおじさんですよね?
ぴぴぴ:自撮りおじさんです。イタダキマスマンさんもNFTを出品されていて、NFT業界では伝説的な人なんです。少し紹介をすると、いただきますマンさんは写真をNFTで出品しています。それが、ただのふつうのおじさんがご飯を食べている自撮り写真なんですが、OpenSeaに出品されるやいなや600枚以上の写真が一晩で完売したんです。今では売上が全部で21ETHを超えていて、盛りトレードになっています。
西川:すごいですよね。イタダキマスマンさんは一時期OpenSeaの販売ランキングで5位になったそうです。
ぴぴぴ:そうなんですよ!とにかくすごいやり手の方なんです!その方が、「『100ぴぴ』も英語翻訳にしたらいいんじゃない?」と声をかけてくださったんです。
そこで、私もSoudanNFTのファンコミュニティで「英語版をやることになりました」って発信したら、実は別の海外のオーナーさんも私の作品を英語訳をしようと思っていたことが判明しました。だから、『100ぴぴ』内でも触れた内容なんですが、そこからあれよあれよと英語翻訳チームが出来上がりました。イタダキマスマンさんを筆頭に、ネイティブスピーカーの人と日本人とアメリカのハーフの方が加わり、三人体制で動いてもらったおかげで英語版のリリースに至ったんです。
西川:「ネイティブ翻訳の方がいいよね」とかのやりとりですよね。
ぴぴぴ:そうです。それで英語版を発表しました。もちろん、初めはそんなにたくさん反応があったわけではありません。でも、英語版を発信しつづけていたら、徐々に海外の方からもファボをいただくようになりました。英語で「すごい面白い内容だ」ってコメントが増えてきた中で、あのfoudationの作品をリリースしました。foundationの作品を購入していただいた方は海外の方です。なので、英語版をリリースしていなかったら間違いなくあの金額では売れなかったでしょう。foundationのオーナーさんからも購入後に「これで借金が返せるね!」というコメントをいただきました。もちろん英語で(笑) 私の作品が海外の人にも届いているなと実感しましたね。
西川:英語版『100ぴぴ』がリリースされていなかったら、foudationの作品も高額で売れていなかったかもしれないんですね。
ぴぴぴ:そうです!だから、もう本当に感謝感謝なんです!いろんな方の応援やサポートのおかげで今があります。
Q7.NFTアートのデメリットについて
西川:NFTアートのデメリットは何だと思いますか?
ぴぴぴ:時間ですね。私の場合は元々フリーターやニートみたいな感じだったので時間を注ぎこめたのですが、多くの方が副業や兼業でNFTアートの活動をされていると思います。そもそも、生活の面でもNFTアート一本に絞るのは難しいですよね。NFTアートにほぼ全振りしている私でも時間が足りないぐらいなんで。だから、時間を理由にやりたいことができなくて悩んでいる人は多いのではないでしょうか。もどかしい思いから、精神的に疲れていくこともあると思います。私の周りでもそれで悩んでしまったり、自信を失くしてしまった人もいました。だからこそ、強い心がないと抜き出ていくのも、続けていくのも難しいのがNFTアートのデメリットというか、アーティストサイドに対して不安を抱いているところです。
西川:ぴぴぴさんの場合、たくさんの人がぴぴぴさんの活動をサポートしてくれていますよね。なぜ、ぴぴぴさんにはこれほどまでに精力的に応援してくれる人が集まってくるのでしょうか。
ぴぴぴ:本当にその通りですよね。ただただ人に恵まれたんだと思います。もちろん、他の方と比べて純粋に活動時間が長いからというのもありますが、結局のところはまわりの人たちがいい人ばかりだったなとーー。
西川:コミュニケーションの部分はどのように意識されたのでしょうか。
ぴぴぴ:Twitterのリプライは基本全員返します。DMも基本的に全員返します。そういうことを重ねていって段々と仲良くしてくれる人が増えていきました。
西川:コツコツやってきたから今があるんですね。
ぴぴぴ:でも、打算的にやっていたわけではありません。だから、アドバイスになるかはわかりません。それくらい単純に感謝の気持ちで返事をしていました。心からの感謝の気持ちで返信していただけです。そうしたら、いろんな方がお声がけくださったんですよね。そう思うと、たくさん宣伝させてもらったSoudanNFTの力も大きかったですね。そういった方たちの支えもあって100ぴぴを成功させることができましたし、思えばNFTアートをはじめた最初に彼らと繋がれたことはすごい運が良かったなと思います。
西川:心から感謝をされているのですね。 ぴぴぴさんに人が集まる理由がわかりました。
ぴぴぴ:はい。本当にありがたいです。どれが欠けても今の私はないと思います。英訳がなかったらこんなことになっていないし、そもそもSoudanNFTさんの応援がなかったらまずここまで来ていないしみたいな。いろんな方の応援のおかげなんです。100ぴぴに登場してもらった、それこそ名前もじったりとかして何回も登場してもらった方々も、誰ひとり嫌な顔をせずに協力してくださいました。たまに出演が難しい方もいたのですが、その場合もちゃんと丁寧に事情を説明してくださいました。
foundationの作品を購入してくれた海外のオーナー様も、他のコレクターさんにも私の作品を紹介してくださったみたいです。そのおかげで、日本以外でも私の作品が拡散されていて感謝しかありません。優しい人って多いんだなって勉強の毎日です。
今からNFTアーティストを目指す人たちに向けてのアドバイス
西川:ぴぴぴさんがこれから(2022年3月現在)NFTアートを始める人にアドバイスするなら何を伝えますか?
