【分散型自律組織】DAOとは?仕組みや仮想通貨との関係性について徹底解説

今回は、仮想通貨に深く関係する「DAO(ダオ)」について徹底解説します。
この記事を読めば、以下の3つのことを理解することができるでしょう。

・DAOの意味について知ることができる

・仮想通貨におけるDAOの重要性がわかる

・DAOと仮想通貨の将来性について考察できる

以上の内容が気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。

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はじめに:DAOとは?【3つの特徴を交えて解説】

ここでは、「DAO(ダオ)」についての基本知識などを解説していきます。

DAOとは日本語で「分散型自律組織」と訳されるもので、「共通の同じ目的を持って結成された人々の集団・組織」を意味します。

具体的には、組織でありながらも特定の中央管理者(ボスやリーダー)を持たず、組織内の構成員一人ひとりによって、自律的に運営されているインターネットネイティブな組織です。

これは、いわゆるブロックチェーンの技術の上で成り立っており、ブロックチェーン上で世界中の人々が協力して管理・運営されるリーダーのいない組織を意味しています。

そのため、組織内には階層や位の違いはありません。組織での決定事項は構成員による投票と、定められているルールを基に決められています。

また、組織が掲げる「共通の同じ目的」とは、基本的には「特定の目標・義務に従って投資用の資本を共同出資する」という意味です。

以上が、DAOに関する簡単な説明でした。次に、DAOの特徴を見ていきましょう。特徴は以下の3つです。

①中央管理者がいない

②誰でも組織に参加できる

③透明性・公平性が高い

ひとつずつ見ていきましょう。

特徴①:中央管理者がいない

1つ目の特徴は、中央管理者がいない点です。

DAOは中央管理者(リーダー)が不在なため、組織に参加しているメンバー同士でルールや組織全体の方針を決定します。

従来の株式会社の場合、トップダウン方式(上層部のみで意思決定が行われ、決定事項を上から下に流す)が一般的です。

それに対して、DAOでは組織の中で上下関係が存在しないため、参加者同士で方針を決定できます。

(DAOの意思決定に関わるには、「ガバナンストークン」を保有する必要があります。ガバナンストークンは意思決定に関わる投票への参加権になる”株式”のようなものです。)

特徴②:誰でも組織に参加できる

2つ目の特徴は、誰でも組織に参加できる点です。

DAOには誰でも参加できます。インターネットに接続できる環境さえ整えれば、今すぐにでもDAOに参加することが可能です。さらに、ガバナンストークンがあれば組織の意思決定にも関わることができます。

会社という大きな組織に参加する場合は、就職活動を含む膨大な作業量を必要にすることを考えると、DAOの新しさがわかりますね。

特徴③:透明性・公平性が高い

3つ目の特徴は、透明性が高い点です。

DAOはオープンソースで、ソースコードを見れば誰でもスマートコントラクトの内容を確認できます。

(スマートコントラクトとは、一定の動作が発生した際に決まった動きが発生するようにブロックチェーン上でプログラムすることです。)

従来までの組織では”隠蔽気質”な部分が度々問題視されていましたが、DAOでは誰でも参加可能&透明性が高いため、安心感がありますね。

このように、DAOは従来までの組織の形とは違い、誰もが参加できる透明性の高い組織です。そして、DAOは仮想通貨やメタバースとも深く関係しています。

では、DAOは具体的にどのような場面で活用されているのでしょうか。次に、その具体例を見ていきましょう。

DAOが実際に活用されている具体例【ビットコイン・MakerDAO・Augur】

インターネット上の組織であるDAOですが、どのような場面で活用されているのでしょうか。ここでは、主に3つの例を取り上げて解説します。

仮想通貨やメタバースとも深く関係しているので、これらの分野に興味がある人は必ずチェックしておきましょう。

1. ビットコイン

DAOが用いられている代表例のひとつとして挙げられるのが、ビットコインです。

マイニング(ビットコインを採掘する作業)に対する報酬としてビットコインが還元される仕組みを設けることで、ネットワーク全体でも利益が循環し、体制が維持されています。

もちろん、ビットコインもオープンソースなため、誰でも閲覧・参加可能です。

(ただ、マイニングは個人で行える作業ではないため、あくまでビットコインの売買を通してDAOに参加できます。)

つまり、ビットコインを含む仮想通貨を保有しているだけで、ユーザーはDAOに参加していると言えます。

2. MakerDAO

2つ目の例は、「MakerDAO」です。MakerDAOはイーサリアムのブロックチェーンを活用しており、ステーブルコインを発行しています

(ステーブルコインとは法定通貨の価値と連動した仮想通貨のことで、一般的な仮想通貨よりも価格が安定しているのが特徴です。)

