今回は、NFT界を賑わしている話題の「Nouns DAO」について解説します。この記事はこんな方におすすめです。
・Nouns DAOのNFTに興味がある
・Nouns DAOの将来性を知りたい
・NFTに関する最新ニュースを知りたい
それでは早速、本題へいきましょう。
この記事をざっくり要約!
- Nounsは毎日1つ自動的に生成されるNFT
- Nouns DAOはその組織を運営するDAO型組織
- これまでNFT界だけでなく、他の分野で知名度を上げてきた
はじめに:Nouns DAOとは?
まず、ここでは簡単に「Nouns/Nouns DAO」について解説します。
一言で説明すると、NounsとはNounders(プロジェクトの初期メンバー)によって制作されたNFTのことです。
より正確に述べると、NounsはそのNFTの集合体を意味しており、個々のNFTは「Noun」と呼ばれています。
(眼鏡のアイコンが特徴のドット絵NFTで、見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。)
後述しますが、Nounsには「毎日1つずつ自動的に生成される」という一風変わった特徴があり、毎日公式HPで24時間のオークションが開催されています。
そこで、Nounを購入できた人がNouns DAOの一員になるという仕組みです。
ただ、これだけではまだまだわからないことだらけだと思うので、次の項目でより詳しくNounsを見ていきましょう。
Nouns DAOの5つの特徴
ここからは、Nouns DAOの特徴について解説していきます。ここまで読めば、Nounsについてだいたいのことはわかるようになるので、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは早速、Nouns DAOの5つの特徴を紹介します。
特徴①:毎日1体のNounが自動的に生成される
特徴②:どのNoun(NFT)もレア度が同じ
特徴③:CC0(パブリックドメイン)を採用している
特徴④:フルオンチェーンNFTである
特徴⑤:収益はコミィニュティ内のトレジャリーに保管
ひとつずつ見ていきましょう。
特徴①:毎日1体のNounが自動的に生成される
1つ目の特徴は先程も述べたとおり、毎日1体のNounが自動的に生成されるという点です。
誰か一人が中央集権的な力を有してNounの提供を牛耳っているのではなく、プログラムによって自動的にNFTが生成されるため、DAOの仕組みとしてもかなり健全だといえます。
(このような自動で生成されるNFTのことを、「Generative NFT(ジェネラティブNFT)」と呼びます。)
特徴②:どのNoun(NFT)もレア度が同じ
また、Nouns間でレア度に差がないのも特徴です。普通、自動的に生成されるNFTだとレア度や優劣がつけられますが、Nounsではそのあたりも平等になっています。
そのため、見た目や自分の好みで購入したいNFTを決めることができますよ。
特徴③:CC0(パブリックドメイン)を採用している
また、NounsはCC0(クリエイティブ・コモンズ・ゼロ)を放棄しているため、著作権がありません。そのため、誰でも商用利用が可能になっています。
後の項目では、実際に利用された事例も紹介しますよ。
特徴④:フルオンチェーンNFTである
NounsはフルオンチェーンのNFT(イーサリアム上に直接保存されている)であるため、データを改ざんできないNFTであるのも魅力です。
永続的で、一生消えることがないNFTというのは安心ですよね。
(高額なNFTを買ったのに消えてしまっては元も子もないので、「フルオンチェーンのNFT」というのは非常に重要な要素となってきます。)
そのため、1体のNFTの価値が非常に高いです。はじめの1体目は613ETHという大変高額な金額で取引され、それ以降も100ETHほどで取引されています。
特徴⑤:収益はコミィニュティ内のトレジャリーに保管
また、Nounの販売で得た利益は全てNouns DAO内の「トレジャリー」と呼ばれる、一種の財布のようなところに保管されています。しかも、手数料を抜かずに全額です。
(普通ならNoundersが何%か手数料として報酬を取ると考えられそうですが、彼らはそういったことをしません。あくまで、他のユーザーと平等である「DAO」の秩序を守っているといえます。)
以上が、Nouns/Nouns DAOの5つの特徴でした。次に、具体的なNouns DAOが活用された過去の事例をおさらいしておきます。
Nouns DAOの過去の活動
Nouns DAOはNFTを販売する以外にも、さまざまな分野で活躍しています。ここでは、その過去の活動を振り返っていきましょう。
1. スーパーボウル
1つ目に紹介するのは、アメリカで最も注目度の高いスポーツの祭典であるスーパーボウルとNouns DAOについてです。
まず、Nouns DAOがビールをモチーフにしたNounを作ったことが始まりでした。
そこで、ビール会社のバドワイザーにこのNounをプレゼントし、スーパーボウルの試合の合間に流れるCMに使ってもらおうと考えたのです。
その際ももちろん、DAO内での投票が行われました。その結果はこちらのサイトで確認できますよ。>>https://nouns.wtf/vote/33
こうしてバドワイザー社は2022年のスーパーボウルのテレビCMでビールをモチーフにしたドット絵のキャラを登場させ、話題となりました。
また、それだけでは終わらず、このNFTをパッケージにしたビールの開発も始まっています。
2. ファッションブランド
こちらはあるファッションデザイナーが「Nounsをモチーフにしたデザインの服を作る」といったことを提案し、始まったプロジェクト。
実際に3Dプリンターで実物化したNounsを連結させて服を作り、話題を呼びました。今後はその洋服をデジタルファッションにも応用する予定だそう。
このような取り組みが頻繁に行われるのも、前述した「CC0を放棄した」という特徴が生かされています。
著作権がないことで、今後二次創作して服を販売する場合に、Nounsの使用料が抜かれることはないからです。
ただ、これだけを聞くと「Nouns DAOのメンバーは得をしないんじゃ…」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
Nounsのブランディングが上がることは、NounsのNFT自体の価値を上げることに直結し、それを売買すれば間接的に利益を得ることができます。
このように、ウィンウィンの関係性が構築されているため、非常に持続可能性が高いのも魅力です。
Nouns DAOの今後の展望
ここからは、Nouns DAOの今後の展望について解説します。これまでもNFT界だけでなく、多くの分野に活動の幅を広げてきたNouns DAO。
今後も大量にあるトレジャリー内のイーサリアムを活用して、Nouns自体のブランディングを高めていくと考えられます。
先ほど紹介したもの以外にも、Nounsのコーヒーブランドを作ったり、ウクライナへの支援、Nounsを題材にしたドキュメンタリー映画の制作をしたりしています。
このように、ランダム性が一種の面白さでもあるので、将来を予想することは非常に難しいのですが、予想としましてはNounsを使ったNFTゲームが開発されると思われます。
その理由は、Nouns自体のブランディングを高める作業にも限界があるからです。
そのため、知名度・人気がある程度まで高くなったら、次はNounsを実際に利用する手段の1つとして「NFTゲームを作る」のではないかと予想します。
まとめ:Nounsのニュースをチェックしよう
今回は、Nouns DAOについて徹底解説しました。
しかし、この記事ではNounsの購入方法は解説していません。
なぜなら、非常に高額だからです。1体あたり1,000万円以上することもザラにあるため、一般人の方で購入できる人はごく少数でしょう。
だからといって「それだったらNouns DAOは関係ないな」と考えるのは早計です。
NounsにはNFT界のブームを作り出せる力があるので、Nounsを購入していなくてもNFTに興味があるならニュースはチェックしておきましょう。
今回は以上です。