ぴぴぴ:そうですね。さっきの(cozaco)ちゃんの話に通じるんですけど、絵が売れなかったとしてもショックを受けないで欲しいですね。今のNFTアート市場は、基本的にツイッターから見つけてもらうことが重要になっています。まずは見つけてもらわないと購入まで至ってもらえないですからね。だから、あなたの絵が売れてないのはあくまで見つけてもらえてないだけなんです。その作品には罪はないと思ってください。Twitterとか見てると作品が売れなくて病んでいくクリエイターさんが多いんです。でも、それってただ見つけてもらえてないだけというか、自分の絵を好きって言ってくれてる人のとこまで届いてないだけだと思うんです。なので、作品が売れないことにあまりショックを受けずに、強い心をもってほしいですね。
西川:逆にPRやマーケティングが大事だよっていうことですか?
ぴぴぴ:そうですね。ただ、マーケティングが苦手な人も多いと思うんです。難しいと思いますから。それよりも、作品が売れないことで自分の絵が悪いんだと思わないで欲しいです。もちろん、NFTの世界に飛びこむならマーケティングも諦めずに取り組んでほしいですし、頑張ってほしいですけどね!
西川:ぴぴぴさん自身がやってみたことでおすすめできることはありますか?
ぴぴぴ:とにかく自分の作品を知ってもらう場所や機会を増やしていくということですね。それが第一優先です。そうやっていくと自分の絵を好きって言ってくれる人にも届けることができると思っています。
西川:それはTwitterがメインですか?
ぴぴぴ:私の場合は主にTwitterと、あとはdiscordですね。Twitterではいろんな方のスペースにもよく参加していました!もちろんスペースをやっていなくても(作品が)売れている人もいます。とにかく、宣伝方法は調べれば調べるほどいくらでもあるのでまずは選択肢を増やした方がいいですね。ただ、全部やるのは時間が足りないので、その中から選択して絞っていくことも大切ですね。私も選ぶのが大変でした。
西川:ありがとうございます!他にはありますか?
ぴぴぴ:補足すると、 どのSNSでPRしていくにしてもファンの方や自分の作品を気にかけてくれる人達とコミュニケーションを取っていくことは大切です。もちろん、すべてのコメントに反応していくことって大変ですよね。でも、作品を買おうと思う人の気持ちで考えるとやっぱり自分が知っている人や仲良くしてくれた人の作品を買いたくなると思うんですよ。だから、コレクターさんたちとしっかりお話しして、自分の作品のコンセプトを伝えたり、キャラクターを知ってもらったりして認知を広めていくことが大切だと思っています。
ぴぴぴさんの今後の活動は?
西川:『100ぴぴ』の連載を終えて、今後のぴぴぴさんの活動を教えてください。
ぴぴぴ:本来ならもうリリースしている予定だったんですけど、Kyomugaoのジェネラティブを出品したいですね!ただ、この作品はそんな高い金額で出品するわけではなく、手に取りやすい価格で出品するので、みんなに楽しんでもらえる作品にしてもらえれば嬉しいです!あとはfoundationの次回作も予定していますよ!
西川:おお!また次の大作が公開されるのですね!
ぴぴぴ:頑張ります!ただ、実は『100ぴぴ』の連載中、依頼いただいた作品を全然描けていないんです。依頼とオリジナルどっちもやっていきたかったから、ペースも考えず依頼を受けていったら、どんどん溜まってしまいましてーーー。今でも締め切り10件ぐらい飛ばしてるんですよ(笑) だから、まずはこの10件を描いていかないと!