MakerDAOを使えば、誰でもドルのステーブルコインを発行することができます。さらに、MakerDAOでは「MKR」というガバナンストークンがあります。

3. Augur

3つ目のDAOの例は、「Augur」です。Augurは分散型の予測市場プラットフォームで、仮想通貨の値動きを予想し、それが的中すれば報酬としてトークンが得られます。

ゲーム感覚で利用できるので、興味のある方はチェックしてみてください。

以上のように、DAOは仮想通貨関連の分野でも深く関わっています。

DAOが抱える3つの問題点

ここまで、DAOについて良い面ばかり解説してきましたが、DAOにはいくつかの問題点もあります。

ここでは、そのようなDAOが抱える3つの問題点について解説していきます。その問題点というのがこちら。

①セキュリティ(ハッキング)について

②オペレーションの複雑性について

③短期投機的な非接続性について

ひとつずつ詳しく解説します。

問題点①:セキュリティ(ハッキング)について

DAOで最も有名な問題の1つが、ハッキングを含むセキュリティについてです。

DAOの脆弱性が顕著になったのが、2016年6月に起きた「The DAO事件」です。本事件では、約360万ETH(日本円に換算して約52億円)がハッカーに盗まれました。

事件後、その対策として2種類の方法(ハードフォーク・ソフトフォーク)が提案されました。

このような問題は、DAO内でのガバナンス共謀問題を引き起こす恐れもあります。

この問題は、多くのガバナンストークンを持つ一部のメンバーが結託することで発生します。コミュニティ全体の利益よりも、自分たちの利益を優先するように、プロジェクトの方向性を決定するのです。

問題点②:オペレーションの複雑性について

2つ目の問題として、オペレーションの複雑性が挙げられます。

DAOは誰でも参加できる組織がウリなので、意思決定までに時間がかかります。加えて、誰でも参加できるが故に、決定が組織にとって必ずしも正しい方向へ行くとは限りません。

実際、マサチューセッツ工科大学のメディア企業が刊行する『MIT Technology Review』では、「重要な金融の決定を大衆に任せるべきではない」という考えが明らかにされています。

さらに、決定事項だけでなく、問題への対処についても即席で対応することができないのもDAOの欠点です。どれほど小さいアクションであっても組織内での合意を得る必要があるため、迅速な対応ができません。

また、DAOは基本的にオンライン完結型の組織構造なので、作業の遂行が匿名で行われます。そのため、ビジネス形態によってはDAOが向いていない場合もあるでしょう。

営業などで他社と交渉・コミュニケーションを取る必要があるお仕事の場合、DAOのような匿名性は必要不可欠なので、DAOは不向きと言えます。

(実際、現時点でDAOが活用されている業種の多くは、仮想通貨やDeFi(分散金融)などの領域です。)

問題点③:短期投機的な非接続性について

3つ目の問題点は短期投機的な非接続性に関するものです。

難しい用語に聞こえるかもしれませんが意味は単純で、「短期的な投資で稼ぐため、DAOに一時的に参加するユーザーが問題だ」という意味です。

DAOはトップダウン方式ではないため、一人ひとりの個人が組織全体の利益のために動くことで、組織自体が成長し続けられます。

しかし、個人のトークンの獲得だけを目的にしたユーザーが増えると、短期的にしか参加しないユーザーでDAO内が溢れ、組織としての好循環が生まれません。むしろ、そのまま組織が崩壊してしまう恐れもあるでしょう。

そのため、DAOを運営するにはこのようなユーザーへの対処が必要不可欠になっています。

以上が、DAOにまつわる3つの問題点でした。メリット・デメリットの両方を天秤にかけて、興味のある方はDAOへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。

(DAOへの参加はビットコインなどの仮想通貨を購入するだけでOK。そのため、仮想通貨取引所のCoincheckなどをご活用ください。)

まとめ:読了後は、仮想通貨・メタバースを通してDAOに参加してみよう

今回は、仮想通貨やメタバース分野に関連の深い「DAO」について徹底解説しました。

この記事をここまで読まれた方は、DAOに関する知識がかなり身についたと思います。本記事を読み終わった後は、ぜひDAOに参加してみてください。

DAOでは全員が平等なので、自分が少しでも力を提供できると感じる組織があれば、参加してみましょう。

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