ぴぴぴさんおすすめクリエイター
西川:ぴぴぴさんが今注目している、NFTクリエイターを教えてください。
ぴぴぴ:砂糖薬さんです。イラストがすごく素敵で、私がずっと一番好きな絵なんですよ!あと、注目というか、目標であり尊敬している方はsashimiさんです。すごい高クオリティの絵をとんでもないペースで出しつつ、いつも姿勢が謙虚で丁寧な方なんです!サシミさんの姿勢は見習わないといけないなと思っています。というか、サシミさんの全部ひっくるめて目標というか、尊敬しまくっている方って感じですね!他にも、風景画がたまらなく素敵なおもちーずさんの絵も大好きです。というように、挙げだしたらきりないんですけどどうでしょうかー?
西川:どれもすごい絵を描かれる方ばかりですね!ありがとうございます!
新参のNFTアーティストが増えてきていることについて
西川:最後にひとつだけ。『100ぴぴ』の16日目のコマで「NFTの参入者はあまり増えて欲しくない」みたいなコメントを見て、ぴぴぴさんが嫌な気分になったシーンがありましたよね。当時はNFTアートを始めたばかりだったと思うのですが、今のぴぴぴさんはどう思いますか?
ぴぴぴ:ガンガン参入してきてほしいです!NFTアートはオリジナルのイラストを評価してもらえる市場だと思っています。当然新しい人が増えれば増えるほど競争率が上がりますが、それが自然な現象だと思うんです。むしろ、古参勢みたいな人たちが占領しちゃうっていうのも良くないないんじゃないかなって。そんな業界はクリエイターさんに優しくないですよね。
ただそれと同時に思うのは、NFTアート市場はアーティストサイドよりもコレクターさんの方が圧倒的に数が少ない市場なんです。
だからこそ、貢献していきたい気持ちもあります。私も借金を完済できたことですし、NFTアート市場をできるだけ長く続けるためにも、他のクリエイターさんを応援するために売り上げの一部でNFTアートを買っていきたいと思っています。
西川:NFTアートへの恩返しを考えていらっしゃるんですね!ぴぴぴさんがどんなアーティストの絵を購入するのか興味深いです!
西川:インタビューは以上です!長時間お答えいただきありがとうございました!
ぴぴぴ:いいえー!とても楽しい時間であっという間でした!
西川:今後もこのような形でぴぴぴさんにお話を伺えると嬉しいです!
ぴぴぴ:こちらこそインタビューテンション爆上がりました(笑)ありがとうございました!
私も話題になるようなことができるように今後も頑張っていこうと思います!
西川:(かわいいし、最後までいい人だな....)
まとめ
前後編の二回に渡ってお送りしたぴぴぴさんのインタビューは以上です。
タメになる話ばかりでしたね!
後編のまとめです。
- 制作はiPadとプロクリエイト使っている
- 絵を描く前にポーズを取って模写している
- 制作時間は平均10〜30時間で長いと100時間以上である
- イケハヤさんが購入してくれたのはスペースに参加して企画を伝えていたから
- Twitterのリプライは全部返信する
- SoudanNFTは日本のクリエイターを支援する団体
- 無名の方であればポリゴンから、認知度に自信がある方はイーサリアム
- 英語版の100ぴぴをリリースしていなかったらfoudationは高額で売れなかった
- NFTアートのデメリットは制作やPR活動に想像以上の時間がかかること
- 作品が売れなくて悩まず、強い心をもつ
- ぴぴぴさんも周りにいる人もみんないい人ばかり
気さくながらも謙虚で、そしてユニークさも忘れないぴぴぴさん。
どこか放っておけない稀有なキャラクター性を持ち合わせているからこそ、こんなにもまわりの人が応援したくなってしまうんだなと痛感しました。
しかも、今回のインタビュー後に気になるツイートを発見!
100日後に借金完済するぴぴぴseason2#100日後に借金完済するぴぴぴ#NFTで借金返済 pic.twitter.com/NVxH3XWqrS
— ぴぴぴ (@pipipipikyomu) March 31, 2022
『100ぴぴseason2』が始まるということでテンション爆上がりの西川でしたが、残念。
実はぴぴぴさんのエイプリルフールネタということでした(笑) 盛大に釣られてしまいましたね。
しかし、これが嘘ではなく本当になる日もそう遠くないかもしれません?!
ぴぴぴさんの旋風はまだまだ続いていきそうです!
NFTimes編集部ではぴぴぴさんの更なる活躍を追いかけていきたいと思います!
ぴぴぴさんの情報はこちら
四コマ専用サイト:『100日後に借金完済するぴぴぴ』
公式Twitter: @pipipipikyomu
Opensea: Pipipi
foundation:@pipipipikyomu